河合隼雄の一覧
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ユーザーレビュー
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かつて子どもだった時の、あの、言葉では言い表すことができなかった様々な思いとこの本の中で再会することができた。あの時はとてつもなく重要なことだったのに、いつの頃からか段々と考えることをやめてしまったなぁ…
子どもには子どもなりの道理がある…そのことを忘れずに子どもの話に耳を傾けることができる大人で
...続きを読むありたい。
Posted by ブクログ
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ユング派の心理学者、河合隼雄による、コンプレックスに関して現代人に対して強烈な示唆を与えてくれる一冊である。
コンプレックスと劣等感は同義でないことから始まり、自己実現に至る道筋を与え、締め括られる。
一般女性の体験から、神話まで、充実した事例を取り上げてあり、心理学初心者にも大変わかりやすい内
...続きを読む容だった。
Posted by ブクログ
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ごく短い本だが、ユング心理学という今まで考えたこともなかった世界へと思考を飛ばしてくれる。
一般に大学などで教えられる心理学は認知心理学や社会心理学といった、データや実験に基づいた文理融合型の学問、というイメージがあるが、この本で扱われるユング心理学は全く異なる。
そもそも深層心理や集合的無意識と
...続きを読むいう概念自体が実験・観察に基づいて発見されたというよりは仮説的に観念されたものという感じだし、その裏付けとして所々に挿入される実際の患者の夢もあまりにも荒唐無稽で、こんな夢を見る人が本当にいるのか、と疑いを挟みたくなる。
総じて今までの自分の常識や固定観念からは受け入れ難い思考法で、これは科学といえるのか、とすら思った。
しかし、そのように一笑に付すには惜しい説得力が本書にはあった。
思うに、ユング心理学はある意味では非常識な学問であり、だからこそ現在の心理学のメインストリームは認知心理学を始めとする自然科学的な実験を重視しているのだろう。
だが、そういった「まっとうな」学問では当分辿り着けない遥かな神秘を人間の意識は宿していて、その一端を、一足飛びに垣間見る可能性を有するのが、ユング心理学なのではないか。そう考えて、信じてみたくなるような魅力を持つ一冊だった。
Posted by ブクログ
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子を持つ親として大変勉強になった。
約35年前に書かれた本だが、今の子供にも変わらず宇宙はあるはず。
児童文学の深さにも驚き。大人こそ読むべきなのかもしれない。
子供の秘密や自立などの「時」が来たときに、親の言動が子供の魂を殺していないか、また思い出して読みたい本。
Posted by ブクログ
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日本におけるユング心理学の研究を確立したあまりにも有名な筆者が、1988年から4年ほど連載したものに書き下ろしを加えた55の心の「処方箋」。著書もあとがきで述べられていますが、多くは「常識」的なことが書かれています。ただ、何となく分かっていたことを、的確な筆致で一章ごとに各4ページにまとめてくださっ
...続きを読むており、心にストンと落ちます。また、30年以上も前の書籍でありながら現代にも通じるアドバイスであることに敬服です。
特に心に残ったものの中から、以下の5つを紹介します。
第5章「『理解ある親』をもつ子はたまらない」
真の理解などということは、ほとんど不可能に近いという自覚が必要である。そんな難しいことの真似ごとをやるよりは、まず自分がしっかり生きることを考える方が得策のように思われる。
第12章「100点以外はダメなときがある」
ここぞというとき100点をとっておけば、それ以外は60点でいいのだ。平均点は80点以下でも、その効果はまるで違ってくるのである。(中略)100点はときどきでいいのである。
第21章「ものごとは努力によって解決しない」
一切の努力を放棄して平静でいられる人は、これは素晴らしくて、何の言うこともない。(中略)しかし、われわれ凡人は、努力を放棄して平静でなどいられない。いらいらしたり、そわそわしたり近所迷惑なことである。そんな状態に陥るくらいなら、努力でもしている方が、まだしもましである。それにひょっとして解決でも訪れてきたら、嬉しさこの上なしである。
第47章「二つの目で見ると奥行きがわかる」
ものごとの「奥行き」を知るためには、二つの異なる視点をもつことが必要だと言えそうである。ひとつの見方だけだと、平板な見方になってしまって、立体像が浮かびあがってこないのである。(中略)そのときの状況に応じて必要と感じられる、二つの目の組み合わせ(甘い目と厳しい目、主観と客観等)により、状況を立体的に把握しようとすることが大切である。
第48章「羨ましかったら何かやってみる」
自分にとって実に多くの未開発の部分があるなかで、特に何かが「羨ましい」という感情に伴って意識されてくるのは、その部分が特に開発すべきところ、あるいは、開発を待っているところとして、うずいていることを意味しているのである。(中略)「羨ましい」感情が強いとき、自分のなかに何かが未だ注目されずに捨てられているはずだと思って、探してみたり、いろいろ試みてみたりするのは、それほど悪くはない。そのためにエネルギーを消費する方が、他人に愚痴をまき散らしたり、他人の足を引っ張るためにエネルギーを使うよりは少しはましだと思われる。
23年前に購入した本を何度めかに読んでみました。読む時の自分の状況や立場によって、必要な「処方箋」はその都度違うと思います。今後もちょくちょく手に取りたい一冊です。
Posted by ブクログ
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