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目と耳が不自由な美女と、何の取り柄もない男の純愛を描く表題作。ただの筋肉バカとなってしまった元アメフト選手の兄を持てあます弟の苦悩(「兄弟船」)。過去に人身事故を起こして人生を狂わせた男がたどる不幸の連鎖(「悪口漫才」)。罵倒しあう老夫婦が経営する名物ラーメン店が陥る絶望と希望(「反吐が出るよなお前だけれど…」)他、愚かで卑しくて貧しい、底辺を這う人々の、救いのない日常を映し出し、人間の闇を見つめる、著者真骨頂の残酷小説集。露悪性が悲しいまでに現実的な全10編を収録。
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Posted by ブクログ
笑える短編から文芸よりの短編までいろいろ。 表題作は物悲しさとやるせなさとおかし味を感じる。 こういう短編を書いてみたいという誘惑にかられる引きずり込まれるような魅力がある。
もはや平山作品自体がまるで帰郷すれば必ず食べるような、子供の頃から通っていた口の悪いオッチャンの切り盛りする絶品老舗らーめん屋の味になってきているような感じがします。知らない人はずっと知らないし、好きな人は何を言われようとずっと通う。こういうお店は大好き。 「ごっつぉーさん!オッチャンまた来るよ!」...続きを読む 「るせぇ二度と来んなジャリぁ!」
暗黒騎士 平山夢明 堪らん。 お洒落なカフェにてコーヒーを片手に文庫本を構え、煙草を燻らす私がまさかこんな暗黒書物を楽しみ脳内エレクトリカルパレードしてるとは誰も思っておらなんだろぅ。 ある時代、ある場所 のお話 解説のお言葉を借りるなら「無国籍」な正に非現実を堪能出来る素敵な書物。しかし、...続きを読むこれまた解説のお言葉を借りるが、決して市場で売り買いされているアイテムではなく、確実に終盤サブクエストダンジョンの最奥で手に入る魔の書物。所持するだけで呪われるアレだ。 以降、内容の解説をしても手に取らない限り確実に「??」となるのは明白。なんなら読み込んでも理解するのが難しいので、誰得なのか知らんこっちゃねぇと半ばヤケクソでお気に入りを描き殴ります(* ´ ˘ ` *)笑 「悪口漫才」 死体の腐臭の表現。 【腋臭の男と水虫の男が生魚を互いの躯に塗って日光浴をしているような臭い】わからないけど絶対臭い。なんか漂ってきた気がしてしまう。 モラハラを超えたモラ神カホルは炎上だ!!! 「どぶろく焼き場」 ダイアナの口の悪さが最高。台詞を書いたらネット警察に逮捕されそうなので割愛...無念...。 彼女は学生時代シンナーのやりすぎで前頭葉が溶けているという触れ込みで訳の分からない単語を連発する〈 跨り上がって〉きた女とだけ。 ジュパッチ!むきむき!ジュパッチ!むきむき 「暗くて静かでロックな娘」 【禿が自慢のオヤジの頭みたいにピカピカに光った便所...って膝をついて告白を始めたくなる気分】 汚いトイレから出てきた事への弁解。 ここら辺で静かなカフェで一人ニヤついてたのは私です。犯人ココです。 いやぁ、訳が分からないですね ーーーーーーーーーーーーー 「チョ松と散歩」「おばけの子」にて泪を零した貴方は完全にコッチの世界の人です。いらっしゃいませ。ごゆっくりと。 神経毒作用があり徐々にHP削られるので連続して読める作家様ではありませんが、今回も大変ウハウハさせていただきました。また忘れた頃にこんにちはしたいと思います。
相変わらずどの作品も面白いのですが、本書の特徴は過去作と比べて読んで切なくなる作品が多い点でしょうか。その最たるものは「チョ松と散歩」でしょう。びっくりするくらいハートフルな少年の幽霊譚で、ラストも綺麗にまとまっておりどこか清々しいです。まあ、これだったら別に平山さんが書かなくてもいいんじゃないって...続きを読むいう気はしなくもないのですが、従来の枠にはまらない作品という点では意味があると思います。一方でラスト2編「おばけの子」および表題作「暗くて静かでロックな娘」は切ないながらもいつもの平山節全開で、残酷さと身も蓋もないさまが描かれており、ストライクゾーンの狭さをものともしない従来のファンが楽しめる作品に仕上がっていると思います。 なお、個人的に読んでいて一番楽しかったのは「反吐が出るよなお前だけれど……」でした。ラーメン店を経営する老夫婦の掛け合いが規格外すぎて素晴らしかったです。モデルにしたであろうあのお店に行ったら思い出しそうな気が。
