あらすじ
平凡なサラリーマンがある朝、巨大な虫けらに変身した状態で目覚める──。不条理文学の旗手か、不器用なサラリーマン作家か。新たなカフカ像にもとづく新訳と訳者解説によって、不朽の名作がよみがえる。
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Posted by ブクログ
この作品には、なんとか社会に適応しようとして、無理をすればぎりぎりそれができてしまう人間の苦しみが書かれていると思った。
無理をしての成功と平和だから、それを続けるも地獄、ドロップアウトするも地獄。ドロップアウトした自分には価値がないと恐れていた。
本人からすると綱渡りだが、傍から見ると、大丈夫な人にしか見られない。無理して得ている成果も当たり前のこととされ軽くなっていく。
絶望名人のカフカは、出世に興味がなかったけど、勤めに出ればわりと仕事はできて、出世コースだったと知って、やっぱりという気がした。
家族に焦点が当たる終わり方が残酷ですごくいい。
小間使いのお婆さんは理解者だったのかな。変わり者のお婆さんも、社会とズレてあり続ける人だから、グレゴールと同調するものがあったのかも。
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理由もなくグレゴールは虫になる。家族を養っていた彼が、邪魔者となり、ついには世話をしてくれていた妹からも「追い出してしまおう」と言われてしまう。
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有名な出だしの意味不明さと、海外古典の敷居の高さ、さらに『海辺のカフカ』の影響でなんとなく敬遠していたのだけれど、思い切って開いてみたら意外にも軽やかな世界。虫は何の象徴か、と考えると底なし沼なのだろうけれど、素直に物語が面白い。
「虫けら」がどんな姿なのか、あえて詳しく描かれていないところがいい。
家族が虫を嫌悪しながらも同居を続けてしまうあたり、現代の引きこもりや介護の問題と重なる。でも、書かれた時代にはそんな社会的背景はなかったはずで、では一体何の象徴か。考えたらハマる深くて奇妙な読書体験。おすすめ。
Posted by ブクログ
特に印象的だったのが、グレゴールの家族がもっと手頃な家に引っ越せば成り立つにも関わらず「良い家」に住み続けることの描写と、グレゴールという大黒柱が不在になったことで逆に家族がそれぞれに出来る仕事で家計を成り立たせていく描写。 与えられ続けた恵まれた環境を手放せない執着と、頼るべきところが無くなってもそれなりに現実を維持させ続けられる強かさを感じる。 人間の弱さと強さの両面が描かれていて、とても印象深く、何度も繰り返し読みたくなる。
人は何をもって他者をその人と見なすのかという点でも考えさせられる。 なぜ家族は虫になったグレゴールを彼であると認識できたのかというのも、その思考材料になりそう。朝起きたら家族がいなくなっていて代わりに巨大な虫がいたとすると、虫になったという解釈ではなく、虫に食われた、乗っ取られた、呪いで姿を変えられたなどと考えるほうが、虫になること自体よりは理解が通りそうな気が。。 考えれば考えるほど、人間の存在や営みについて思考が深まりそう。
Posted by ブクログ
グレゴールの立場、ザムザ一家(グレゴール以外)の立場、どちらの気持ちも分かる。…お互い、思う通りの結末を運ぶのは難しすぎるこの世の中。昔も今も、変わらずどうしようもないことってありますね。
Posted by ブクログ
文庫本の3分の1が解説を占めてたから意外と短い物語で驚いた。
カフカ的なんて言葉が出るくらいには人々に衝撃を与えた作品、なるほど確かに他にないキレと視点がある。
家族とは?自分とは?
