小田嶋隆のレビュー一覧

  • 超・反知性主義入門

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    ネット上でおなじみのコラムニスト・小田嶋隆による社会風刺論集。この手の本にありがちだが、どんどんよどんでいく世相に対する皮肉は言えても、「では、どうしたらいいのか?」という建設的な視点が、この本にはほぼ皆無に等しい。筆者の立ち位置は「左派リベラル」といったところだが、個人が持っている不満を筆にぶつけても世界は変わらない。世相はどんどん筆者のいうところである「露悪化」の道を辿っているのに、良心的な市民はどのように立ち向かえばいいのかという視点が見られないのは、筆者に限らず「リベラル派」の人たちに多いのはどうしてだろう。本書の一番の目玉は、ベストセラー「反知性主義 アメリカが生んだ『熱病』の正体」

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    2016年06月25日
  • 超・反知性主義入門

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    おもしろかった。ギャグというか、まあ、ユーモアですな。(笑)かる〜く読める、ああこういうこともまじめに勉強しなきゃな、でもとりあえずは目の前のオダジマさんの文章を楽しんどこうかな、みたいな。内田樹も村上春樹もそうだけど、なぜこの年代のこういう少女趣味(失礼)のオッサンたちがかく文章はおもしろいのだろう。読み始めた頃わたしは19才の子供だったけどいつのまにか30前のババアになってしまった。その間にこれ系の言論はもはやある種懐古的な、勢いの失われたものにはなったと思う。それでもおもしろいからかる〜く読んでしまうのだけど。もうちょっと軽くないものを読んでいるべきだけどこうして自分の居場所を振り返るの

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    2016年03月27日
  • 超・反知性主義入門

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    『斜に構えた人間は嫌みでやな奴だ。が、自分が斜に構えていることを自覚して、それを幾分反省もしている人が、私は何故か好きだ。』と本書の中で著者はいっている。私は青春時代のある時期とそれにいたる少年時代の後期、まさに斜に構えた人間だったと思う。つまり、やな奴だったと思う。加えて、3人兄弟の真ん中、それも兄と妹に挟まれて育ったせいか、人の顔色を見るのがうまいガキだった。今風にいえば、空気の読めるガキだった(これはこれできっとかわいくないガキだったと思う)。そのくせ、人と同じことをするのは嫌いだった。(だから、大洋ホエールズのファンになった)。なんで、この著者のようなものの見方が何故か好きだ。本書は2

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    2016年01月13日
  • 超・反知性主義入門

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    ネタバレ

    物事を判断する。あるいは、事件の裏に何があるのかを見極める。批評家の言っていることが的をえているのかという事を判断するといった能力を少し得た。

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    2016年01月11日
  • 超・反知性主義入門

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    日経BB連載中の「ア・ピース・オブ・警句」をテーマごとに編集したシリーズの最新作。
    ネットでほとんど全部リアルタイムで既読。実際その内いくつかは問題意識とともにシェアをした。でも、改めて時系列を思い出しながら読むと、謝罪会見、人質、号泣議員、高倉健さん、突然の解散
    NHK‥当時の報道の質量と政治の動きに不自然さ、怖さを感じる。
    自分自身の忘れ易さ、影響の受け易さを思い知らされた。
    2015年11月

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    2015年12月03日
  • 超・反知性主義入門

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    「日経ビジネスオンライン」の連載は時々読んでいておもしろいなあと思っていたが、本になったのを読むのは初めて。もうこれが5冊目らしい。
    「日経ビジネスオンライン」にこのコラムって合ってるのかなあと、「日経ビジネスオンライン」のその他の記事を読んだこともないのに思っていた。
    どのコラムも「着眼点がすごい」とか「よくぞ言ってくれた」というものばかりで、これからまた愛読していきたいと思わせる。
    いろいろ目を開かされることが多かったが、特に一つを上げると「エリートは撤退しない」というのが印象に残っている。確かにそうだなと身近な例を考えても納得する。今もう1度読み返しても、そのコラムの指摘は鋭いと思うので

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    2015年11月19日
  • 超・反知性主義入門

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    小田嶋さんは、文章を書くときの頭がいい。一つ一つの文章の締め方がいちいちオシャレ。さすが、コラムニストとして生きているだけある。とは言っても、けっこうついていけない部分があったりで、反知性主義章について理解が深まったかと言われると、口ごもる。半分くらい読んだところで、話題になってる『紋切型社会』に似てるなぁと思った。あれほど尖ってないけど、目の付け所とか掘り崩し方に、同じ匂いを感じた。あ、あと構成について何も説明されることなく始まったので、そこだけちょっと読みづらかった。

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    2015年11月04日
  • 場末の文体論

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    著者のエッセイ3作目を読み飛ばして先にこっちを手に取ってしまった。
    相変わらず面白い。
    特に、著者の子供~学生時代への郷愁や、ご両親についての言及は非常に感慨深いものがあった。

    大学で学ぶべきものは仕事に役立つものだけで良いのか、という疑問は歴史学選考の私にはいたく共感できた。

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    2014年07月29日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

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    グローバル化について本当の意味での豊かさを実現出来るの?と、問いかける一冊。教育や医療や昔ながらの商店街にもグローバル化を持ち込むことで、金銭的な豊かさは良くはなっても、二極化が進むだけだよ。中間層が一気に引き落とされるよ、心が貧しくなるよ、といった本。グローバル化に違和感感じる人にオススメしたい一冊。

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    2014年04月25日
  • その「正義」があぶない。

