海うそ

海うそ

814円 (税込)

4pt

昭和の初め、人文地理学の研究者、秋野は南九州の遅島へ赴く。かつて修験道の霊山があったその島は、豊かで変化に富んだ自然の中に、無残にかき消された人びとの祈りの跡を抱いて、秋野の心を捉えて離さない。そして、地図に残された「海うそ」ということば……。五十年後、不思議な縁に導かれ、秋野は再び島を訪れる。

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海うそ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    自然・史跡・遺構等々

    朗読サイトでこの本を知り購入。いつもながら自然描写が秀逸で、自然との共生の有様に思いを馳せる。古より心の拠り所としての民間信仰・仏教伝来・帰依、修験道等々様々な要因で各地でそれぞれの栄枯盛衰を経ているよう・・明治政府の神仏分離令はこの島でも容赦なく廃仏毀釈
    僧籍剝奪還俗その理不尽な状況も捉えてい

    #深い

    0
    2021年11月20日

    Posted by ブクログ

    若い時に人文地理学の調査で遅島に訪れる。そこは自然豊かで温かい人の優しさで溢れていた。調査は中途半端で終わり長い年月を経て息子が遅島でリゾート開発に携わっている事を聴き50年振りに訪れる。
    そこはかつての自然豊かな島ではなくなり人の手がふんだんに加えられ調査を終わらせなかった自分に悲観するがかつてみ

    0
    2021年09月28日

    Posted by ブクログ

    作品を通して伝わってくる、なんともいえないもの哀しさが心地良い作品であった。
    人生に悲観している時に読めば、一文一句が体に染み渡るように感ぜるだろう。
    疲れている人、何かを失いその拠り所を求めている人などにおすすめしたい。

    0
    2018年12月01日

    Posted by ブクログ

    ベストセラー小説「西の魔女が死んだ」で有名な梨木香歩の作品。

    梨木香歩の作品は、「西の魔女が死んだ」くらいしか読んだことがなかったので、作風の違いにすごく驚いた。
    同時に作者の作家のとしての力量が卓越していることを思い知らされた。

    久しぶりに自分の好みに合った美しく心に残る小説に出合ったと素直に

    0
    2018年08月26日

    Posted by ブクログ

    面白かったけど難しかった!もう一回読み返したい。
    真剣に時間をとって読むべき本です。
    (病院の待合時間に読むべきではなかった…)

    0
    2024年09月01日

    Posted by ブクログ

    祖父や父が亡くなってから何年経ってもたびたび感じる切なさは何なのだろうと考える。それは、あのとき聞いた思い出も、そこに祖父と父がいて色んなことを感じ考え生きていたという事実も、私が忘れたときに消えてなかったことになってしまうのだという焦りと寂しさなんだと思う。
    その寂しさは、大学の民俗学実習で僭越な

    0
    2023年04月05日

    Posted by ブクログ

    昭和の初め、人文地理学者の秋野は南九州の遅島を訪れる。修験道の霊山があり雪も降るこの島は自然豊かで、彼は惹きつけられていく。
    戦争を挟み五十年後、秋野は再び島を訪れる縁ができるが――

    神仏分離に起こる廃仏毀釈、失われる営み、過疎。
    学術的に判別され世に知らしめられたものが遺産となる。だとすると……

    0
    2022年12月04日

    Posted by ブクログ

    産まれた時から海無し県から出たことがない私でも郷愁を誘われるような心持ちに。
    でも感覚としてはやっぱり息子寄りかなぁ。
    私だったら岩の謂われとか息子に喋っちゃうし、そしたら恋愛スポットとして活用!なんて流れになる気がする(笑。
    あと論文まで行かなくても手記として島のことを書いて残したいと思っちゃうだ

    0
    2022年10月29日

    Posted by ブクログ

    昔訪れた場所に再訪した時、こんな感じだったろうか?という思いになることはないでしょうか?自分の中でものすごく強い印象を抱いていて楽しみにしていた場合など、あれ?と落差の激しさに戸惑うことがあります。一方で思いがけず、自分の記憶にある景色が人の力で大きく変えられていた場合、つまり大規模な開発が行われて

    0
    2020年05月21日

    Posted by ブクログ

    とても静かな世界観

    生い茂る樹木 飛び交う野鳥
    時折 突然現れる野生動物
    足元の草 温度 湿度 風

    少し空気は重いけれど
    どろりとしたものはなく

    巻頭の地図を何度も見たり
    分からない植物をGoogleセンセに聞いてみたり

    そんなことは 久しぶりで
    新鮮な感じがして
    そんな部分でも、楽しめた

    0
    2020年05月18日

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