作品一覧 2023/04/05更新 行きたくない 試し読み フォロー おとめの流儀。 試し読み フォロー 悲しい話は終わりにしよう 試し読み フォロー カンフー&チキン 試し読み フォロー 気障でけっこうです(角川文庫) 試し読み フォロー こちら文学少女になります 試し読み フォロー 今夜、きみは火星にもどる 試し読み フォロー 放課後ひとり同盟 試し読み フォロー ぼくのとなりにきみ 試し読み フォロー ぼくらはその日まで 試し読み フォロー 友情だねって感動してよ 試し読み フォロー 1~11件目 / 11件<<<1・・・・・・・・・>>> 小嶋陽太郎の作品をすべて見る
ユーザーレビュー ぼくのとなりにきみ 小嶋陽太郎 / オカヤイヅミ わりとよくある設定で、父に期待されて、でも期待に応えられず置いてきぼりになったように感じている中学生男子が主人公。妹は自分と違って期待に応えているから余計に引っ込み思案になっている。 しかし、前向きな男友達と、マイペースな女友達と冒険する過程で色んなことがほぐれていく。 合唱コンクールをがんばるのも...続きを読むよくある設定だが、登場人物が魅力的で、心底悪い人もおらず、読後感のよい作品。 Posted by ブクログ 悲しい話は終わりにしよう 小嶋陽太郎 久々に読んだら小嶋陽太郎のイメージをガラっと覆す小説でびっくり。もっと軽妙で前を向いたポップな小説を書く人のイメージだったのだが、この本は軽妙さやポップさは(ないとは言わないが)影を潜めている。 主人公と親友とそこに現れた一人の女の子。そういう三角な関係が2つ。大学生の市川君と中学生の佐野君の視点...続きを読むで交互に章立てされて話が進む。どちらもまっすぐな友情物ではなく、かなりの登場人物それぞれの背景からして曲者で、一角を成す女の子との関係もそうとうに曲者。 話が進むにつれて張られた伏線になんとなく気付いてくる。その伏線は決して目新しいものではないのだが、それでも回収されるときの衝撃は鈍くドンっと響く。ミステリーじゃないので「あっ」と驚く必要はない。そうかこういう回収による表現もあるんやと、衝撃におののきつつ感心する。 読後にタイトルの意味と、第一章が唐突に始まる意味が分かって、それでまた感動する。小島陽太郎、やっぱただものじゃない Posted by ブクログ 友情だねって感動してよ 小嶋陽太郎 この著者の言葉のセンス、表現のしかたが好きです。 肩をつかまれ体勢をくずして滑って車道に飛び出し向かいからちょうどいいタイミングでやってきた原付にはね飛ばされる、という流れるように華麗な不運コンボにはわれながら笑った。とか 触らぬ神に調子に乗って触ってしまう人間がいるとすれば… とか。 Posted by ブクログ 悲しい話は終わりにしよう 小嶋陽太郎 中学生の男女3人、信州大生の男女3人、交互に話がすすんでいく。 穏やかに、でも何でだかざわざわと、不安で落ち着かない感じがすごくうまい。 途中、どっちの話だか分からなくなりつつ、行きつ戻りつ読んだ。 最後は苦しかったけど、少し前に進めた。 傷ついたことのない人はいないと思うけど、私のがさつな感性では...続きを読むこんなにひりひり感ある人には寄り添えないだろうな。 うまく書けないけど…本としてはかなり刺さった。 Posted by ブクログ 悲しい話は終わりにしよう 小嶋陽太郎 小嶋陽太郎が描く人の抱える痛みが、踏切の遮断機の音のように急かされて押し寄せてくる。 『火星の話』で見せていた片鱗が大化けした。 環境に恵まれて毎日元気に暮らしている幸せな人にはこの小説はただの暗い話にしか見えないかもしれない。 でも、人の悪意に敏感で、ぐちゃぐちゃと深く考え込んで、勝手に痛みを抱え...続きを読むてこんでしまうような人には、とてもよくわかる物語だと思う。 主人公がまさにそういう青年で、主人公視点の地の文は鬱屈している。 広崎と吉岡との出会いのシーンはとてもわくわくしたのだが、主人公は過去の経験からなかなか彼らと距離を詰めることができない。 でも、痛みを抱えているのは主人公だけではない。 他の登場人物たちにもそれぞれに暗い過去があって、どうにもすれ違ってしまう。 はじめに「幸せな人にはわからない話」なんて、まるで自分だけが被害者みたいなことを書いたが、幸せばかりの人間なんていないということは私もよくわかっている。 誰しも少なからず傷跡はある。 周りとの価値観の違いに悩んだり、作中で「バランス」あるいは「ゼロととなり合わせの百」と表現されるような人間の不安定さに振り回されたり。 でもそれはいつかは乗り越えなければいけない。 その方法はいくつかあるけれど、私はやはり互いの荷物を共有していける相手がいればいいなと思う。 物語のラストは小さな光だが、私には小さくとも眩しく感じられた。 「悲しい話は終わりにしよう」というタイトルが、とても大きな一歩になる力を秘めている。 Posted by ブクログ 小嶋陽太郎のレビューをもっと見る