小田嶋隆のレビュー一覧

  • 東京四次元紀行

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    あまり達者に書かれた一冊ではなかった。小田嶋さん、遺作ちゃんと読んだよ、というような思い入れ。
    最初の方の短編とかほとんど覚えてない。連作のようで連作でないみたいな構成も特によい効果を生んでいるわけでもなく、単に筋と通すことの努力を放棄しているようにしか見えない。つーか新宿とか杉並とか起承転結がないどころかほぼなんにもない章のしんどさ。なんなんあれ。もう少し小説を書くということに自覚的でないと小説なんて書いたらいけないんじゃない?有能なコラムニストなら許されるの?だとしたらファックでしかないんだが。
    シマヘビの話は印象に残った。この話だけ、登場人物のことを考えるときにオダジマンを想像する必要が

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    2022年09月10日
  • 日本語を、取り戻す。

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    ネタバレ

    日本語を、取り戻す。

    著者:小田嶋隆
    発行:亜紀書房
    2020年9月20日

    人気、実力とも当代切ってのコラムニストが安倍政権時代に書いたコラムを、いくつか集めた本。言葉を扱うはずの政治家が、あまりにおかしな日本語を使っている様子を鋭くつくことで、安倍政権がまともに政治をしていない状況を指摘している。批判は安倍政権だけではなく、それを監視する機能を放棄し、すっかり御用機関になってしまったマスメディア、そして、だらしない証人喚問をする野党にまで向いている。

    読んでいると、安倍政権時代の悪夢ぶりが甦ると同時に、まともにかかっていかなかったというか、いつのまにか安倍のペースにまきこまれていた自分

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    2021年02月23日
  • 災間の唄

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    この10年間にさまざまなことがあった。ツイートで振り返ると実に生き生きと思い出すことができるのに、改めて驚く。短い呟きの中にユーモアのエッセンスを入れて的確に、事象を捉えているのはいつもツイートを見かけていて、見事だ思っていた。こうしてまとまったものを見てみると、改めて面白いし、核心をついていたと納得する。

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    2020年12月19日
  • 日本語を、取り戻す。

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    やはりリアルタイムに読むコラムがいちばん響く。

    けれど、古い記事でも著者の文章のリズム感が好きだ。
    難しいけれど、なぜか拒否感はなくとても気持ちがよい。

    こんなコラムリストにあこがれる。言葉にも文章にもできない凡人は。

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    2020年11月09日
  • ア・ピース・オブ・警句 5年間の「空気の研究」2015-2019

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    メロドラマに感動するというのは、普段の自分より賢くなるということではなく、自分の規矩を取っ払い眠っている思い切り愚かな感情を解放させること。オペラでも義太夫でも、そこでは誰もが感情過多で、大袈裟で、身勝手で、常に自己憐憫の虜になっている。しかも、彼らは、たやすく激発し、ことあるごとに自暴自棄に陥っている。不穏極まりない激情、ちょっとしたことで腹を切るだの死ぬだのといった直情径行が日常の中で普通に展開されているのだ。でも、この理屈では説明できない愚昧な感情の体現が、時代を超えて人の心を打ち続けてきている。距離をとり斜に構えて客観視を気取る賢しらへの強烈な警句が実に心地よかった。

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    2020年06月13日
  • その「正義」があぶない。

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    いわゆる日本の政治、日常のニュース等への考えをつづったエッセー。
    読みやすいが、何かを得るというほどではない。

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    2019年09月23日
  • 人生の諸問題 五十路越え

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    共に都立小石川高校から早稲田大に進学。ひとりは、事の本質を寸鉄釘刺す毒っ気溢れるコラムを主戦場に相田みつをを「便所の神様」(まさに言い得て妙)と称し、時に物議を醸す社会風刺の名コラムニスト小田嶋隆、方や電通クリエィティブ部長の席を辞し、部下3名を引き連れ日本初のクリエィティブエージェンシーを立ち上げる。還暦過ぎても、今なお第一線で活躍するクリエィティブディレクター岡康道。

    このふたりが五十路から還暦越え街道へと向かう途上に忍び寄る病・仕事・家族…の「諸問題」に対し、どう立ち向かい、どう対処するかを存分に語り合うふたり。そこに進行役の清野女史が、慈愛にあふれた絶妙なツッコミを入れ、独特のグルー

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    2019年09月13日
  • 場末の文体論

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    小田嶋さんのコラムをまとめた本。場末というのは赤羽のことらしい。巻末には津田大介氏との北区対談が収録。北区は中途半端だけど、JRと地下鉄の駅が多く交通の便はいいとのこと。小田嶋氏が小学5年のときに岩渕から梶原まで都電で英語塾に通っていた話に親近感を感じた。

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    2019年08月12日
  • 街場の平成論

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    内田先生の編纂である『待場』シリーズでの平成論
    平田さんの日韓の関係の話。
    白井さんのポストヒストリー(歴史の終わり)について
    の2編が面白いと思いました。
    釈さんの宗教論。宗教の多様化、多元化についても面白い
    と思いましたが、論としてはちょっと疑義があるというか
    そんなことできるのかなあとの思いに駆られます。
    鷲田先生の小さな肯定の積み重ねについては、いつものように難解でちょっとわかりづらいところがあります。

