【感想・ネタバレ】待つ(乙女の本棚)のレビュー

あらすじ

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

人気シリーズ「乙女の本棚」第30弾は、文豪・太宰治×イラストレーター・今井キラのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

ああ、私は一体、何を待っているのでしょう。

毎日、毎日、駅にまだ見ぬ人を迎えにいく女性。今日も彼女は、駅の冷いベンチに坐っている。

太宰治の名作が、他の追随を許さない独自の空気感で、世界中のロリータ少女たちから支持され続け、本シリーズでは太宰治『女生徒』を担当する大人気イラストレーター・今井キラによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「ああ、私は一体、何を待っているのでしょう」。大戦争が始まってからというもの、少女は毎日、駅の冷たいベンチで誰かを待っている。身を粉にして働くこともできず、家を出てもどこも行くところなどなくて、ベンチで人の行き交いをただ眺める。誰かを待っている、誰かに見つけられるのを待っている、世界をただみつめ夢想する。二十歳の少女は、そうやって、戦争というものをやり過ごしていたのだと思った。そんな娘が今もどこかにいるかもしれません、このひどい世界の片隅に。

0
2025年05月04日

Posted by ブクログ

太宰治の女の子視点のお話って、なんかかなり乙女な感じがしてかなり好き。これも不安定な乙女な雰囲気でよかった。

0
2024年10月13日

Posted by ブクログ

太宰治の精神的な脆さが伝わってくる気がする。女生徒より読みやすいが20歳の女性が何するわけではなくただ何かを駅舎で待つ。
結末が気になる。

0
2024年08月14日

Posted by ブクログ

この娘は誰を待っているのだろう。明確な答えは本人にもわからない。でも、この感覚、すごくよく分かる。
誰かにかまってほしくて、誰かに見つけてもらいたくて、でも、そんなことがあったらと思うとドキドキしすぎて、白昼夢みたい、というのはその通りで…。
待っているのは、ただ、漠然と寂しいから。人間が怖いから、一人でいる時間のほうが安心するけれど、それでも自分を受け入れてくれる、温かい誰かが現れたらいいなと幻想を抱いている。そんなことをする自分を、みだらな女だと思ったり、不埒な計画が燃えていると認識していても、こんなことでしか、寂しさを紛らわせられない。こんな自分を壊してしまいたいし、誰かに救い出してほしいと思っているのだろう。
すごく短い絵本といった感じなのに、深い。手元に置いて自分の心境の変化と比べながら都度確認したくなった。

0
2024年02月13日

Posted by ブクログ

乙女の本棚シリーズより、何年ぶりかに読み返した太宰の掌編「待つ」です。
すべての見開きページを飾る、今井キラさんの挿絵がぴったりすぎる。
それにしても、こんなに可愛らしくいじらしい話だったかしら?
自分がだれを、なにを待っているのかもさっぱりわからぬまま、それでもただ信じて冷たいベンチに腰かけている二十歳の少女を、期待と不安と覚悟をごちゃまぜに抱きしめながら信じるように待ちつづけている彼女を、はやく見つけてあげてほしい。
『女生徒』を彷彿とさせるような、心のうちから弾け飛ばんばかりの、行き場のない乙女の可愛らしい咆哮のようなものが好き。

0
2023年10月16日

Posted by ブクログ

戦争の時代、彼女は何を待ったのか。
この短い文章に太宰さんの中の乙女から見た世界が濃くみえる。
そういえば、私も何かをずっと待っている気がしてくる。

0
2023年07月05日

Posted by ブクログ

物語の儚さや寂しさとイラストが合っており大変読みやすかった。そしてこの主人公の感情は現代の人でもわかるとこがあるかもしれません。

0
2023年04月29日

Posted by ブクログ

どこか官能的で退廃的な太宰治の文章に今井キラさんの作風がとてもマッチしている。
文章も勿論だけど、今井キラさんのイメージ力が素晴らしいなと感じた。

0
2023年03月09日

Posted by ブクログ

この短編は初めて読んだ。やはり太宰府の描く少女は好きだな。いじらしいし、いやなことはいやだと言うし。
少女に共感しつつ読んだ。

0
2024年10月24日

Posted by ブクログ

乙女の本棚シリーズ。
今井キラさんの装画が見事にマッチ。
ペールトーンの柔らかな色合いが、すごく好みだった。
誰かを待つ、待ち人が誰だか分からないけど待つ。
そんなことも遠い昔にあったかも、と思いながら読んだ。

