変身

変身

小説・文芸
550円 (税込)

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平凡なサラリーマンがある朝、巨大な虫けらに変身した状態で目覚める──。不条理文学の旗手か、不器用なサラリーマン作家か。新たなカフカ像にもとづく新訳と訳者解説によって、不朽の名作がよみがえる。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    :
    KADOKAWA
  • 掲載誌・レーベル
    :
    角川文庫
  • タイトル
    :
    変身
  • タイトルID
    :
    20042054
  • 電子版発売日
    :
    2022年02月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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変身 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    なんといっても可笑しいのは、グレーゴルは虫になったのにその原因を探ることは一切せず、遅刻してしまう仕事の心配ばかりしていること。家族も彼の変身に驚きはするがすぐに事態を受け入れてしまう。なぜ虫になったのか、人間に戻れるのか、そういう疑問はまったく出てこない。

    グレーゴルが変身した虫は原語だとUngeziefer(ウンゲツィーファー)で、語源的に「犠牲に捧げるのにふさわしくない動物」という宗教的な意味を持つ。捧げ物としてふさわしくない動物イコール役立たず、厄介者とも解釈できる。これまでは家族のために自身を犠牲にするかのように働いて一家を支えてきた男が、一晩で役立たずになる。グレーゴルの変身はいわば二重に起きているのだ。人間から虫へ、大黒柱から厄介者へ。役立たずの厄介者は共同体から排除される。資本主義の非人間性を描いていると見ることもできる。

    引きこもり小説、または介護小説としても読める。引きこもりの息子は家族の恥だからと家族だけで問題を抱え込む。介護しているうちに人間から物のように見なされていく。かつては家族を支えた男が、いつしか妹から「あれ」呼ばわりされ人間扱いされなくなる。

    変身はグレーゴルだけではなく家族にも起きる。かつては一日中パジャマで過ごしていた父親は銀行の用務員になり、それを誇りに思って帰宅しても制服を着たままで過ごす(人格と職業が混ざり合うところも資本主義の一面を象徴しているように思える)。バイオリンに夢中だった妹は音大への進学を諦め店員として働き出し、将来の転職に向けてスキルアップの勉強を始める。そして借金を抱えているとグレーゴルは思っていたのに、一家にはひそかに貯金があったことが判明する!

    意思の疎通のできない化け物になってしまったと家族は思っていたが、グレーゴルには人間性が残っていた。妹が演奏するバイオリンを聴こうと半開きのドアの陰からリビングを覗き込むシーンは、この小説中もっとも鮮烈なイメージとして脳裏に浮かんだ。「こんなにも音楽に感動しているのに、それでも動物なのか?」

    過去に高橋義孝と池内紀の翻訳で読んだが、この川島隆訳がこれまで読んだ中でもっとも読みやすく感じた。70ページもの詳細な解説が付いていて読む助けになる。これから変身を読むならこの角川文庫がいいのではないかと思う。結びの文章が倒置法で訳されていてちょっと違和感があったけど、その意味は100分de名著の解説を読んで納得した。

    グレーゴルが変身した意味や解釈を固定化してしまうと却って作品を矮小化してしまうように感じる。曖昧なまま、各人が見えるものを見出せばいいのだろう。100ページに満たない分量に対して釣り合わないほどの巨大さ。カフカすげえなあ、と今更ながら唸らされる。

    0
    2026年10月10日

    Posted by ブクログ

    もしかしてカフカって虫になったことあるん?虫になった経験がないとこんな描写できなくない?カフカって虫?(真剣) 
    変身した虫の姿は、ゴキブリと蛾の融合体みたいなもの(羽はないかもしれんけど)をなんとなく想像したのだけど、キモすぎて何回も笑ってしまった。笑う本ではないんだけど、シュールさを強く感じてしまったな。ザムザくんには悪いけどおもしろかった。

    0
    2026年07月18日

    Posted by ブクログ

    10代で読んだ時、「つまらない」と感じて
    他の作品にも手が出なかった。

    今回チョットしたきっかけがあって
    再読してみた。
    なんと こんな話だったのかと改めて驚き
    社会の中にあっても、家族の中にあっても
    私達は何と孤独なことかと涙した。
    他の作品も読んでみようと思った。

