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私たちが暮らす世界では、なぜ〝ことば〟がここまで空疎なものになってしまったのか!?
森友・加計、検事長の定年延長をめぐる数々のデタラメ、新型コロナウイルスをめぐるアレコレ、世界を、日本を跋扈するポピュリストたちのワンフレーズ、機能不全に陥っているメディア……。
世の中を真摯にそして斜めに睨みつづける〈至高のコラムニスト〉が、雨後の筍のごとく湧いて出る様々な問題を、舌鋒鋭く、ユーモアいっぱいに斬り捨てる!
——あえて、ムシ返すことにする!
【目次】
1 あの人にさよならを。
2 言葉と空気。
3 ワンフレーズの罠。
4 がんばれ、記者諸君。
あとがきにかえて
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Posted by ブクログ
一言、面白かった。
小田嶋さんの書物は初めて。コラムニスト独特の出来事に対する切り口、感じかた、その変化球的な伝え方は、他のコラムニストでもありますが、ユニークさと自虐的なこと、相手をいじり、ここぞというときはこれでもかと言うくらい書きのめす。
「日本を取り戻す」は、安倍元首相が使ったフレーズ。主語や目的語等何もない。とは言え、戦後進駐軍に押し付けられた憲法は、彼にとっては(お祖父さん)出来損ないと考えていたのでしょう。で、憲法改正を高らかに唱えることを、少し逸らして言ったフレーズなのでしょう。
これに限らず、安倍元首相から発する言葉は、エモーションに訴えるものが多く、実はさっぱりわからない。そこで「日本語を取り戻す」となる。
表紙を飾る小マスクのおじさまは、誰だか容易に推察できる通りで、中身もほぼ安倍元首相に対するコメント。
既に自分の脳には新しいニュースが上書きされていたため呼び戻す必要があったが、思い返すと全く共感出来る所が多く、膝をたたくとはこう言うことね と感じ入った。
権力側ではなく一般庶民の側に立った意見は必要。
どちらも鬼籍に入ってしまったが、違った世界てもバトルを繰り広げているかも。
少し気になったことば、
行政文書の記録や保管、政治資金の正直な報告を蔑ろにした。みた政権中枢メンバーは、正確な日本語を使い、公の場でウソをつかないという、大人として守るべき規範をかなぐり捨てた。でもって、血統と人脈とおべっかと忖度ばかりがものを言う前近代がよみがえりつつある。文化と社会の破壊だ。
データの一滴は血の一滴。政権幹部ならびに関係省庁の官僚たちが、野党の質問に対し殆ど全く誠実な回答をしようと言う意思を見せていない。「総理の強いご意向」を示唆する文書の存在が報道された時の菅官房長官の言葉は「怪文書」として、最後まで取り合わなかった。
「アベノミクス」が、経済政策として機能する前に、むしろ経済政策を隠蔽する用語として見事にその役割を果たしている。これは総理の名前を冠しただけの「オレオレ経済政策用語」だ。いきなり持ち出された総称は、その内部に畳み込まれた未検討の内容をまんまと隠蔽してしまう。「シェフの気まぐれサラダ」みたいなもので、レシピの内容を類推することさえ出来ない。見出しだけで全て分かったけど気になる「思考停止ワード」の典型だ。内容が軽薄で且つ語呂が好い。しかも反知性主義をかかえた経済無関心層に、居心地の良い思考停止をもたらすための好適なスイッチとなっている。そしてネット上では安倍シンパとアンチ安倍を仕分けるためのリトマス試験紙として扱われる。
理解という言葉を多用するのは基本的に「異論」を認めない人間だ。と言うのも「理解」と言う言葉の前後には、自分の側がものを教える立場で、相手側が教えを乞う立場だと暗黙の前提が横たわっているからだ。そして上から目線での立ち位置で、理解しない人間を予め軽蔑する準備を整えている。
小池百合子都知事のメディア操作術を「あいうえお」で表現すれば、あざとさ、いかがわしさ、うさんくささ、えげつなさ、おしつけがましさに集約されるだろう。
世界を動かしているのは真相ではない。我々の心を動かすのは印象であり憶測であり予断であり不安だ。
忖度システムの中では、何らかの不都合が生じた場合、ボスの目配せを「忖度」して「指示」に翻訳した現場の人間が責任を負うことになっている。一方「揚げ足取り」が横行する報道の現場では、「真意」の凶悪さより、「言語運用の稚拙さ」の方がより大きな罪として断罪される。何と馬鹿馬鹿しい話だ。
小泉新大臣の演説はある意味見事だった。あれほどまでに内容希薄な話を、あれほど自信満々な語り口で言い切ることの出来る政治家は、近年では珍しい。昔小泉純一郎と言う政治家がいたが、あの人以来ではないか。
お笑い芸人をコメンテーター席に座らせて、政治経済外交防衛いじらせて進行させ、我々一般国民がテレビを見て笑っている限り、いずれこの国は世界の笑いものに成り下がっていくだろう。
Posted by ブクログ
人気コラムニストの単行本ですが、2022年と
なっては若干古い気がする、安倍政権につい
で書かれた内容が大半です。
なのでタイトルの「日本語を取り戻す」とい
うのも、安倍政権のキャッチコピーであった
「日本を取り戻す」をもじっています。
しかし岸田政権の今であっても読むに値する
内容です。
それは著者の主眼は「日本語を取り戻す」こ
とを目的としているからです。
政治家を筆頭にマスコミも含めて、ここ10年
ばかり、言葉がぞんざいに扱われている、と
著者が感じているからです。
政治家は意味不明な答弁、マスコミは些細な
言葉の揚げ足取り、と言葉を大切にしていな
いと著者は嘆きます。
それだけに本書に掲載されたコラムは言葉に
向かい合って、丁寧に論調が繰り広げられま
す。
自分が発する言葉を大切にしたくなる一冊で
す。
Posted by ブクログ
ここ数年の間に、雑誌などに書かれたものを集めたコラム集。安倍前総理をはじめとする、政治家、あるいは政治そのものに関すること。また、マスコミ、メディアに関することが多く書かれている。
森友学園問題、加計問題、中央官庁の障がい者雇用水増し問題、色々な事件でのデータや記録改竄・廃棄問題、麻生大臣の武漢ウィルス発言問題、等々。他にも同程度の問題が沢山。
本コラムは、こういった問題に関する記録にもなっているが、あらためて、これらに関するコラムを読んでみると、一つ一つの案件のひどさ・馬鹿馬鹿しさについてが思い返されると共に、殆どのことについて、既に忘れてしまっていたことに驚いた。もちろん、コラムで読んでみると記憶はあるが、普段思い出すこともしないという意味で忘れてしまっていた、ということ。
小田嶋隆も本書の中で書いているが、私たちは、こういった、よく考えれば酷いことに、慣れてしまって、いちいち怒ることもなくなってしまったのかも知れない。
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