「起きたら虫になってた」という究極の不条理が、誰でも抱えうる不安や恐怖を紐解いて行く。
走ってたら虎になった訳でもなく、悪い魔法使いにカエルにされた訳でもなく、なんの理由もなく虫に。
振り切れた不条理が面白い。
個人的にはカフカの陰鬱な自己嫌悪が如実に出た作品に見える。
かなり好き。
訳した川島隆さんの解説がかなり読み応えがあった。
「ああ神様」の翻訳者により異なる訳が面白かった。
表紙絵の変遷も面白かった。
角川文庫の表紙も良い表紙だなと思う。
ザムザが変身した虫はゴキブリってのが日本でのイメージらしいけど、なんとなく甲虫をイメージして読んでたからフンコロガシって解釈には納得。
個人的にはコガネムシ的なのだと思ってる。
色んな映画、アニメ、ゲームに与えている影響が多い。
個人的には「東京喰種」で見たのが1番最初かも。
「ゴジラ シンギュラポイント」でも言及があるけど、その時例としてペロ2というキャラが虫に変身するんだけどそのときは芋虫なんだよな。
あと自分が1番好きな映画、「佐々木、イン、マイマイン」にて、主人公悠二が佐々木から受け取る文庫本が「変身」らしい。
佐々木の家庭を考えると彼がこの本を好んで読んでたのもなんか分かるし、悠二に託したのもまた新しい意味が見えてくる。
Posted by ブクログ
ショートストーリーなので読みやすい。
両親と妹と4人で暮らす主人公は、ある朝目が覚めると虫になっていた。
まずはじめに思ったことは、「やべー仕事に遅刻してしまう、体が虫になってしまったしこのままだと仕事に行けない」だった…
長男の稼ぎで家計が成り立っており、いい暮らしが出来ていた。しかし虫になってしまうと贅沢はできず妹も音楽の道に進めない…
虫に変身した長男。それに対する家族の接し方、扱い方が「変身」していく
Posted by ブクログ
ずっと読みたいと思っていたのと、某ゲームのキャラクターの元ネタということで購入。
主人公に降かかる何もかもが不条理で、家族に尽くしてたのになんで……っていたたまれない気持ちになりました。
Posted by ブクログ
100ページほどしかない短い話だったが、とても面白く救いのない話だった。
この本の素晴らしいところは訳者解説がついているところだろう。70ページ近い訳者解説により「変身」だけでなく、フランツ・カフカについても学ぶことができる。
Posted by ブクログ
その身体を見てまず考えたことが、自分の仕事を行動についてなの?最初それ?冷静すぎないか?まずキモすぎて激鬱からの死だろ。さらに足やら背中やらから感じるであろう、その身体であるという感覚も相まって吐くと思う。
可哀想なまま終わった。最後も家族が虫の死を受け入れるのが早い。こうなった以上は死んでもらうしかこの絶望感は無くならないってみんな思ってたんやろうな。
面白かったです!
Posted by ブクログ
ある日起きたら自分の姿が虫になっていた…
有名な小説でずっと気になっていたのをやっと読んだ。
長い解説が入っていてカフカの事が詳しく書かれていて面白かった。
訳す人によっても文章が違うのでいろんな人の訳した本を読んで違いを見るのも面白いかもしれない。
さて主人公が変身した虫がなんの虫かは読んだ人によって違うと知り面白いなあと思った。
Posted by ブクログ
有名どころなので読んどくかと思い。
虫になって段々と体の能力や嗜好も虫化していくところが、気持ち悪くて悲しかった。
また、分かり合えない家族との距離も切なかった。
もう一方の主人公はグレゴール自身ではなく家族だったのかもしれないと最後の展開を読んで感じた。
あとカフカが恋人に毎日長文の手紙(調子いい時は複数通)送りつけて、数日返信なければ電報を打ち、すぐ他の女にもなびくというメンヘラ気質だったと知り、やはりこういう作品は一般人より感覚が繊細過ぎて病んでるくらいの人が書けるんだろうな〜と思った。
Posted by ブクログ
朝起きたら、虫に変わっていたグレゴール。そのぶっとび変身ほどではないけど、望まず変身してしまうことは、人にはあるのでは?と思いました。