0
2024年02月12日

Posted by ブクログ

もっとなごやかな、ぱっと明るい、素晴らしいもの。
彼女は誰を、何を待っているのだろうか。
ある日偶々その駅で出会って、忘れることのできない人か、それとも戦争も、何の不安もない穏やかな日常か。
想像が膨らみます。
一人ひとりそれぞれに忘れられない記憶、あと一度でいいから会いたい人、そんな存在があると思います。
だからこそ、心に染みる作品なのかなぁと思いました。

0
2023年12月01日

Posted by ブクログ

太宰治の作品のなかで最も好きな作品。

得体の知れない何かを待っている私。
何を待っているのか、わからないけれど、毎日何かを待ち続ける私。

そんな私がいることを忘れないでくださいって、怖いなと思いつつ。

人間なら誰しも、何かを待っているし、何かを待っている私に気づいてほしいっていう気持ちがあるのではないでしょうか。

0
2023年04月28日

Posted by ブクログ

「一体、私は、誰を待っているのだろう。はっきりした形のものはない。たた、もやもやしている」
この一文から言いようのない焦りや不安を感じて、現代人が抱えている言いようのない不安を表しているような感じがした。
理解が難しいけれど面白い作品

0
2023年02月18日

Posted by ブクログ

乙女の本棚シリーズの一冊。
太宰治といえば『人間失格』「走れメロス」のイメージが強い。しかし、この本を読めば、太宰治に対するハードルがだいぶ下がるのではないだろうか。

0
2025年05月06日

Posted by ブクログ

見開きの半分がカラーの挿絵で、これなら読めるかなと思って。文章だけ読んでる時よりちょっと気は散る気もするけどページを捲るハードルは下がってる気はする。イラストは刺繍糸とか物の絵は結構好きだなって思って眺めてた。
太宰は何言ってるか全然わからんな…うだうだしているのは共感できないなと思う。

0
2025年01月04日

Posted by ブクログ

この子の気持ちすごく分かる。なんで男性がこれを書けるんだろう、すごいな。イラストがめちゃくちゃ好き!!文量に反比例してイラストが満載で贅沢。

0
2024年08月30日

Posted by ブクログ

はい、大好評満員御礼につき(どこがよ)読まずにレビュー第3弾です!

今回も太宰っす
太宰治の『待つ』です

なんかおびーのレビューに駅で待ってるとか書いてあったな

あ、ちょっと待って
その前に「おびーのレビュー」ってゴロ良くない?
もともと超脱線のレビューなのにさらに脱線するっていうね

はいは
太宰ですからね
なんか物悲しい感じですよ恐らくは

そして駅での待ち合わせといえば昔は伝言板ですよ
まぁ若い人は知らんでしょうけどね
おじちゃんたちが若い頃はスマホや携帯なんてものはありませんでしたからね
駅の待ち合わせ室(ってのがあったのよ)には緑色した伝言板ってのが必ず設置してあってね
そこにチョークでまさに伝言を書き残して待ち合わせ相手に伝えたりしてたんです

例えば「2時間待った!もう帰る死ね!」とかね

で、伝言板といえはxyzですよ!
シティーハンターですよ

シティーハンターと太宰では時系列が合わないですけど、そんなの知ったこっちゃないですよ!

