あらすじ
文学少女の私が、青年漫画の編集者に!?
青年漫画誌に配属になった新人女子。大御所を怒らせ、童貞の作家に戸惑う日々だが――。
25歳期待の新人による長編エンタメ!
「漫画なんて、くだらない」
入社一年目、ザ・文学少女山田友梨が配属されたのは、男だらけの青年漫画誌「ヤングビート」編集部。
大物作家を激怒させ、長寿連載「解決屋一平」はまさかの終了。
童貞が主人公のエッチ漫画「いまだ、できず」の人気は急降下。
雑誌を牽引する大ヒット作「キヨのひらく箱」には激しく心を動かされるが、担当なのに作者とは一回も会えない。
第16回ボイルドエッグズ新人賞受賞の新鋭が描く、イタくて深い、新感覚!青春感動物語
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Posted by ブクログ
小嶋陽太郎らしいというか、さすが楽しませてくれるエンタメお仕事小説。
可愛くはないがブスではない(自称)、巨乳(自他ともに認める)の大卒新人文学少女が、よりによってコミック誌の編集に配属される。
そっからはもう、ジェットコースター。大御所漫画家に留めを刺すわ、覆面作家の謎を暴くは、チラエロコミック作家に惚れられるわ…。
ちょっとした謎解きもあったり、意外なドンデン返しもあったり、退屈させない展開で、これぞエンタメ。肩肘張らずに楽しめる快作。
しかし、コミック界出版社ってとこは、ある意味変態だったりパワハラだったりの温床やな、小説だから笑ってられるが、電通や朝日新聞のブラックぶり観てると現実にこんなんやってると思うと、ちょっと胸が痛む
Posted by ブクログ
2022/2/4
最初あまりに敬意のない主人公に好感持てなかったけど、私が彼女を知るとともに彼女が周りを知っていくにつれて好きになれた。
周りも彼女を知ったし。
お仕事小説の情熱って日常に結構効くのよね。
私も頑張ろうって思える。ありがたい。
Posted by ブクログ
青年漫画編集者になった漫画を読まない文学少女。
最初はうるさいキャラだなあと思ったが、
変化し、トラウマを乗り越えていく姿は
読んでいて、ぐっときた。
周りの先輩方の漫画への熱い思いも
鬱陶しいけど、ぐっとくる。
Posted by ブクログ
118業界のことは知らんけど、登場するみんなが楽しく苦しんでる姿が生き生きしてていいね。文章もストーリーも破綻なくスッキリ読めました。次作もあるのかな
Posted by ブクログ
文学大好きな友梨が配属されたのは、ゴリゴリの青年漫画編集部だった。
これまでの人生で漫画とまったくの無縁だった友梨が
男だらけの青年漫画ヤングビートを担当することになり、戸惑う連続の日々。
ヤングビートの柱ともいえる大御所漫画家を激怒させ、突然の連載終了宣言。
童貞漫画の担当になり人気が落ちていくことへの焦り。
漫画家の代理としかやりとりさせてもらえない人気漫画の主人公が、ある日から友梨の目の前に姿をあわらしたこと。
心が折れそうになることもありながらも
容赦ない言葉を浴びせてくる上司や先輩に同期など
そして漫画の主人公キヨの存在にもときに救われながら
自分のトラウマだった過去を受け止めて
漫画編集者として成長していく姿。
面白いなあ。映像化しても面白いだろうね。
Posted by ブクログ
面白いなぁと思う物語はどのキャラクターも生き生きその風情が目に浮かぶ動きや感情を描写されている。これもそう。直前に「ヌードが分かれば美術が分かる」を読んで、次にこの「エロと向き合う」エピソードというのも面白かった要因か。女の裸は男にとって云々。主人公が堂々と下ネタも口に出せてしまう辺りは男性作家所以か。
Posted by ブクログ
いいものはいい、悪いものは悪い、と大御所にでもはっきり言ってしまう新人編集者の山田や、一見チャラい大沢。表面的には眉間にシワを寄せたくなるようなクセのあるキャラクターがわんさか登場する、とある出版社が舞台の話ですが、仕事に信念、情熱を持っている人ってとても惹かれる。
不覚にも編集者、章の柳沼先生とのやりとりのところで変化した山田に自分の姿を重ねてしまい、それまでさくさくと読んでいたのに、あーこういう思いを仕事でたくさんしてきたんやったなぁ、と、不覚にも涙。
ここからはレビューでも何でもない個人的な話。ワークとライフのバランスを取ろうとすればするほどバランスってナニ?となってくる。継続ではなくしっかり休憩をはさんで、熱く仕事をいつかまたしようと心に決めた夜でした。
Posted by ブクログ
漫画好きの小説嫌いな人にもオススメしたい。出版社の漫画編集に配属された文学少女、山田友梨。不本意な部署配属やセクハラに怒りつつも同僚や漫画家との間で交わされる軽妙な会話とか、内心のツッコミとか楽しめます。漫画編集という自分にとっての未知の世界を垣間見ることが出来るし、お仕事小説のような印象でした。著者の他の作品も読んでみたい。