あらすじ
「なにか護身術習えば?」痴漢に遭った女子高生の林は、友人にそう提案されるがまま、パルコの屋上にいる「蹴り男」に会いに行く。その男は、降ってくる不幸を阻止するために、空に向かって蹴りを続けていると言うが……(「空に飛び蹴り」)。離婚寸前の両親、体と心の性別の不一致、永遠に叶わぬ恋。一人きりで悩んで今にも心が爆発しそうな時、この本はきっとあなたの味方になる! 青春連作短編集。
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Posted by ブクログ
両親の不仲、祖母の認知症、イライラする女子高生
不幸が空から降っている、蹴り返さないと、という怪しい蹴り男に会い
試しに空を蹴るが、、、
自分の性自認に悩みつつ諦めの感のある高校生
周りの変化に感情が右往左往
空から降る雨の日、友人と和解
空に向かって笑顔の練習
空がテーマか?
母親の再婚で、新しい家族として過ごす
母親の変化や、新しい家族に違和感と不自然さを感じるが、やがて自分抜きの家族が自然なのではと思い直す
だがある出来事から、みんなが無理をして家族を演じてたことが分かる
その鍵になるキャラクターが本人の悩みさえも解決に導く不思議な存在感
小学校の思い出を持って妄想にかられた大学生活を送る男
その妄想から目を覚ますきっかけとなる女子高生
みんな一人で孤独に悩んでるけど、実は意図してかしなくてか、寄り添う人が身近にいることをさらりと描く、連作短編集です
Posted by ブクログ
読んでいてわっ、こういうことだったんだ…!ってなる切り口が斬新で面白い。
感情が明確に書かれているわけではないのに、登場人物たちの思いが汲み取れる描写があってステキだなあと思った
Posted by ブクログ
少年少女たちの突き抜けた連載短編集。
ややネタバレあり。
「空に飛び蹴り」
ジャケットにもなっている作品。
ポツリポツリと味わう、気分の悪い出来事。
君には沢山の不幸が漂っているから、とにかく蹴って、落ちてくる不幸を解消せよと言われる。
自分に降りかかる不幸だけじゃない。
父や母や祖母の分を。
それさえ自分が撒き散らしたかのように捉え、切実に足を蹴り上げ続ける彼女は、孤高のヒーローみたいだった。
世界を救うために身を削る者が、誰にも存在を知られないままの、あんまりな物語に似ている。
「怒る泣く笑う女子」
視点は変わって、同じ学校に通う三崎に移る。
見た目と心の性別の不一致に悩み傷つきながらも、一つ一つの物事を疎かにせず、向き合っていく様子はある意味、さっきの林にも似ている。
あなたは容易く叶えられて、私には叶えようとすることさえ無謀に思える、好きな気持ちの顛末。
オンナノコに憧れ、毒づきながらも、でもそこが三崎の良い所だと思う。
最後の話でも登場する兄弟が、揺らぐことなく三崎を見つめる姿もまた、愛おしい。
「ストーリーテラー」
友達の良いところを一つ言ってみましょう。
そうだな、確かに、良いところであれば、なんでも許される気がするんだよなー。
クラスメイト同士で褒め合うとか、良いところを言い合うことが、自己肯定感に繋がるというけど。
でも、誰かの人格への評価にもなり得る。
「『光るにじ』が上手に書けているところです」
自分の良いところを言ってくれる人がいなくて、沈黙にクラスが支配されたとき。
自分の意外な一面を、そっと掬い上げてくれた言葉があった。
そのことをリフレインし続けるあまり、純粋に歪んでしまったとして。それくらいの影響力を持っていたシーンであることは、よく分かる。
どれも、どこか突き抜けたお話なのだけど、その突き抜けた姿に、共感があったことが嬉しい。
Posted by ブクログ
一人でも大丈夫。皆一人なんだから。と、現役の高校生に読んでもらいたいです。同調圧力の強いこの日本で、一人一人が自立していく過程で助けになる著書だと思います。
Posted by ブクログ
思春期の頃の悩みが気持ち良く描かれている。短編に出てくる人同士が少しずつ絡み合いながら。個人的には、もう少しそれぞれの物語が影響し合うのかと思っていたので、そこは少し残念。登場人物としては出てくるが、それぞれの物語となっていた。
Posted by ブクログ
「誰かのこと好きになると、ちゃんと女になりたくなるんだって気づいた」
「いまのおれは、男でも女でも、林以外の人は好きにならないよ」
ストーリーテラーもよかったし、なにより最後の「僕とじょうぎとぐるぐると」がめちゃくちゃ好きなやつでした