あ、ボディーガードだと完全盗作になっちゃうんで、殺し屋にしましょう

うん、この女性は道ならぬ恋に溺れているわけです
相手の男性には奥さんと別れて結婚してくれるよう迫ってるんですが、煮えきりません
それもそのはず、男は婿養子で相手の家にがっつり依存、別れる気なんてさらさらありません

しかし、女との関係は続けたい
そんな中ぽろっと「あ〜、いっそ奥さんが死んでくれたらな〜」と漏らしてしまいます

それを女は本気にして殺し屋を伝言板で雇うのです
合言葉は「いろはにほへと」

そして殺し屋は男の奥さんを殺すことに成功するんですが、その際に奥さんを守ろうとした男も殺されてしまいます

絶望した女は再度殺し屋に今度は自分を殺すように依頼しますが、殺し屋は同じ人物から二度依頼を受けないことにしていました

そうとは知らない女は駅の待合室で、来る日も来る日も、殺し屋を待ち続けるのでした

悲しい。゚(゚´Д`゚)゚。

0
2024年08月02日

Posted by ブクログ

太宰治文学忌、享年39歳で良いのかな

1942年の作品

二十歳の女性が何処かの駅で 誰かを 何かを
待っている “女性”の中の一編
なんとも乙女ちっく
毎日買い物帰りに小さな駅のベンチで誰ともわからぬ人を待つ
毎日待つ
いつまでも待つ
一人で待つ
弱さより この待つ根性の強さ
戦中の鬱屈からの自由を待つのか

今井さんの淡いカラーでありながら正確なデッサンがよく合っていました

0
2024年06月19日

Posted by ブクログ

タイトル、イラストに惹かれて手に取りました。戦争を題材に太宰治氏が書き残した作品に、今井キラ(今井キラさん初めて知りました)さんのなんとも不思議な雰囲気のイラストがぴったり。
誰を待っているのか、私もはっきりとわからないけれど、その感覚、凄くわかります。帰るあてのない人を待つ、或いは誰ともわからぬ誰かを。
自分自身を客観視している表現があり、わかるわかると頷いてしまった。
主人公はまだ20歳の娘ということに少々驚き。

0
2024年02月16日

Posted by ブクログ

「ああ、私は一体、何を待っているのでしょう。」

省線の小さい駅で私は毎日誰ともわからぬ人を待つ。

大戦争下の若い娘の心の不安定なゆらめきを感じた。
太宰治は繊細な乙女心を描くのがうまい。

0
2023年08月13日

Posted by ブクログ

乙女の本棚シリーズ♪
太宰治さんと今井キラさんのコラボ作品。

自分でも分からない何かを待っている少女。
分かるような、分からないような不思議な感じのする作品だったけど好きでした♡
純文学、奥が深い〜。
その独特な世界観と、今井キラさんの儚げでふわっとしたイラストがとてもマッチしてました♪

普段、難しい気がしてなかなか手に取らない純文学の作品だけど、このシリーズだとスルッと世界に入り込めてしまう。
aoiさんとチーニャさんに教えていただいたシリーズ♪
まだまだ追いかけたいな〜\♡︎/

0
2023年08月08日

Posted by ブクログ

20代前半の希望感と絶望感が入り混じった気持ちは、いつの時代も一緒なんだと感じました。

そして、とにかく絵が綺麗で素晴らしい。

全体のページは短いですが、ゆっくり読んだ方がいい本だと思います。

0
2023年04月21日

Posted by ブクログ

よく、こんな話思いつくものだ。ぼんやり電車を待つ事は、あるが。山で最終列車に乗り遅れ、駅で一晩過ごした事がある。こんな内向的な気持ちには、なれないが、ストーリーとしては、面白し。

0
2023年04月06日

Posted by ブクログ

人付き合い・人間関係の息苦しさ、開戦後の閉塞感とぼんやりとした焦燥と不安。
待っているのは人か、平和か、とにかく自分や社会を含む周囲を現状打破してくれるなにかか。
いつの時代も共通の人との関係から回避したい気持ちに、今はウクライナ情勢やコロナ後の変化していく社会への漠然とした不安が、なんとなく重なって、おそらくこの作品執筆時とは違う共感?があった。
今井キラさんの繊細で、作品の物憂げな世界観にあったイラストが素敵。

0
2023年03月15日

「小説」ランキング