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Posted by ブクログ
日本でいうところの"黄昏(誰そ彼)時"、あるいは"彼は誰時"に該当する言葉として、イタリアでなくフランス語ではあるが、"犬と狼のあいだ"という表現が当地にはあると知り、いかにもアルプスの山々を身近に仰ぐ民の言葉らしいな、と妙に感服した。
また、標高が100m上がれば気温は0.6℃下がる、と言われるが、なるほど主人公が考えるように垂直移動による気候の変化もそれ自体を旅と捉えれば、私たちの人生をもう少し豊かにすることもできるのかもしれない。
モンテ・ローザを富士山になぞらえ、作品全体を富嶽三十六景に見立てて構成している様が、日本人にとっては嬉しいサプライズのようでもあり、まさしく日めくりの絵画を鑑賞するが如く味わうことができる。
…が、個人的には細かく章立てせず、一つの大きな物語として悠々と紡いでくれる方が好みだったかな…。
俗世間でこなさねばならぬタスクの合間の慌ただしい時や、何某かの悩み事等に脳内の大半を占められている時ではなく、心身ともに余裕がある時に、じっくりどっぷり浸かることこそがふさわしい作品だと感じた。
「凶暴なまでに違和感のある、不快な眺めだった。ロープウェーの設備も、落下防止用のネットも、整地の跡も、むきだしのコンクリートも、何もかもが醜悪だった。」
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