    0
    2026年03月29日

    Posted by ブクログ

    とても面白かった。解説ありきで楽しみました。
    突然虫になったのに、遅刻とか細かいところを気にしていて人間味があった。絶望的なストーリーなのにくすっと笑えるのが不思議。私が虫になったらどうしよう。父に投げつけられたりんごが死因で、家政婦さんにホウキで突かれて発見されたらどうしよう。笑
    批評も読んだ方が楽しめそうだから見つけたら読みたい。浅い読み方しかできなかったけど十分に読み物として楽しめた。訳者の川島さん、本当にカフカが人間として好きなんだろうな笑笑

    0
    2026年03月28日

    Posted by ブクログ

    この作品には、なんとか社会に適応しようとして、無理をすればぎりぎりそれができてしまう人間の苦しみが書かれていると思った。
    無理をしての成功と平和だから、それを続けるも地獄、ドロップアウトするも地獄。ドロップアウトした自分には価値がないと恐れていた。
    本人からすると綱渡りだが、傍から見ると、大丈夫な人にしか見られない。無理して得ている成果も当たり前のこととされ軽くなっていく。

    絶望名人のカフカは、出世に興味がなかったけど、勤めに出ればわりと仕事はできて、出世コースだったと知って、やっぱりという気がした。

    未来へ向かう家族に焦点が当たる終わり方が残酷ですごくいい。
    小間使いのお婆さんは理解者だったのかな。変わり者のお婆さんも、社会とズレてあり続ける人だから、グレゴールと同調するものがあったのかも。

    0
    2026年06月17日

    Posted by ブクログ

    理由もなくグレゴールは虫になる。家族を養っていた彼が、邪魔者となり、ついには世話をしてくれていた妹からも「追い出してしまおう」と言われてしまう。

    0
    2026年01月08日

    Posted by ブクログ

    純文学にしては読みやすい。というより、展開が気になってすいすい読めたのかもしれない。
    「主人公が虫になっていた」という衝撃の書き出しにぞわぞわしながら読み進めたが、ひたすら後味が悪い……。
    自分が「自分の役割」を果たせなくなったとき、私の大切な人は私を見捨てないでいてくれるだろうか。

    0
    2026年08月30日

    Posted by ブクログ

    4.1
    後味悪いなぁ。鬱なる

    当時らしい暗い文章と展開。好きです。
    結構違和感残るけどそれも良さというか。考察の余地がある。

    虫は鬱病とか身体障害のメタファーって書かれてて確かになって思った。
    でもシンプルに本当に虫になってしまったって考えても面白いと思う。

    存在意義がなくなったらあとは座して死を待つのみなの辛すぎるよ

    0
    2026年07月15日

    Posted by ブクログ

    村上春樹「海辺のカフカ」を読む前に、1冊くらいカフカを読んでおこうと手を伸ばした。

    本編100ページに対し、解説70ページ。
    噂に違わず、難解なのかと構えたが、意外と読みやすい。

    グレゴールは朝目覚めると、虫になっていた。
    ベッドから降りる。シーツをかぶる。壁を這い回る。本人は真剣そのものなのに、笑える。
    だが全般に漂う、閉塞感と絶望感。カフカの特徴らしい。

    現在のチェコに生まれた比較的裕福なユダヤ人で、ドイツの女性と婚約を二度(破棄も二度)したカフカ。ナチスドイツも出てきた時代の、サラリーマン作家。そういった背景も含めて触れたほうがいい作品だと思いました。

    三部構成のうち、二部はやや間延びしたように感じたが、一部と三部は好きだった。

    0
    2026年06月05日

    Posted by ブクログ

    ある日突然ベッドの中で巨大な虫けらに姿を変えていた主人公。家族の接し方は、まあそうなるよな……という何とも不条理な物語。けれど、わたしたちはどんなに幸福に暮らしていたとしても、事故にあったり病気を患ったりして、虫けら同然になるかもしれないんだよな。

    これ、ボリュームある訳者解説がおもしろい。カフカの半生。この変身が書かれた背景と、小説の中身のギャップよ。恋愛中にこれが生まれるの情緒不安定すぎるだろ。ラブレターまで一緒に翻訳されて、作品と一緒に遺されているのはいいんですかカフカさん……わたしの中ではだいぶ可愛い印象になったけど

    0
    2026年03月15日

変身 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    :
    KADOKAWA
  • 掲載誌・レーベル
    :
    角川文庫
  • タイトル
    :
    変身
  • タイトルID
    :
    20042054
  • 電子版発売日
    :
    2022年02月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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