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Posted by ブクログ
表題作含む全八編の短編集。貧富の差別、反社会的勢力、排泄、四肢切断、熱帯雨林の奥に住む常識の通じない現地人、児童虐待、性的搾取、自分を対象として無許可に行われる実験、食人、極限状態で限界化して「おかま」になる父親……。
ホラー小説史に燦然と輝く奇跡の作品集と背表紙に書かれてはいるが、はたして不気味で恐ろしい未知の存在との邂逅がウリの「ホラー小説」というよりも、その中では生理的嫌悪とか、気色が悪いとか、随分ヒトコワに寄った話ばかりなのではないかと思う。乱舞する内臓!滴る血液!はらわたで蝶々結びをしてやろうか!ギャハハ!のような、ゴア表現というか、ゴシックな感じというか、そういうものに限らない「グロテスク」を痛感させられる。文章を追うにあたって、ザクーと斬られて痛そうだからという単純すぎる理由で顔をしかめることは少ないないが、とにかく生理的嫌悪……。
普段はトランスジェンダーに偏見なんてないですよなどと澄まし顔をしている人も、母親に病気を移して出ていったような最悪な父親に一攫千金の話を持ち掛けられて連れてこられたジャングルで、かつての彼の仲間に出会い、しかし運命にも裏切られ、絶対絶命の状況で、ずっとニヤニヤと煙草を吸っていた嫌なおっさんだった父親が、突然泣きながら「おかま」になる流れを見せられれば、ウエッ……と顔を歪めるだろう。
普段からイラスト中の、まだ未成熟で小さな女の子を愛し興奮している人も、彼女の義父が彼女が逃げてきた先の廃工場で引き倒し、スカートと下着を脱がせ、「狭いから」とカッターの刃を股に当てるのを見ればアッ……イヤッ……と目がバッテンになってしまうだろう。
とにかく最初から最後までものすごい話がたくさん入っていて、それで言うと「Ωの聖餐」がいちばんわかりやすく、食人と解体と排泄物の汚い話なのに、そのうえでオチが美しすぎて、「Ωの聖餐って綺麗な話だったんだ……」とドキドキ♡しています。たぶん違います。
Posted by ブクログ
短編集。
どれもこれもガッツリ脳みそを掴んでくる胸糞悪さ(と若干のスッキリさ)があって、平山ワールドを堪能できた気分。
地図が主人公の表題作も良かったが、「無垢の祈り」と「すまじき熱帯」が特に気に入った。
「無垢の祈り」は、ふみという女子が母親と義父に虐待されていて、どうしようもない状況の中、連続殺人犯に救いを求めている。とにかくふみが悲惨だし、本当にふみの周りの人間全員殺人犯にぶっ殺されればいいのにと願ってしまった。ふみがこの後どうなるかは分からないし、どっちかというとさらにヤバめの状況に置かれているのは間違いないが、これはこれで幸せなのかも。
「すまじき熱帯」は何だか読んでいて「グリーン・インフェルノ」を思い出した。ワケわからん部族に捕らえられ、しかも泥鰌の刑ってもう最悪だ。
でも胸糞悪くなる描写を楽しんでしまう自分がいる。
もういっそのこと普通に殺してくれと願ってもそうはならない。読む分にはいいけど、夢に出てきませんように(笑)
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