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全てのまばたきが、伏線。
『江花病院』に長期入院している閉じ込め症候群(ロックドインシンドローム)の女性患者・岸部愛華が深夜に体調を崩した。当直中の産婦人科医・水瀬真理亜が診察すると、愛華は妊娠していることが判明する。寝たきりの愛華は誰に妊娠させられたのか? 病院は騒然となり、政治家である愛華の父は激怒するが、前代未聞の事件はマスコミに報道されて世間の知るところとなる。真理亜は真相を探るべく、話すことができない愛華のまばたきを通して彼女の”声”を聞くが――
社会派ミステリーの旗手が人間の尊厳と命の倫理に迫る、新たなる傑作。
※この作品は単行本版『アルテミスの涙』として配信されていた作品の文庫本版です。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
デビュー作『闇に香る嘘』への著者による再挑戦と、解説者が述べているとおり、障害によるコミュニケーションが困難な状態で生きる意味を問うミステリー。
確かにデビュー作に匹敵する、それ以上の傑作と言える。
産婦人科医の水瀬真理亜は、「閉じ込め症候群」で入院している女性患者岸部愛華が体調を崩したので診察すると、彼女は妊娠していることが判明。
寝たきりで身体が動かせない彼女に誰が妊娠させたのか。病院は騒然となり、マスコミも知るところとなり、騒ぎは拡大し、愛華の両親は病院を非難する。
真相を探ろうと水瀬真理亜は、話すことが出来ない愛華のために、文字盤を使い彼女の声を聞く。
そして驚天の事実が明らかになるが、話を聞く側の事実誤認や誤解が混迷をもたらし、どんでん返し的な展開になる。
次々と語られる真実に、読む手が止まらない。
著者の巧みな伏線の張り方に、読者も翻弄されるが、芳醇なワインを飲んだかのような読後感が味わえる。
一連の騒動の後で、ある人物が述懐する。
「正論なんてものはね、人を追い詰めるためにしか役立たないものなんだよ。人間は、自分は正論に不快を感じて反論するくせに、他人には平然と正論をぶつけたくなる生き物だ。自分は正しいことをしているという思い上がりがあるから、相手の心の傷に気づけない」
Posted by ブクログ
下村敦史『アルテミスの涙』小学館文庫。
冒頭からの驚きの展開にあれよと言う間もなく物語の中に引き込まれていく。見事な感動のミステリーであった。
千街晶之は解説で、この作品をデビュー作『闇に香る嘘』への著者自身の再挑戦と評しているが、まさにその通りだと思った。
江花病院に7ヶ月もの間、入院している交通事故による『閉じ込め症候群』で、意識がありながら、身体を動かすことが出来ない女性患者の岸辺愛華が深夜に体調を崩す。当直の産婦人科医・水瀬真理亜が診察すると、愛華が妊娠していることが判明する。
寝たきり状態の愛華は誰に妊娠させられたのか、病院は騒然となり、政治家である愛華の父親は激怒する。前代未聞の事件はマスコミにも知られ、報道により世間の知るところになる。警察も院内に捜査に入り、真理亜も真相を探るべく、話すことの出来ない愛華のまばたきで彼女の意思を知ろうとする。
身動きの全く取れない愛華を妊娠させたのは、あろうことか……
少しずつ明らかになる妊娠の真相……
本体価格770円
★★★★★
Posted by ブクログ
『アルテミスの涙』は、医療ミステリーとしての緊張感と、人間の尊厳や生命倫理について考えさせるテーマが印象的な作品だった。
物語は、閉じ込め症候群(ロックドイン症候群)の患者・岸部愛華の妊娠という衝撃的な出来事から始まる。まばたきだけでしか意思を伝えられない愛華の思いを、産婦人科医の水瀬真理亜が懸命に読み取ろうとする姿に強く引き込まれた。
事件の真相が明らかになるにつれ、「命とは何か」「本人の意思をどう尊重すべきか」という重い問いが浮かび上がる。予想を超える展開に驚かされる一方で、登場人物たちの葛藤や選択には深く考えさせられた。読後には切なさとともに大きな余韻が残る、印象深い作品だった。
Posted by ブクログ
病院で寝たきりとなっている、若い女性患者に突如発覚した妊娠。
瞬きのみでのコミュニーケーションから読み取った、本人の希望は『子供は産みたい』だった。
ミステリー要素も強い本作ですが、生命倫理や当事者の人権問題など、多くの社会問題も複雑に孕んだ本作。
ページを捲る手が途中から加速していくように、のめり込んで読めました。
この著者の作品、他にも積読してるので、そっちも楽しみだなー。
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全てのまばたきが、伏線。
『江花病院』に長期入院している閉じ込め症候群(ロックドインシンドローム)の女性患者・岸部愛華が深夜に体調を崩した。当直中の産婦人科医・水瀬真理亜が診察すると、愛華は妊娠していることが判明する。寝たきりの愛華は誰に妊娠させられたのか? 病院は騒然となり、政治家である愛華の父は激怒するが、前代未聞の事件はマスコミに報道されて世間の知るところとなる。真理亜は真相を探るべく、話すことができない愛華のまばたきを通して彼女の”声”を聞くが――
社会派ミステリーの旗手が人間の尊厳と命の倫理に迫る、新たなる傑作。
Posted by ブクログ
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閉じ込め症候群で
寝たきりの
女性患者が妊娠した。
一体誰が―――!?
全ての
まばたきが、
伏線。
コミュニケーションの極限で
生きている意味を問う
渾身のミステリー
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YouTube「ほんタメ」で紹介されていて、
気になっていた一冊です。
文庫化されていて、迷わず購入しました。
話せない動けない彼女が病院内で妊娠していた。
彼女の両親、病院、SNS、マスコミ…
全てが騒然とし、病院の管理体制を糾弾する。
産婦人科医の水瀬真理亜が、
彼女とまばたきを使って会話を試みる。
通勤中に読んでいましたが、
続きが気になりすぎて、一気読みでした。
家族って、子どもって、生きることって。
彼女が選んだ結末を気になる方はぜひ読んでみてください…!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
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