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    2019年07月01日
  • 街場の平成論

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    限られたページ
    限られた枠組み
    の中で語られる「平成論」で
    あるがゆえに

    もうちょっと 読み進めてみたいな感
    もうちょっと 論考を進めて欲しいな感
    が 出てきてしまう

    それでも
    鷲田清一さんの
    「小さな肯定」論は
    かなり面白く読ませてもらいました

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    2019年05月24日
  • 街場の平成論

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    9人の識者により、各テーマについて「平成」をまとめたもの。
    編者が冒頭に指摘したように、統一的理論があるわけではなく、読後感はもやもやとしたものであるが、個々の論考は短く読みやすい。

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    2019年04月12日
  • 超・反知性主義入門

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    小田嶋氏らしい内容の本。出所はピースオブ警句のようだ。森本あんり氏とは小中高いっしょだったとは。小石川高校か。アルコール依存症を克服した話は印象的。

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    2019年01月20日
  • 超・反知性主義入門

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    読み終わってから数ヶ月たってしまったのでフレッシュな気持ちが思い出しにくい。
    ア・ピース・オブ・警句のまとめなので、毎回読んでいる自分としては恐らくひとつ以外既読だった。
    連載ではされていない「ここポイント」を太字にするのがいただけなかった。

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    2018年10月29日
  • 場末の文体論

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    一瞬「街場の」と読み間違えましたが、場末でした。

    「日経ビジネスオンライン」で連載されている、「ア・ピース・オブ・警句」をまとめたもの。

    郷愁と似たような、何かを懐かしむような感覚が漂うコラムがピックされていました。


    あと、特別対談として、津田大介氏との対談が収録されていますが、あんまりしゃっきりとした内容ではありません。まさに場末感ある対談でした。

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    2018年10月09日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    もうこういった言説にほとんど共感を感じなくなってしまったなー。「現状は危機的だ」「政府はこんなにあくどい」みたいなのって、「ほんとにそうなの?それを示す証拠は?」とまず思ってしまう。

    まあ内田センセイの七色のロジックを楽しめるという点では面白い。

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    2017年09月08日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

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    ネタバレ

    日本の株式会社化は今も着々と進んでいる。
    「選択と集中」というプロパガンダに煽られ、私たちは次々と国に大事な物を手渡している。

    その結果がどうなるのか、私は今から非常に楽しみにしている。

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    2017年06月25日
  • 街場の五輪論

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    2020年のオリンピックが東京で開催されることが決定されて以降、反対意見がほとんど聞かれなくなったという言論状況そのものについて問題提起をおこなった鼎談です。

    元来近い立場にある三人の座談会なので、おたがいの意見を戦わせるような場面もなく、緊張感に欠けるのはいたしかたないのかもしれませんが、語られている内容そのものには賛同できることが多く、著者たちの発言に膝を打ちながら読みました。

    もっとも、いくつか違和感をおぼえるところがあったのも事実です。私自身は、内田がさまざまな著作で展開している身体論や、『日本辺境論』(新潮選書)で語られているこの国についての言説には、すこし危ういところがあるので

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    2017年06月21日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    ネタバレ

    これからを生きていく人へ贈るメッセージ。

    日本の現状に危機感を抱いた内田樹が,中高生へとメッセージを送るために様々な人へ文章を書いてくれるよう依頼をした。統一感はあるような,ないような。しかし,皆,日本の現状に(というか,現政権に)危機感を覚えている人たちである。出版されたのは2016年7月なので,書かれたのはその少し前とすると,その後,イギリスEU離脱が国民投票で決まり,トランプ大統領が誕生し,また日本は重要法案を急いで通そうとしている。危機は加速しているのでは。

    戦後の,戦後すぐの平和主義がそろそろ機能しなくなっている,そう感じる。軍隊を持たない,平和を守る国でありたい,でも,他国に攻

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    2017年05月28日
  • ポエムに万歳!

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    オダジマ節が好きな人向け本ですね。
    私もポエムは恥ずかしいと思っちゃう派なので、最近(といっても10年以上前からだけど)のポエム化する番組はあまり好きじゃない。最近は揺り戻しが来ている気がするので、この傾向が続くといいな。

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    2017年05月04日
  • ポエムに万歳!

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    「ポエムは、書き手が、詩であれ、散文であれ、日記であれ、手紙であれ、とにかく何かを書こうとして、その「何か」になりきれなかったところのものだ」

    「たとえば、書き手が冷静さを失っていたり、逆に、本当の気持ちを隠そうとしてまわりくどい書き方をしていたりすると、そこにポエムが現出する」

    「・・・、照れかくしをしようとしている時、人はポエマーになるわけだ」

    「書き手が何かをごまかそうとする時、文体はポエムに近似する」

    「[ポエムの需要は]あるんじゃないですか。何かを直視したくないときとか、真っすぐに伝えたくないとか、ごまかしたいとき」

    「ところが「ポエム」では、何か意味を曖昧にしておいて、「

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    2016年11月27日