はぐれイワシの打ち明け話~海の生き物たちのディープでクリエイティブな生態~

はぐれイワシの打ち明け話~海の生き物たちのディープでクリエイティブな生態~

小説・文芸
1,980円 (税込)

9pt

4.3

海の中ならどこでもクジラの歌声が聞こえる、サケは海の中で故郷のにおいを嗅ぎ分ける、ニシンのおならが冷戦の緊張を高める……少年時代、イワシに話しかけられた(!)著者が読者に披露するのは、海の生き物たちが人間に語りたがっている“物語”。自然科学的な話題から歴史上のエピソードまで、海の魅力を余すところなく伝える海洋エッセイ。あなたの人間生活に役立つ魚からのヒントもたくさん!

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はぐれイワシの打ち明け話~海の生き物たちのディープでクリエイティブな生態~ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    海に隠された神秘について。

    タイセイヨウサケはグリーンランドの海から、自分が生まれたブルターニュの小川の香りを感知し再び故郷の河口に辿り着くことができる。クジラは特別な海水の温度域を使って何千キロも離れた場所まで自分の声を届け、仲間と歌で呼び交わしている

    “耳に水が入った時に聞こえる
    「ごