小田嶋隆のレビュー一覧

  • 東京四次元紀行

    Posted by ブクログ

    コラムニスト小田嶋隆さんの最初で最後の小説。
    この本の発売直後(だったか直前だったか)に亡くなったのね。
    それぞれ若者が主軸となった数々の小話の中、「ギャングエイジ」と言う章が珠玉の名編だった。
    これは創作だよね?と思いつつ、ギャングエイジ時代の小田嶋さんが本当に体験したことにように思いながら微笑ましく読んだ。
    東京のいわゆる下町と呼ばれる東側のエリアには戦災を免れた街並みが残っていて、登場するような粋でおもしろい爺さんがいたんだろうな。
    情景が目に浮かぶようだ。
    小田嶋さんの小説をもっと読みたかった!

    0
    2025年10月05日
  • 災間の唄

    Posted by ブクログ

    私が、AIにクリティカルシンキングをさせる時のペルソナは、小田嶋隆だ。

    この本は、2011年の東日本大震災から、2020年の新型コロナウイルスまでの期間の小田嶋さんのツイート(そう、Twitter時代の当時はまだポストじゃなかったのだな)を、砂鉄さんが選んだリミックス。最古は今から14年も前のことなので、今さら読み返す価値が果たしてあるのかと少し疑問にも思いつつ、小田嶋さんの書く文章はよく読んでいたので、今さらながらページをめくってみた。

    確かに忘れかけて・忘れていた出来事も多いのだけれど、読み進めていくと、今の出来事まんまのことが想像以上に次々と出てくる。無責任な政治、憎悪とヘイトによる

    0
    2025年08月03日
  • 小田嶋隆の友達論

    Posted by ブクログ


    さらっと読むと読み飛ばしてしまうのですが、じっくり読んでいると色々と考えさせられる本でした。

    確かに言われてみれば、仕事などで利害関係のある知り合いはいっぱいいますが、子ども時代のような友だちはほとんどいません。

    でも本当にだから何だ?と言う事ができる自分は、社会的にも恵まれているのかも知れません。

    0
    2025年07月24日
  • 転換期を生きるきみたちへ

    Posted by ブクログ

    (2016/10/15)
    中高生に、とあるが、我々大人が読んでも十分学べる内容。
    物事の考え方を、平易なことばでみごとに説明してくれている。

    小田嶋さんの成功者村上龍への食いつきは面白い。「会社員」という仕事がないと。
    村上龍は成功しているから会社員をはずしていると。
    確かに、13歳のハローワークに上がっている仕事で食っていける人はごくわずか。
    みな「会社員」として何とか生きている。

    白井さんの「意味」には際限はない、というのはなるほど。
    本能的欲求は限度があるが、誰も持っていないものを持つ、という欲求には切りがない。
    そこにはまったら最後だな。

    戦争中における「国」とは、国民でなく国体

    0
    2024年05月28日
  • 日本語を、取り戻す。

    Posted by ブクログ

    超面白かった!一家に一冊だな。小田嶋氏と飲んでみたかったな。小田嶋氏が今の統一教会や裏金にまみれた自民党をみたらどんなコメントするのだろうか。きっと全然驚かないんだろうな。
    表紙の絵も秀逸。

    0
    2023年12月28日
  • 諦念後――男の老後の大問題

    Posted by ブクログ

    著者の過去の連載をまとめた内容。タイトルの通り年老いた男性(この場合、男性と言い切ってよい感じ) の「あるある」から、ゆるゆるとしつつも確信をついたメッセージに改めてコラムニストとしての著者の偉大さと、若くして逝去されたことに失ったものの大きさを感じる。「初老」に入ってからの各種試みの「続き」を聞いて見たいと多くの読者が楽しみにしていたと思う。

    1
    2023年07月15日
  • 東京四次元紀行

    Posted by ブクログ

    一つ一つの短い物語に感動し、時に目頭が熱くなるのは、やはり去年、著者が逝ってしまったからだ。今も月曜日にはTBSラジオで「週刊ニッポンの空気」を聞こうとしてしまう。惜しくてならない。 小田嶋さん❗短くてもすばらしい人間描写はさすがです。事実のような虚構のような世界。東京の街の匂いが閉じ込められている。

