小田嶋隆の一覧
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ユーザーレビュー
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システム思考という名前を最近知った。それができていることがこの先を生きていくために重要だと。
この本の著者はそれができている。出てきた奇天烈な言動に反射的な批判を繰り出すのではなく、それが別の場所で生じさせる影響や時を経て生じる影響まで思いを致して、文章に綴っている。だから、エッセイストとして一流な
...続きを読むのだと思う。
題材となった色々はまだ解決しておらんので、まだ古びてはいない。今となっては貴重な一冊である。
Posted by ブクログ
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2000年に刊行された本の再編成ながら時代遅れの感がないのは著者の鋭い切り口と舌鋒が現在でも有効であることの証であると感じる。余りにも早すぎる65歳での逝去には多くの読者ファンが残念としか言いようのない無念な気持ちにあることと思う。
Posted by ブクログ
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一言、面白かった。
小田嶋さんの書物は初めて。コラムニスト独特の出来事に対する切り口、感じかた、その変化球的な伝え方は、他のコラムニストでもありますが、ユニークさと自虐的なこと、相手をいじり、ここぞというときはこれでもかと言うくらい書きのめす。
「日本を取り戻す」は、安倍元首相が使ったフレーズ。
...続きを読む主語や目的語等何もない。とは言え、戦後進駐軍に押し付けられた憲法は、彼にとっては(お祖父さん)出来損ないと考えていたのでしょう。で、憲法改正を高らかに唱えることを、少し逸らして言ったフレーズなのでしょう。
これに限らず、安倍元首相から発する言葉は、エモーションに訴えるものが多く、実はさっぱりわからない。そこで「日本語を取り戻す」となる。
表紙を飾る小マスクのおじさまは、誰だか容易に推察できる通りで、中身もほぼ安倍元首相に対するコメント。
既に自分の脳には新しいニュースが上書きされていたため呼び戻す必要があったが、思い返すと全く共感出来る所が多く、膝をたたくとはこう言うことね と感じ入った。
権力側ではなく一般庶民の側に立った意見は必要。
どちらも鬼籍に入ってしまったが、違った世界てもバトルを繰り広げているかも。
少し気になったことば、
行政文書の記録や保管、政治資金の正直な報告を蔑ろにした。みた政権中枢メンバーは、正確な日本語を使い、公の場でウソをつかないという、大人として守るべき規範をかなぐり捨てた。でもって、血統と人脈とおべっかと忖度ばかりがものを言う前近代がよみがえりつつある。文化と社会の破壊だ。
データの一滴は血の一滴。政権幹部ならびに関係省庁の官僚たちが、野党の質問に対し殆ど全く誠実な回答をしようと言う意思を見せていない。「総理の強いご意向」を示唆する文書の存在が報道された時の菅官房長官の言葉は「怪文書」として、最後まで取り合わなかった。
「アベノミクス」が、経済政策として機能する前に、むしろ経済政策を隠蔽する用語として見事にその役割を果たしている。これは総理の名前を冠しただけの「オレオレ経済政策用語」だ。いきなり持ち出された総称は、その内部に畳み込まれた未検討の内容をまんまと隠蔽してしまう。「シェフの気まぐれサラダ」みたいなもので、レシピの内容を類推することさえ出来ない。見出しだけで全て分かったけど気になる「思考停止ワード」の典型だ。内容が軽薄で且つ語呂が好い。しかも反知性主義をかかえた経済無関心層に、居心地の良い思考停止をもたらすための好適なスイッチとなっている。そしてネット上では安倍シンパとアンチ安倍を仕分けるためのリトマス試験紙として扱われる。
理解という言葉を多用するのは基本的に「異論」を認めない人間だ。と言うのも「理解」と言う言葉の前後には、自分の側がものを教える立場で、相手側が教えを乞う立場だと暗黙の前提が横たわっているからだ。そして上から目線での立ち位置で、理解しない人間を予め軽蔑する準備を整えている。
小池百合子都知事のメディア操作術を「あいうえお」で表現すれば、あざとさ、いかがわしさ、うさんくささ、えげつなさ、おしつけがましさに集約されるだろう。
世界を動かしているのは真相ではない。我々の心を動かすのは印象であり憶測であり予断であり不安だ。
忖度システムの中では、何らかの不都合が生じた場合、ボスの目配せを「忖度」して「指示」に翻訳した現場の人間が責任を負うことになっている。一方「揚げ足取り」が横行する報道の現場では、「真意」の凶悪さより、「言語運用の稚拙さ」の方がより大きな罪として断罪される。何と馬鹿馬鹿しい話だ。
小泉新大臣の演説はある意味見事だった。あれほどまでに内容希薄な話を、あれほど自信満々な語り口で言い切ることの出来る政治家は、近年では珍しい。昔小泉純一郎と言う政治家がいたが、あの人以来ではないか。
お笑い芸人をコメンテーター席に座らせて、政治経済外交防衛いじらせて進行させ、我々一般国民がテレビを見て笑っている限り、いずれこの国は世界の笑いものに成り下がっていくだろう。
Posted by ブクログ
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「本当のことを書く」縛りから解き放たれた小田嶋さんの物語。時も場所も登場人物達も自由自在に、それぞれがさまざまな理由でほんのちょっと交流したり、すれ違ったりするのだけど、実在する地名から連想する風景が妙にリアルで、若い頃、見たり聞いたりした「本当のこと」とも重なって時間と記憶、自他の感覚が交差して切
...続きを読むなさにくらくらしてしまう。ひとつひとつの短編につけられたサブタイトルもとても好み。
Twitterやweb連載が更新されない現実が不思議に思えるほどそこかしこに小田嶋隆さんらしさを感じる一冊。(2022年6月24日逝去)
Posted by ブクログ
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ずっと気になっていながら、結局追悼的に読む感じになってしまった。まだまだお若かったし、そんなに体調が悪かったとは知りもせず…。ちなみにこの☆5つは、追悼抜きでの感想。思えば、この表紙の人のあまりに貧しい言葉遣いとかも、小田嶋さんのつぶやきで知ったことも多かったし、鋭いツッコミに『我が意を得たり』って
...続きを読む思ったことも数知れず。そんな氏のコラム集が面白くない訳はなく、もっともっと小田嶋節を!っていう渇望が抑えられない。
Posted by ブクログ
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