【感想・ネタバレ】その「正義」があぶない。のレビュー

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Posted by ブクログ 2013年06月04日

日経ビジネスでのWEB記事をまとめたものですが、WEB記事を読んでてもやっぱりまとめ読みしたくなりますし、読んであらためて面白かったと思います。
小田嶋さんはいろいろなトピックを取りあげられますが、今回は「硬派」なネタが多かったのではないかと。それだけに、自分たちの生活に近いところでの話なので、興味...続きを読む深く読めます。
やっぱり感心というか、すごいと思うのは、話の切り口です。その話題を「そこから切り込む?」という論理の展開はすばらしいです。

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Posted by ブクログ 2014年04月15日

筆者が日経ビジネスオンラインで連載中のコラム「ア・ピース・オブ・警句」をまとめた2冊目の本。
本書発刊の約3週間前に発売された『地雷を踏む勇気』は震災関連の話題が中心だったのに対し、こちらは震災関連(というか原発関連)の話題は6分の1。
他、サッカー、メディア、相撲、日本人、政治というテーマ別にコラ...続きを読むムがまとめられている。
個人的に最も秀逸だと思ったのは、引用もした“笑いの質”に関する部分。
人を嘲うことでしか、人を笑わせることができないとしたら、その芸人は下品極まりない、と常々思っていた私の胸をスカッとさせてくれた。

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Posted by ブクログ 2013年05月12日

いいコラムは読者の思考を促します。何度も立ち止まらせます。小田嶋さんのコラムはまさにコレ。お高く留まって天の声を下々に伝えんとするコラムとは違います。オープンマインド。風通しが良いともいえるかもしれません。
小田嶋さんのことは、雑誌で何度かコラムを読んだことがあり、「面白いことを言う人だなぁ」とかね...続きを読むて思っていましたが、単行本を買ったのは先月の「場末の文体論」(日経BP)が初めて。いや、大変に面白かったです。
で、すっかり癖になって「その『正義』があぶない。」を購入。他にも著作はたくさんありますが、自分は正義を振りかざすことに激しい抵抗を覚えるタイプなので、これを選びました。
結論は言わずもがなです。って、それでは感想にならないので、気になったところをいくつか。
まず、著者は「発刊に寄せて」で、震災以降の日本の言論状況に言及します。
「震災以来、原発をはじめとするあらゆる分野で、人々は、議論ではなく、『正義』(←(『議論の余地のない正しさ』は、議論を圧殺する)それ自体を求めるようになった」
なるほど、そうかもしれません。といいますか、私自身、FBで何度か、震災以降の窮屈な世間の様相に触れてきました。たとえば、「ジョークが許されなくなった」というふうに。「国難」「絆」「勇気」の硬派な言葉が世の中に溢れ返り、冗談は相成らんという窒息しそうな空気が蔓延しました。今はだいぶ和らぎましたが。
小田嶋さんは、この空気に抗していたのですね。
「その『正義』がもたらす窮屈さへの悲鳴として、私が並べ立てていたジョークのいくつかは、いま見ると、明らかにスベッている。比較的デキの良い組のギャグも、確実に笑いをもたらしたとは言い切れない」
そこまでジョークにこだわらなくても…とは思います(笑)
脈絡なく続けます。本書では、島田紳助の芸能界引退問題も取り上げています。著者は「紳助はその気(政界に進出する)だと思う」とかなり大胆な予想を立てます。選挙についての著者の見立てが面白い。
「選挙は、人気を競うコンテストではない。知名度を争う戦争だ。好きであれ嫌いであれ、名前を顔を知られている候補者が勝つ。そういうことになっている。1万人に嫌われて、50万人に好かれている候補者と、100万人に嫌われていて80万人に好かれている候補者が、同じ選挙区で選挙戦を戦った場合、必ず後者が勝つ。選挙というのは、そういうレギュレーションなのだ。とすれば、紳助は無敵だ」
何だか身も蓋もないですし、一応、それなりに政策を見て判断する自分としては納得し難いところもありますが、選挙の基本仕様としてはそういうことなのかもしれませんね。政党が芸能人、タレントの擁立に血道を上げるのも頷けます。
一時、「品格」という言葉が流行しました(今もですか?)が、著者の主張は我が意を得たり、でした。
「品格は、本来、語るものではない。評価するものでもない。ただそれは人が去った後に香気のように漂うものだ。いずれにせよ、品格について語る者は品格を失う。いま語っている私も含めて」
各界からの八百長の一掃については、高校生の喫煙率の劇的な減少の原因に言及し、「おそらく喫煙という文化がポジティブな発信力を喪失したからだ。要するに、タバコはカッコ悪くなったのである。薄汚いオヤジの、クサくて不経済な習慣」としたうえで、次のように提言します。
「法令の遵守は、罰則による威圧や、社会的な強制よりも、美意識によって達成されるべきだ、というこだ。八百長に加担することが、どうにもみっともない、恥ずかしい、きたならしい生き方であると、いうことが、全力士の間で共有されれば、自然にそれは消滅するはずだ。損得や金勘定の利得を超えて」
各界の浄化に関して、このような提言を聞いたのは初めて。なるほどと膝を打ちました。
このほか、読んでいろいろ考えたことがあり、それも記録しておきたいところですが、私も忙しいので後日。といいますか、忙しいならそもそもこんな無内容なレビューなんて止めてしまえばいいのに、一度始めるとなかなか止められない几帳面な性質でして…。
「正義は、それに反する者を排除し、自分たちの陣営に与しない人間を敵視するための装置になる。であるから、正義という文脈で話をしているうちに、人々は、いつしか正義と不正義を峻別するフィルタリングの作業に熱中するようになる」(「その『正義』があぶない。」)

