小田嶋隆のレビュー一覧

  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    グローバル化、新自由主義、何だか地に足が付いていないことがどんどん進んでいるような…。身体感覚のない言論が過激さを加速する。匿名のネット上での発言が問題になるのも納得です。

    ここのところの内田氏はグローバル化、グローバル企業と国民国家が相入れない関係であることを盛んに書いています。株式会社の平均寿...続きを読む
  • 場末の文体論
    小田嶋さんのネット連載のコラムから、特に後ろ向きな、懐古的なものを選んだという一冊。どこかで聞いたことのあるようなタイトルのつけ方(タイトルそのものより、そのつけ方。解説がある)もオツである。自ら後ろ向きを集めた、というだけあって、こっちまで鬱々としてくることさえある。だがそれがいい。謝られながら馬...続きを読む
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    この本のもととなったシンポジウムは2012年の衆議院選挙の前後になされたもので、出版されたのが今回の参議院選挙の直前。
    丁度そういう時期に読んで、中々興味深かった。
    特に、20代の若者の率直な意見は面白かった。
    こういう多様性というのがどんどん広がってきて、色んな人が色んな事を言い、実践できる社会に...続きを読む
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    国民政治とグローバル企業・資本主義は基本的に相いれないものだ、という内田氏の主張が何よりのキーワード。
    国に対して競争のし易い環境を!と要求する企業がいかに独善的か、、というのを考えさせられる。グローバリズムを標榜する企業・政治家にロクなものは無い、と改めて認識。
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
    内田:この20年ほどの「構造改革・規制緩和」の流れというのは、こういう国民国家が「弱者」のために担保してきた諸制度を「無駄使い」で非効率だと謗るものでした。(P.5)

    中島:かつての70年代くらいの若者にとって、未来というのは輝けるものとして存在した。とすると、今ある自分の現実に対して「俺にはもっ...続きを読む
  • 場末の文体論
    相変わらず自分には考えもつかない視点と切れ味鋭い表現力で時事ネタを取り上げている。ビートルズコレクションの例えは膝を打った。ただし、政治ネタは、執拗な批判ばかり目立ち、あまり読むに値しない。
  • 場末の文体論
    タイトルから前著「小田嶋隆のコラム道」のような文章論の中身をイメージしていたが、そうではなく王道のコラム、あるいはエッセイといった内容だった。
    「~コラム道」を読んだ直後の感想では「原稿をかけない言い訳をこねくり回して字数稼ぎすぎ。ラジオのほうが面白いね。」なんて言っていたのだが、本作では読むものを...続きを読む
  • その「正義」があぶない。
    いいコラムは読者の思考を促します。何度も立ち止まらせます。小田嶋さんのコラムはまさにコレ。お高く留まって天の声を下々に伝えんとするコラムとは違います。オープンマインド。風通しが良いともいえるかもしれません。
    小田嶋さんのことは、雑誌で何度かコラムを読んだことがあり、「面白いことを言う人だなぁ」とかね...続きを読む
  • 場末の文体論
    やっぱり小田嶋隆さんは天才コラムニストであることを再確認した次第です。
    世間の耳目を集める論件があって議論百出したとします。でも小田嶋さんが書くと、パッと全く異なる風景が立ち上がり、思わず膝を打つ。
    コラムニストではありませんが、内田樹さんは同じタイプでしょう。実際、お二人は共鳴していて共著も出して...続きを読む
  • その「正義」があぶない。
    最近の領土問題見てると、国力の衰えた国が周りからチョッカイかけられるのは歴史の必然かなあ、と思います。もちろん一国民としてハラ立つけど。
    当の日本人も「失われた10年」とか言われて余裕なくしてる状態で、どうしても反応が敏感になりがちな昨今です。

    そんな時やからこそ、肩の力抜いて何が問題の本質なのか...続きを読む
  • その「正義」があぶない。
    ● 何かを変えるためには、自分が座っている木の枝を切り落とすみたいなタイプの決断が要る。

    ● 二兎を追う者は虻と蜂の両方に刺されて悶絶することになる。間違いない。

    ● で、われわれは、自分たちがしなくなった相撲という仕事を、アウトソーシングしている。もう少し別の言い方をするなら、われわれは、自分...続きを読む
  • パソコンは猿仕事(小学館文庫)
      内田樹・平川克美さんのメルマガで推薦されていた本の一冊。

     とにかく、パソコンに弱いおじさんをおちょくっていて、おもしろい。

     小田嶋氏もそこそこでレベルで、まあ、自分くらいの年格好なので、パソコンに対する違和感も同じ感じ。
    (1)パソコンができないと、部下から排除された感じがするのもわかる...続きを読む
  • その「正義」があぶない。
    日経ビジネスオンラインのコラム「ア・ピース・オブ・警句〜世間に転がる意味不明〜」の書籍化第2弾。

    真面目な問題を真剣に斜めから叩き切っていて、つい笑い、笑った後考えさせられる。
  • その「正義」があぶない。
    日経ビジネスオンラインでの連載は定期的に読んでいたけれども、この本に収録されているものすべては読んでいなかった。

    また、時期を外して、今になってまとめて読んでみるとその時期の出来事を振り返れて面白い。

    リアルタイムで読んでも著者の視点は自分と異なっていて面白いと思っていたけれども、あとから出来事...続きを読む
  • その「正義」があぶない。
    独特の語り口調で文章を綴るライターだと思う。とっつきにくいかもしれないが、内容はオルタナティブな考えとして許容できると思う。鋭い指摘もあり、個人的には賛同できる部分も多かった。
  • 場末の文体論
     自らと世の中の過去を振り返って書かれたコラム集。青少年の頃に影響を受けたという北杜夫や立川談志。ソニー製品、大学、タバコ。最後は津田大介との北区をめぐる対談で終わる。集団は野蛮さを内包しているという指摘のあと、「早い話、わたくしども浦和レッズのファンも、あぶない時はあぶない」(p107)と書かれて...続きを読む
  • 東京四次元紀行
    2022年6月に亡くなった小田嶋隆さんの絶筆。
    日経ビジネスで連載していた「ア・ピース・オブ・警句」の世間に阿らない、かつユーモアのある主張が好きで、亡くなったのがとても残念に思う。
    本書はエッセイではなく、作者も初めて書いてみたという小説(短編集)である。小田嶋さんから世界がどう見えているかの一端...続きを読む
  • 諦念後――男の老後の大問題
    定年後の過ごし方を、著者が色々試している体験記で、面白いです。時に、毒を含んだ物言いで本音で書いていることが感じられます。
    万人受けするような本ではないと思いますが、ひねくれ者の私には面白かったです。
  • 諦念後――男の老後の大問題
    自分が読んだことのある氏の他の著作とは、少し趣を異にする本作。とはいえ、独特の視点はここでもガッツリ健在。自分もこれから歩んでいくことになる老後を、多少なりシミュレート出来た気になる一冊。
  • 諦念後――男の老後の大問題
    「ガンで死ぬことは、特急券を確保することに似ている」「還暦の男は多くの場合、独善的なオヤジに仕上がっているもの」「老後で大事なのは単純作業に身を投じること」「先送りこそ人類が生み出した最高のノウハウ」「結局、死というのは本人にとっては一瞬の通過点でも、残された人間にとっては膨大な残務処理の集積体」「...続きを読む