【反吐】が出るようなストーリーの中にも、一筋の光というか前を向いていこうと思う話もあり、エンタメ性に富んだものであった。しかし、おばけの子はいただけなかった・・・
平山さんの10篇からなる短編集。 いやぁ、笑った笑った。 「反吐が出るよなお前だけれど……」は平山さんの悪口雑言の真骨頂ともいえるほど口汚い言葉の応酬で声出して笑いました。 「悪口漫才」はカホルのうだうだと先延ばしにする様子に哀れさを感じた。 そして最後の一行にぞっとする。 「チョ松と散歩」は悲し...続きを読むいけどなんだかほっこり。 表題作の「暗くて静かでロックな娘」のロザリンドは表紙イラストのイメージそのもの。 平山さんのお話はすれっからしのどうしようもないキャラクターが出てくるけど大概愛される人物像。 そして、ピュアな存在は痛々しいほどすばらしくピュア。 だから余計もの悲しくて、余計残酷。
ストーリー全てがどこかで聞いたことあるような馴染みがあるもの。その聞いたことあるようなストーリーを独自の言い回しを使う事で新しいものに感じる。暴力的な言葉ではあるけどそれも味が出ている。「ドブロク焼き場」「チョ松と散歩」が特に面白い。
エロでグロでハイテンションな平山節炸裂。クズのような人々の反吐と汚物にまみれた人生を描きながらその中に純愛や友情をきらりと忍ばせているのだからたまらない。
短編集。下品で詩的で滑稽で残酷で温かい。この人の文章がすごく好み。中でも好きなのは「日本人じゃねえなら」、「悪口漫才」、「ドブロク焼き場」、「反吐が出るよなお前だけれど……」、「人形の家」、と表題作の「暗くて〜」。 やっぱり掛け合いの面白さは頭抜けている。特に悪口の語彙が豊富!「反吐が出るよな〜」...続きを読むのラーメン屋の夫婦の口汚ない夫婦喧嘩があんまりに面白くて、もう声に出して読みたい罵倒の連続。「あたしはあんたより一日だって長生きしてさ、くっだらないあんたの死骸を焼いた灰をドッグフードに混ぜて犬に喰わせてやるんだよ。そしてあんたが犬の尻の穴から出てくるのを眺めてドンペリで一杯やるのさ。それだけは譲れないね!」って言ってみたい。 親に虐待され死んでしまう少女の話「おばけの子」は、作者の短編によくあるような陰惨な暴力描写が淡々と続き、悪い奴はついに裁かれない。救いが無い終わり……の中にも針の穴ほどの光が、残酷で切ない作品。読んでいる途中で何度も吐き気がしたし、やりきれなくて本を置き、部屋をうろつき回った。正直二度と読みたくないほどだけど、そう思わせないとあのラストの意味が無いのだろう。
相変わらず、救いのなさげな話が多い… お下劣な言葉も多数 お◯◯◯ き◯◯◯ とか、 放送禁止用語と思われるの多いわ〜! 前に読んだのもタイトルが、 「デブを捨てに」 もうタイトル自体があかんやろ!って思いながら、即購入。 今回は、タイトルは、そうでもないけど、中身はね。 10個の短編集。 ど...続きを読むれも、やりきれんというか何というか … 何編か紹介…(꒪ཀ꒪) 「日本人じゃねえなら」(꒪ཀ꒪) 日本の排他性を描いてるんやろうけど… 「やめろ!おまえそれでも日本人か!」 「莫迦野郎。俺もおまえも、もう人間ですらねえジャネエか」 ってオチ… う〜ん 「ドブログ焼き場」(꒪ཀ꒪) 火葬場ね! タイトルだけで、ええやろ…(꒪ཀ꒪) 「おばけの子」(꒪ཀ꒪) 最悪! めっちゃめっちゃな虐待! 弟は…ビニール袋の… お姉ちゃんも… オチが… 「ねえ?これで結婚届出していいのね」 いやいや、そんなオメデタイ状況やないやん! (꒪ཀ꒪) (꒪ཀ꒪) (꒪ཀ꒪) (꒪ཀ꒪) (꒪ཀ꒪) (꒪ཀ꒪) クズというか、それ以上やな。 身も蓋もなさ過ぎ…(−_−;) あちら側の世界へ、イザナってくれます〜 (꒪ཀ꒪)
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暗くて静かでロックな娘
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平山夢明
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