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Posted by ブクログ 2013年02月19日

最近の領土問題見てると、国力の衰えた国が周りからチョッカイかけられるのは歴史の必然かなあ、と思います。もちろん一国民としてハラ立つけど。
当の日本人も「失われた10年」とか言われて余裕なくしてる状態で、どうしても反応が敏感になりがちな昨今です。

そんな時やからこそ、肩の力抜いて何が問題の本質なのか...続きを読む考えましょうや、てのが本書のテーマだと思います。たぶん。この本の「正義」は「独善」のことやろね(-_-)

正義の対極は悪ではなくて別の正義、いうのは誰が元ネタやったかなあ。

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Posted by ブクログ 2012年11月05日

● 何かを変えるためには、自分が座っている木の枝を切り落とすみたいなタイプの決断が要る。

● 二兎を追う者は虻と蜂の両方に刺されて悶絶することになる。間違いない。

● で、われわれは、自分たちがしなくなった相撲という仕事を、アウトソーシングしている。もう少し別の言い方をするなら、われわれは、自分...続きを読むたちの国技を外国人の派遣労働者に丸投げしているのだ。

● ただ、本当に徹底したコンプライアンスを求めるのなら、それなりの時間とコストを覚悟すべきで、当然、リスクも負わなければならない。とすれば、リスクを負う覚悟もなく、コストを支払うつもりも持っていない通りすがりの部外者は、黙って見守るべきだ。

● と、彼らの意見は、「政府は慎重かつ毅然とした態度で臨むべきだ(キリッ)」ぐらいなところに落ち着くわけなのだが、無論のこと、こんな意見に実体的な意味はない。品格ある土下座。威勢の良い譲歩。壮烈な妥協。崇高なる日和見。言葉の遊びだ。

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Posted by ブクログ 2012年02月16日

日経ビジネスオンラインのコラム「ア・ピース・オブ・警句〜世間に転がる意味不明〜」の書籍化第2弾。

真面目な問題を真剣に斜めから叩き切っていて、つい笑い、笑った後考えさせられる。

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Posted by ブクログ 2012年01月16日

日経ビジネスオンラインでの連載は定期的に読んでいたけれども、この本に収録されているものすべては読んでいなかった。

また、時期を外して、今になってまとめて読んでみるとその時期の出来事を振り返れて面白い。

リアルタイムで読んでも著者の視点は自分と異なっていて面白いと思っていたけれども、あとから出来事...続きを読むを振り返ってみるとその差が大きくなっていてますます違和感のようなものが出てくる。