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    筆者が日経ビジネスオンラインで連載中のコラム「ア・ピース・オブ・警句」をまとめた2冊目の本。
    本書発刊の約3週間前に発売された『地雷を踏む勇気』は震災関連の話題が中心だったのに対し、こちらは震災関連(というか原発関連)の話題は6分の1。
    他、サッカー、メディア、相撲、日本人、政治というテーマ別にコラムがまとめられている。
    個人的に最も秀逸だと思ったのは、引用もした“笑いの質”に関する部分。
    人を嘲うことでしか、人を笑わせることができないとしたら、その芸人は下品極まりない、と常々思っていた私の胸をスカッとさせてくれた。

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    2014年04月15日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

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    ポストグローバル社会論と日本の未来を考えるシンポジウムの記録。
    第2回の、イケダハヤト氏と高木新平氏の視点がユニークで面白い。
    マスコミ報道ではわからない橋下市長に選挙で敗れた平松氏の思想や人となりも知ることができる。

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    2014年03月30日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

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    私淑する内田樹先生の参加している本です。対談をまとめた形の本なのですが、示唆に富んでいてとてもおもしろい内容でした。

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    2014年01月22日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

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    ネタバレ

    グローバリズムを疑う。成長し続けることを前提とした資本主義はいつか限界点に達する。資本主義は常に新たな市場、貧しい者、安価な労働力を求め続ける。つまるところ貧富の差があることを前提としている。もっとも裕福になったはずのアメリカや日本で、逆に貧富の差が増大しているということは、やはりそれを必要としている制度なのではないだろうか。高齢化と共に人口減少を避けられない日本がこの先どのような社会を築いていくのか。貨幣経済の外で助け合える共同体をどのように作っていくのか。興味深い。

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    2013年09月19日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

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    グローバル化、新自由主義、何だか地に足が付いていないことがどんどん進んでいるような…。身体感覚のない言論が過激さを加速する。匿名のネット上での発言が問題になるのも納得です。

    ここのところの内田氏はグローバル化、グローバル企業と国民国家が相入れない関係であることを盛んに書いています。株式会社の平均寿命が10年未満なのにたいして人間の寿命は数十年。我々の身体感覚ではものごとを100年単位で捉えている。それを体現しようとするシステムが国民国家である。企業は100年後のことには興味ないのですぐに効果、結果を求める。この企業の論理が国民国家に浸透してきてしまっている。これが何を生み出すのか私たちは冷静

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    2013年08月25日
  • 場末の文体論

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    小田嶋さんのネット連載のコラムから、特に後ろ向きな、懐古的なものを選んだという一冊。どこかで聞いたことのあるようなタイトルのつけ方(タイトルそのものより、そのつけ方。解説がある)もオツである。自ら後ろ向きを集めた、というだけあって、こっちまで鬱々としてくることさえある。だがそれがいい。謝られながら馬鹿にされるような、そんな変な爽快感があるのだ。冒頭の、北杜夫とのなんとも身悶えしたくなるような納得と恥ずかしさ、そして「まとまりのない話になった」とそれをまるっと包んでしまう凄さ。嫌いな人は大嫌いだろう。僕は好きです。

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    2013年08月17日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

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    この本のもととなったシンポジウムは2012年の衆議院選挙の前後になされたもので、出版されたのが今回の参議院選挙の直前。
    丁度そういう時期に読んで、中々興味深かった。
    特に、20代の若者の率直な意見は面白かった。
    こういう多様性というのがどんどん広がってきて、色んな人が色んな事を言い、実践できる社会になればいいと思う。
    ただし、他人を排除して優越感に浸るようなのはダメだ、言うまでもないけど。

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    2013年07月22日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

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    国民政治とグローバル企業・資本主義は基本的に相いれないものだ、という内田氏の主張が何よりのキーワード。
    国に対して競争のし易い環境を!と要求する企業がいかに独善的か、、というのを考えさせられる。グローバリズムを標榜する企業・政治家にロクなものは無い、と改めて認識。

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    2013年07月15日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

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    内田:この20年ほどの「構造改革・規制緩和」の流れというのは、こういう国民国家が「弱者」のために担保してきた諸制度を「無駄使い」で非効率だと謗るものでした。(P.5)

    中島:かつての70年代くらいの若者にとって、未来というのは輝けるものとして存在した。とすると、今ある自分の現実に対して「俺にはもっと幸福が先にあるんだ」と思えた。だから今の自分はまだまだ幸福ではない、と言っていた。しかし今の若者には先が見えない。輝ける未来や、今よりよい自分というビジョンが描けない。あるいは欠落している。だったら今の状態を幸せだと言っておかないと…と考えてしまう。(P.62)

    内田:今の公共政策の、まず税金を

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    2013年07月06日
  • 場末の文体論

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    相変わらず自分には考えもつかない視点と切れ味鋭い表現力で時事ネタを取り上げている。ビートルズコレクションの例えは膝を打った。ただし、政治ネタは、執拗な批判ばかり目立ち、あまり読むに値しない。

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    2013年05月29日
  • 場末の文体論

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    ネタバレ

    タイトルから前著「小田嶋隆のコラム道」のような文章論の中身をイメージしていたが、そうではなく王道のコラム、あるいはエッセイといった内容だった。
    「~コラム道」を読んだ直後の感想では「原稿をかけない言い訳をこねくり回して字数稼ぎすぎ。ラジオのほうが面白いね。」なんて言っていたのだが、本作では読むものを飽きさせない見事なコラム展開を見せてくれて、改めて「いやいや先日は失礼しました」と思うのであった。

    談志のくだりやソニーの話なんかは内容的にグッとくるものもあったし、多用される会話文あるいはネットでの書き込みを模した本文に対するコメントには技巧的にも「上手いなー」と感服するばかりである。
    でも巻末

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    2013年05月18日