    0
    2023年04月22日
  • 日本語を、取り戻す。

    Posted by ブクログ

    システム思考という名前を最近知った。それができていることがこの先を生きていくために重要だと。
    この本の著者はそれができている。出てきた奇天烈な言動に反射的な批判を繰り出すのではなく、それが別の場所で生じさせる影響や時を経て生じる影響まで思いを致して、文章に綴っている。だから、エッセイストとして一流なのだと思う。
    題材となった色々はまだ解決しておらんので、まだ古びてはいない。今となっては貴重な一冊である。

    0
    2023年02月16日
  • 小田嶋隆の学歴論

    Posted by ブクログ

    2000年に刊行された本の再編成ながら時代遅れの感がないのは著者の鋭い切り口と舌鋒が現在でも有効であることの証であると感じる。余りにも早すぎる65歳での逝去には多くの読者ファンが残念としか言いようのない無念な気持ちにあることと思う。

    0
    2023年01月30日
  • 日本語を、取り戻す。

    Posted by ブクログ

    一言、面白かった。

    小田嶋さんの書物は初めて。コラムニスト独特の出来事に対する切り口、感じかた、その変化球的な伝え方は、他のコラムニストでもありますが、ユニークさと自虐的なこと、相手をいじり、ここぞというときはこれでもかと言うくらい書きのめす。

    「日本を取り戻す」は、安倍元首相が使ったフレーズ。主語や目的語等何もない。とは言え、戦後進駐軍に押し付けられた憲法は、彼にとっては(お祖父さん)出来損ないと考えていたのでしょう。で、憲法改正を高らかに唱えることを、少し逸らして言ったフレーズなのでしょう。
    これに限らず、安倍元首相から発する言葉は、エモーションに訴えるものが多く、実はさっぱりわからな

    0
    2022年10月29日
  • 東京四次元紀行

    Posted by ブクログ

    「本当のことを書く」縛りから解き放たれた小田嶋さんの物語。時も場所も登場人物達も自由自在に、それぞれがさまざまな理由でほんのちょっと交流したり、すれ違ったりするのだけど、実在する地名から連想する風景が妙にリアルで、若い頃、見たり聞いたりした「本当のこと」とも重なって時間と記憶、自他の感覚が交差して切なさにくらくらしてしまう。ひとつひとつの短編につけられたサブタイトルもとても好み。
    Twitterやweb連載が更新されない現実が不思議に思えるほどそこかしこに小田嶋隆さんらしさを感じる一冊。(2022年6月24日逝去)

    0
    2022年08月04日
  • 日本語を、取り戻す。

    Posted by ブクログ

    ずっと気になっていながら、結局追悼的に読む感じになってしまった。まだまだお若かったし、そんなに体調が悪かったとは知りもせず…。ちなみにこの☆5つは、追悼抜きでの感想。思えば、この表紙の人のあまりに貧しい言葉遣いとかも、小田嶋さんのつぶやきで知ったことも多かったし、鋭いツッコミに『我が意を得たり』って思ったことも数知れず。そんな氏のコラム集が面白くない訳はなく、もっともっと小田嶋節を!っていう渇望が抑えられない。

    0
    2022年07月07日
  • 人生の諸問題 五十路越え

    Posted by ブクログ

    前書きにあるように「得るところはそんなにないかもしれないが、失ったものを思い出すためのフックはそこらじゅうに散らばっている。」
    微妙に自分とは年代が違っていて、時代的にそこの差が大きいのだけど、人の本質は同じ、年取ったらますます同質化していくのだと。ただ、年取ったらってのが70代かもしれない…人生長いし、まだまだ楽しそうだなと思える本だった

    0
    2022年04月16日
  • 日本語を、取り戻す。

    Posted by ブクログ

    人気コラムニストの単行本ですが、2022年と
    なっては若干古い気がする、安倍政権につい
    で書かれた内容が大半です。

    なのでタイトルの「日本語を取り戻す」とい
    うのも、安倍政権のキャッチコピーであった
    「日本を取り戻す」をもじっています。

    しかし岸田政権の今であっても読むに値する
    内容です。

    それは著者の主眼は「日本語を取り戻す」こ
    とを目的としているからです。

    政治家を筆頭にマスコミも含めて、ここ10年
    ばかり、言葉がぞんざいに扱われている、と
    著者が感じているからです。

    政治家は意味不明な答弁、マスコミは些細な
    言葉の揚げ足取り、と言葉を大切にしていな
    いと著者は嘆きます。

    それ

    0
    2022年02月14日
  • 転換期を生きるきみたちへ

    Posted by ブクログ

    数年前に1度読んだが、内容を忘れてしまったので再読。
    様々な立場の方々が、先の見えない転換期にあたり、中高生に向けて「根元的に物事を考える」ために書かれた本。

    刺さるメッセージはたくさんあったが、特に刺さったのは「13歳のハードワーク」だった。
    たしかに「夢=職業」にしてる人が圧倒的だなー、と思った。

    0
    2021年12月11日
  • 日本語を、取り戻す。

    Posted by ブクログ

    こういう視点を身につけたい
    言われてみると大きく頷ける話がだが、自分からは展開できない

    変に濁してないし、自慢が鼻につくようなこともなく気持ちよく読める

    0
    2021年06月28日
  • 日本語を、取り戻す。

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ー私たちが暮らす世界では、なぜ〝ことば〟がここまで空疎なものになってしまったのか!?ー
    この紹介文に惹かれて手に取った。おそらく、安倍政権の政策に対する批評本、と言う紹介文だったら手に取らなかったと思う。なぜなら、私は「日本語」に興味があるから。政治・経済よりも「言葉」。
    正直、政治も経済もよく分からない。最低限、社会人なのだからと自分に言い聞かせて、いくつかのニュース番組を見たり、新聞を読んだりはするが、何が問題になっているのか、いまいち理解できなかったり、用語がわからなかったりすることもある。
    だから、安倍さんの政策について、正しく賛同も批判もできないと自覚している。
    それでも、適切に表現

    0
    2020年12月18日
  • 災間の唄

    Posted by ブクログ

    あとがきで自身も書かれているように、本書は確かに、とてつもなく素晴らしい。もちろんTwitterもフォローして、その都度、ツイートの鋭さに感銘を受けているけど、こうして選りすぐりをまとめて味わうと、その切れ味はさらに凄みを増す。選者でもある武田氏による、章間のコラムもまた最高で、各章の絶妙なまとめであるだけに留まらず、巧みに自説も盛り込むことによって、抜群の存在感を発揮している。姉妹編への期待も含め、最大級の賛辞を寄せるものです。

    0
    2020年12月01日
  • 日本語を、取り戻す。

    Posted by ブクログ

    ここ数年の間に、雑誌などに書かれたものを集めたコラム集。安倍前総理をはじめとする、政治家、あるいは政治そのものに関すること。また、マスコミ、メディアに関することが多く書かれている。
    森友学園問題、加計問題、中央官庁の障がい者雇用水増し問題、色々な事件でのデータや記録改竄・廃棄問題、麻生大臣の武漢ウィルス発言問題、等々。他にも同程度の問題が沢山。
    本コラムは、こういった問題に関する記録にもなっているが、あらためて、これらに関するコラムを読んでみると、一つ一つの案件のひどさ・馬鹿馬鹿しさについてが思い返されると共に、殆どのことについて、既に忘れてしまっていたことに驚いた。もちろん、コラムで読んでみ

    0
    2020年11月24日
  • ア・ピース・オブ・警句 5年間の「空気の研究」2015-2019

    Posted by ブクログ

    小田嶋隆が、日経ビジネスの電子版に連載していたコラムを一冊の本にまとめたもの。コラムニストとしては、内田樹と並んで、この小田嶋隆は好きだ。空気を読まなずに自分の考えをきちんと書く正直さと誠実さを感じるし、何より、ユーモラスで諧謔的な内容と文体は、それだけで面白い。

    内容とは関係がないが、このコラムが日経ビジネスに連載されていたというのは、面白い。内容は、ビジネスとはほとんど関係のないものだ。
    が、実は日経のビジネス「以外」の記事には意外と面白いものがある。
    武智さんのサッカー記事や、大岡山通信、王座戦の観戦記、岸本葉子さんのコラム、土曜日の読書欄、B 級グルメ記事、など、面白い記事が沢山ある

    0
    2020年11月23日