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Posted by ブクログ 2013年11月08日

独特の語り口調で文章を綴るライターだと思う。とっつきにくいかもしれないが、内容はオルタナティブな考えとして許容できると思う。鋭い指摘もあり、個人的には賛同できる部分も多かった。

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Posted by ブクログ 2019年09月23日

いわゆる日本の政治、日常のニュース等への考えをつづったエッセー。
読みやすいが、何かを得るというほどではない。

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Posted by ブクログ 2013年07月05日

日経ビジネスオンラインで連載中のコラムの書籍化。全て会社のPCで就業時間中に既読なので書籍としては再読。視点、文体、スタンス、全てがお手本になる。評点は再読なので難しいよな。

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Posted by ブクログ 2012年10月15日

伝統回帰を叫びながら透明化を謳う相撲界。二兎を追う者は虻と蜂の両方に刺されて悶絶するのが落ちであり、閉鎖的であるからこそ維持されている美質と外面もある。ある場面では文化、別の場面では神事、また別の場面ではスポーツであると主張する、いいとこ取りの大相撲。外国人は使い捨て。暴力団とは切っても切れない間柄...続きを読む。星の貸し借り当たり前。危ういバランスにある様々な正義の意味を問いかける。

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Posted by ブクログ 2012年05月20日

「日経ビジネス オンライン」の連載コラム「ア・ピース・オブ・警句」の連載で読んでいた。それが本になったもの。以前からかなり面白く読んでいたのだが、本になるとまた違った読み方ができる。「紳介シンドローム」や「相撲という束縛」「小沢一郎女子的考察」は圧巻である。

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Posted by ブクログ 2012年02月29日

ネットで見かけたコラムが面白かったので息抜きで読んでみた。

面白いんだけど、やっぱり時事ネタが多いので、
後から読むよりリアルタイムで読まないと面白みが減ってしまう。

連載を読むのはいいけど、後からまとめて読むほどでは。
という感想。

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Posted by ブクログ 2011年11月27日

小田嶋隆の日経ビジネスオンラインに連載する時事エッセイ「ア・ピース・オブ・警句」は11月の頭に「地雷を踏む勇気」として技術評論社から出版された(尚、奥付けの日付は12月1日となっている)ばかりなのに、何故か今度は本丸である日経BP社から同じエッセイが「その正義」があぶない。」として出版された。こうや...続きを読むって同時期に同じものが違う本として出るとやはり買わずには居られないが気にもなる。

何故にして一つの連載エッセイが同時期に違う出版社から続けて出版されるのか良く判らないのだが、想像するに、この連載エッセイを見た技術評論社の編集者が「是非出版したい」と言い出し、日経BPは「どうせ書籍化する予定は無いし、ええよ」とでも言ったのでまずは技術評論社の書籍が先行したのであろう。ところがそれを聞いた日経BP社の中の誰かが「何故にして自分の会社で書籍化しない!」とでも見直しがあったのだろう。それで後追い企画ではあるが、本書が生まれたのではないかと勝手に想像して楽しんでいる。なんとなれば本書のほうは大半が2011年のウェブ版登場の記事と云うことからもそんな気がするのだ。そうそうもう一つの違いは本書にはイラストが載っていることだ。

さて今回読んで一つの疑問が解けたのだが、それは「子ども手当て」などにあるような「子ども」という漢字・ひらがな混じり表記のことだ。小田嶋ももともとは「子供」と書いていたらしいのだが、編集者から「供の字には大人のお供、即ち大人に付き従うニュアンスが生じる、供には神に捧げる供え物との見方もある」と指摘してくる人が居るので「子ども」表記にしたほうが面倒がないと言われたのだと。

いやはやこんな漢字一つ一つの意味を殊更意味深長に取上げるような言葉狩りが蔓延しているのかと改めて知った次第。恐るべきは人権(または差別反対)馬鹿だな。そんなに「人」が大事なのか?人という文字だって本当は「大きい方が小さい方に 寄っかかってんだぞ」(By藤岡藤巻)

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