あらすじ
平凡なサラリーマンがある朝、巨大な虫けらに変身した状態で目覚める──。不条理文学の旗手か、不器用なサラリーマン作家か。新たなカフカ像にもとづく新訳と訳者解説によって、不朽の名作がよみがえる。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
特に印象的だったのが、グレゴールの家族がもっと手頃な家に引っ越せば成り立つにも関わらず「良い家」に住み続けることの描写と、グレゴールという大黒柱が不在になったことで逆に家族がそれぞれに出来る仕事で家計を成り立たせていく描写。 与えられ続けた恵まれた環境を手放せない執着と、頼るべきところが無くなってもそれなりに現実を維持させ続けられる強かさを感じる。 人間の弱さと強さの両面が描かれていて、とても印象深く、何度も繰り返し読みたくなる。
人は何をもって他者をその人と見なすのかという点でも考えさせられる。 なぜ家族は虫になったグレゴールを彼であると認識できたのかというのも、その思考材料になりそう。朝起きたら家族がいなくなっていて代わりに巨大な虫がいたとすると、虫になったという解釈ではなく、虫に食われた、乗っ取られた、呪いで姿を変えられたなどと考えるほうが、虫になること自体よりは理解が通りそうな気が。。 考えれば考えるほど、人間の存在や営みについて思考が深まりそう。
Posted by ブクログ
ショートストーリーなので読みやすい。
両親と妹と4人で暮らす主人公は、ある朝目が覚めると虫になっていた。
まずはじめに思ったことは、「やべー仕事に遅刻してしまう、体が虫になってしまったしこのままだと仕事に行けない」だった…
長男の稼ぎで家計が成り立っており、いい暮らしが出来ていた。しかし虫になってしまうと贅沢はできず妹も音楽の道に進めない…
虫に変身した長男。それに対する家族の接し方、扱い方が「変身」していく
Posted by ブクログ
その身体を見てまず考えたことが、自分の仕事を行動についてなの?最初それ?冷静すぎないか?まずキモすぎて激鬱からの死だろ。さらに足やら背中やらから感じるであろう、その身体であるという感覚も相まって吐くと思う。
可哀想なまま終わった。最後も家族が虫の死を受け入れるのが早い。こうなった以上は死んでもらうしかこの絶望感は無くならないってみんな思ってたんやろうな。
面白かったです!
Posted by ブクログ
有名どころなので読んどくかと思い。
虫になって段々と体の能力や嗜好も虫化していくところが、気持ち悪くて悲しかった。
また、分かり合えない家族との距離も切なかった。
もう一方の主人公はグレゴール自身ではなく家族だったのかもしれないと最後の展開を読んで感じた。
あとカフカが恋人に毎日長文の手紙(調子いい時は複数通)送りつけて、数日返信なければ電報を打ち、すぐ他の女にもなびくというメンヘラ気質だったと知り、やはりこういう作品は一般人より感覚が繊細過ぎて病んでるくらいの人が書けるんだろうな〜と思った。
Posted by ブクログ
何回も読んでいます。
はじめは虫になった描写が何よりもきつかった。しかし読み返すたびに、主人公が死んだ後に前に進んでいく家族を見るのがきついなと感じます。
あんなに必死に繋ぎ止めようとしていた家族の幸せは、自分なしでも存在する。そしてそれを主人公は知らないまま。
後味の悪さと家族が幸福になっていく眩しさの対比がくせになっています。
Posted by ブクログ
高校の時の課題図書で1回読んでいる。そのときの感想は覚えていないが話はよく覚えている。今回読み直しても特にストーリーに違いは感じられなかった。起きたら虫になっていた。そして社会から隔絶され、最後は家族からも見捨てられ、主人公が死んだら家族が幸せになっていた、という話である。
不条理極まりない話で、後味も確かによくはない。ただ、今回感じたのは、虫になった主人公をおいといて、家族はそれなりに苦労を超えていくところである。主人公が死んで(直前には処分しようとしている)、人間の尊厳もなくなったのが幸せにつながるというのは作家としては何がいいたかったのだろうか。
Posted by ブクログ
不条理と言えばカフカ。
まさにそんな小説。
何の虫になったのか、なぜなったのか全く書かれていないし、今作の場合周りの家族の非情さが際立つ。
カフカはどんな意図でこの本を書いたのだろうか。
この世界の非情さ、残酷さなのだろうか。
Posted by ブクログ
とにかくグレーゴルが可哀想だと思った。今まで1人で家族を支えていたというのに、虫となり働けなくなったグレーゴルを拒絶した家族は酷いと思う。
グレーゴルが使い物にならないとわかった途端、自分たちで働き始め、彼以外の家族はどんどん前を向いていく所がとても皮肉だった。