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人気シリーズ「乙女の本棚」第30弾は、文豪・太宰治×イラストレーター・今井キラのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
ああ、私は一体、何を待っているのでしょう。
毎日、毎日、駅にまだ見ぬ人を迎えにいく女性。今日も彼女は、駅の冷いベンチに坐っている。
太宰治の名作が、他の追随を許さない独自の空気感で、世界中のロリータ少女たちから支持され続け、本シリーズでは太宰治『女生徒』を担当する大人気イラストレーター・今井キラによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
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Posted by ブクログ
この娘は誰を待っているのだろう。明確な答えは本人にもわからない。でも、この感覚、すごくよく分かる。
誰かにかまってほしくて、誰かに見つけてもらいたくて、でも、そんなことがあったらと思うとドキドキしすぎて、白昼夢みたい、というのはその通りで…。
待っているのは、ただ、漠然と寂しいから。人間が怖いから、一人でいる時間のほうが安心するけれど、それでも自分を受け入れてくれる、温かい誰かが現れたらいいなと幻想を抱いている。そんなことをする自分を、みだらな女だと思ったり、不埒な計画が燃えていると認識していても、こんなことでしか、寂しさを紛らわせられない。こんな自分を壊してしまいたいし、誰かに救い出してほしいと思っているのだろう。
すごく短い絵本といった感じなのに、深い。手元に置いて自分の心境の変化と比べながら都度確認したくなった。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズより、何年ぶりかに読み返した太宰の掌編「待つ」です。
すべての見開きページを飾る、今井キラさんの挿絵がぴったりすぎる。
それにしても、こんなに可愛らしくいじらしい話だったかしら?
自分がだれを、なにを待っているのかもさっぱりわからぬまま、それでもただ信じて冷たいベンチに腰かけている二十歳の少女を、期待と不安と覚悟をごちゃまぜに抱きしめながら信じるように待ちつづけている彼女を、はやく見つけてあげてほしい。
『女生徒』を彷彿とさせるような、心のうちから弾け飛ばんばかりの、行き場のない乙女の可愛らしい咆哮のようなものが好き。
Posted by ブクログ
学生時代、『待つ』を読んだ時に、この短い文章でこれだけ不安定な心情を表現できる文豪の才に衝撃を受けた記憶があったのと、乙女の本棚シリーズの本が欲しいなと思っていた頃にたまたま書店で見かけたので購入。
最初の数ページは、百年前の太宰の語りと、現代調のイラストに隔たりを感じたが、しだいに、じわじわと、この作品で語られている心許なさとイラストの虚無な眼をした少女が重なってきて、何度も読み返してしまう。眺めれば眺めるほど、小説世界を深掘りしていく耽美で病みを抱えたイラスト。
関係ないけど、ゲスの極み乙女の「id1」という曲に「ぼくらは少しだけ明日を待ちすぎてる気がする」という歌詞があるのを思い出した。戦争が始まって世の中に置いてきぼりにされたように感じて、生きづらさを拭ってくれる突破口を求めている。
この作品の最後の一文に、学生時代の私はただならぬものを感じたのだが、歳をくってから読むとそこまでの衝撃はない。ただ、確かに、どこかしらの駅に、こういう若い子はいるだろうなと思った。昔は私もそういう子どもだったかもしれない。そして、そういう頃の感性を忘れないでください、と語りかけられている気になった。
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