そのとき、どうすればいい??最後に救いやヒントはある??と読み進めましたが…。自分なりの解釈がうまくできないままです。
なので、ほかの方の感想を読みまくりました!笑
じっくり消化していきたいです。
Posted by ブクログ
何回も読んでいます。
はじめは虫になった描写が何よりもきつかった。しかし読み返すたびに、主人公が死んだ後に前に進んでいく家族を見るのがきついなと感じます。
あんなに必死に繋ぎ止めようとしていた家族の幸せは、自分なしでも存在する。そしてそれを主人公は知らないまま。
後味の悪さと家族が幸福になっていく眩しさの対比がくせになっています。
Posted by ブクログ
高校の時の課題図書で1回読んでいる。そのときの感想は覚えていないが話はよく覚えている。今回読み直しても特にストーリーに違いは感じられなかった。起きたら虫になっていた。そして社会から隔絶され、最後は家族からも見捨てられ、主人公が死んだら家族が幸せになっていた、という話である。
不条理極まりない話で、後味も確かによくはない。ただ、今回感じたのは、虫になった主人公をおいといて、家族はそれなりに苦労を超えていくところである。主人公が死んで(直前には処分しようとしている)、人間の尊厳もなくなったのが幸せにつながるというのは作家としては何がいいたかったのだろうか。
Posted by ブクログ
不条理と言えばカフカ。
まさにそんな小説。
何の虫になったのか、なぜなったのか全く書かれていないし、今作の場合周りの家族の非情さが際立つ。
カフカはどんな意図でこの本を書いたのだろうか。
この世界の非情さ、残酷さなのだろうか。
Posted by ブクログ
とにかくグレーゴルが可哀想だと思った。今まで1人で家族を支えていたというのに、虫となり働けなくなったグレーゴルを拒絶した家族は酷いと思う。
グレーゴルが使い物にならないとわかった途端、自分たちで働き始め、彼以外の家族はどんどん前を向いていく所がとても皮肉だった。
Posted by ブクログ
海外小説はほとんど読まないが、有名どころだし読んでみるかと手に取った。
小説部分はだいぶ薄い。十分な解説があったが、解説を読んでもそこまで面白さはなし。
文学者が何をしてるか不明だったが、カフカはこう思われていたが実際は違う、よってこの文章はこういう意図に読める、と解説にあり、そういう仕事内容なのかと理解した。
Posted by ブクログ
突然、虫になった主人公の目線と取り巻く人々の言動、、うーん不思議。
今で言うひきこもりを主人公に置き換えたら、なんとなく読めた。
多分、、名作と言われているし、何度か読んで深めるべきなんでしょうが、、
虫の描写がキモすぎて無理。
Posted by ブクログ
青年が忌み嫌われる虫に変化してしまう名著の極み
外見が変わるだけで周りから煙たがられ、虚しく息を引きとるという現代社会を風刺したような暗く重い物語
城といい、カフカの作品は読み終わると鬱々となる
Posted by ブクログ
難しかった
解説を読んでから、扉絵と本編におおおってなったな
グレゴールのことばかり考えながら本を読んでたけど家族の気持ちになってもう一度読んでみたらもっと面白そう!
Posted by ブクログ
虫になったことに意図があるとか最後に変身が解けるとか意思疎通できるとかでもないラスト。
主人公の内面も人間じゃなくなっていく感じが怖い
亡くなってやっとほっとして愛を再確認できるような感じが障害者とか認知症の介護とかにも通じる。寒々しい気持ちになる小説だった
Posted by ブクログ
理不尽を煮詰めた作品。
凡人の中に混ざった天才、天才がいなくなった後にまとまる凡人という表現がしっくりくる内容でした。自分が虫になったのに、意外にも冷静に現実を見ている部分が妙にリアルでした。
訳者解説のおかげで、当時の時代背景やカフカの人柄、交友関係や思考がわかり、作品理解をしやすかった。他の作品も読んでみたい。