からくりからくさ(新潮文庫)

からくりからくさ(新潮文庫)

781円 (税込)

3pt

祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質な結界。だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にして――。生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。

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からくりからくさ(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    古民家で自然と共にのんびりと暮らしている女性たちの物語りかと思いきや、りかさんにまつわる過去や彼女たちの内に秘めた激しい思いが淡々と描かれていて、心にぐっと刺さりました。
    能面にまつわる過去のつながりがイマイチ理解しきれなかったのですが、伏線がちゃんと回収されていたのでだいたい分かりました。

    0
    2023年03月25日

    Posted by ブクログ

    素晴らしい梨木さんの世界。

    「りかさん」という本の続編だと、読み終わってから知りました。

    祖母の遺した家に住む蓉子とアメリカから日本の鍼灸の勉強をし蓉子とランゲージエクスチェンジをしているマーガレット、機織りをする紀久、テキスタイルの図案を研究している与希子の4人の女性の共同生活。

    草木染め、

    0
    2020年12月29日

    Posted by ブクログ

    何冊か彼女の長編小説を読んでいるが、いつもその重層的な構造に、もしくはその絡まり合う要素にいつも目眩がする。考えてみれば、初めて読んだ「ピスタチオ」からしてそうだったのだが、その後の「沼地のある森を抜けて」など、複数の作品に共通している。そして、あえて共通項を探せば、女性、手仕事、自然、時代というこ

    0
    2020年06月28日

    Posted by ブクログ

    『りかさん』の主人公「ようこ」が大人になり、「蓉子」として描かれていた。小さい頃から好きだった染物を続けていたり、人を慈しみ包み込むような暖かさが、「ようこ」だと分かる要素だった。

    『りかさん』はようことりかさんの物語で、最後にマーガレットの娘と三人の共同生活が描かれていましたが、読んだ時点ではな

    0
    2019年06月08日

    Posted by ブクログ

    若い女性4人の古民家共同生活の中で発覚する意外な繋がりのお話

    以下、公式のあらすじ
    ---------------------
    祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質

    0
    2024年10月07日

    Posted by ブクログ

    精神世界と物理世界が絡み合う表現に編み物を使うというのがいい。美しい世界。一つ気になることは、妊娠は嫌だ。その話題は読みたくない。気持ち悪いのだ。

    0
    2024年08月18日

    購入済み

    唐草の先は…

    紙の本で読んでいたものを買い直しました。
    再読にも関わらず、えっ? この人とこの人にこんな繋がりが? この先どうなるの?? と思いがけない展開に驚かされます。きっと、静かな始まりからは予想だにしないラストだと思います。

    #切ない #タメになる

    0
    2023年11月12日

    Posted by ブクログ

    昔懐かしいおばあちゃんの家を思わせる、古い日本家屋。住んでいるのはイマドキではない、勉強熱心で深い思いやりを持つ表現者達、かつ草木や生き物、織物、染色に専門性がある。
    空気感が心地よく、夏の終わり、西陽の入る縁側などを思い起こさせる。個性的な4人は二十歳そこそこ、プラス神秘的なリカさんが居る。
    謎解

    0
    2023年08月23日

    Posted by ブクログ

    梨木さんの場景描写力は素晴らしい。
    日本語の美しさ、日本の自然や四季の変化の美しさを、改めて深く丁寧に教えてくれます。

    4人の女性が共同で暮らす古い家。
    丁寧に、真剣に生きる女性達が魅力的に描かれています。静かだけど情熱的な作品です。

    0
    2022年10月19日

    Posted by ブクログ

    「りかさん」を先に読んでいたので
    すんなりと物語の世界に入れた。
    大人になった蓉子は染織の世界へ。
    祖母の家での同居人は機を織り、
    織物の研究をし、針灸の勉強とそれぞれ。
    庭の植物や穏やかな暮らしのなかに
    人の思いや現実があり、
    人形や織物が過去を物語る。
    3人の合作の最後の様子は圧倒され
    一瞬の芸

    0
    2022年04月11日

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