小嶋陽太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
面白かった。設定と表紙で手に取って正解。文学には詳しい、漫画は「読んだことがない」主人公:山田友梨が、希望した文芸部に入社できずなぜか気鋭の漫画編集部・ヤングビートの新人漫画編集者となってしまうところから始まる。キャラの濃い編集部の先輩に囲まれながら、風変わりな漫画家に翻弄され自分の心にしまい込んだ「トラウマ」にも触れていく。軽いタッチでスイスイと読めるがヤングビートの設定が青年誌であることから、友梨に対するセクハラに耐えられない人も出てくるだろう。割り切って読めればかなりおすすめ。特に漫画が好きな人には。漫画化しても面白いのではないかとも思った。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に読んだら小嶋陽太郎のイメージをガラっと覆す小説でびっくり。もっと軽妙で前を向いたポップな小説を書く人のイメージだったのだが、この本は軽妙さやポップさは(ないとは言わないが)影を潜めている。
主人公と親友とそこに現れた一人の女の子。そういう三角な関係が2つ。大学生の市川君と中学生の佐野君の視点で交互に章立てされて話が進む。どちらもまっすぐな友情物ではなく、かなりの登場人物それぞれの背景からして曲者で、一角を成す女の子との関係もそうとうに曲者。
話が進むにつれて張られた伏線になんとなく気付いてくる。その伏線は決して目新しいものではないのだが、それでも回収されるときの衝撃は鈍くドンっと響く -
Posted by ブクログ
小嶋陽太郎が描く人の抱える痛みが、踏切の遮断機の音のように急かされて押し寄せてくる。
『火星の話』で見せていた片鱗が大化けした。
環境に恵まれて毎日元気に暮らしている幸せな人にはこの小説はただの暗い話にしか見えないかもしれない。
でも、人の悪意に敏感で、ぐちゃぐちゃと深く考え込んで、勝手に痛みを抱えてこんでしまうような人には、とてもよくわかる物語だと思う。
主人公がまさにそういう青年で、主人公視点の地の文は鬱屈している。
広崎と吉岡との出会いのシーンはとてもわくわくしたのだが、主人公は過去の経験からなかなか彼らと距離を詰めることができない。
でも、痛みを抱えているのは主人公だけではない。
他 -
Posted by ブクログ
ネタバレどうしても行きたくないときだって、ある。を綴った6人の作家さんの物語。
内容紹介:誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。 ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。 ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。 僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。
こちらの著書を購入したきっかけは、作家の一人の住野よるさんの作品が載っててそれで読んでみたいと思って購入したんですが、読んで見るとどの話も良かったです。特に心に残ったのが
阿川 -
Posted by ブクログ
これは、もう素晴らしい作品です!!!!!!!!!!!
とにかく、面白い。
変わり者の3人が、暗号解読に挑む中、ようような事件が起こる。
また、サクが近田さんの事を突然好きになってしまう、恋愛小説でもある。
僕が一番面白いと思った、シーンは最後暗号が解けた時に、予想とは全然違うもので、それは角田先生が昔、音楽の佐藤先生宛てに書いたラブレターであって、それを見つけ角田先生に見せたおかげで、角田先生は、佐藤先生にサプライズをして、2人は結婚するかとになった、このように変わり者の3人が暗号解読をするというということが、角田先生と佐藤先生と結婚に結びつくところがおもしいろいなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ぼくのとなりにきみ」の続編、長谷川調査隊シリーズの第2弾である。
前作より、好きな展開。こういう小説を読みたかったし、こういう中学時代を送りたかったし、こういう連中と友達になりたかったし、こんな夏休みを過ごしたかった。
大人がジュブナイルと読むと「この子ら健気だな、可愛いな」と大人目線で鑑賞するのが普通なんだか、こんな風に思えるジュブナイルって素晴らしいじゃないか。
新キャラ、永瀬さんも桐子さんも素敵な女性で、俺なら絶対彼女らの方が好み。そして4歳の時のハセがもうとにかく絶対、圧倒的にエエ奴!正義の味方ってのはこういうヤツのことなんやで。絶対 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小嶋陽太郎らしいというか、さすが楽しませてくれるエンタメお仕事小説。
可愛くはないがブスではない(自称)、巨乳(自他ともに認める)の大卒新人文学少女が、よりによってコミック誌の編集に配属される。
そっからはもう、ジェットコースター。大御所漫画家に留めを刺すわ、覆面作家の謎を暴くは、チラエロコミック作家に惚れられるわ…。
ちょっとした謎解きもあったり、意外なドンデン返しもあったり、退屈させない展開で、これぞエンタメ。肩肘張らずに楽しめる快作。
しかし、コミック界出版社ってとこは、ある意味変態だったりパワハラだったりの温床やな、小説だから笑ってられるが、電通や朝日新聞のブラックぶり観てると現 -
Posted by ブクログ
この感じ結構好きなかな。
甲殻類の言語
カニとエビとカイの話。
何を考えているかなんて、分かんないから。思い込みってあるしさ。そんな全能感なんて。
まぁ、カニとエビが仲良くやれるといいのかな。
ディストラクション・ガール
松岡、可愛いじゃんかよ。
西野の方に惹かれるのも分かるけどね。
或る、ミコバイトの話
ミスリードだとは分かるけど、そっちに行くのね。
あーいいなぁ。
象の像
こういう一人語り好きだなぁ。
僕も頭の中でやるもの。
そして、この後輩なかなかやるね。
恋をしたのだと思います
合わせてしまう、自分が無い感覚。凄くわかる。それが楽だったりさ。でも、本当の楽って、そういう事じゃ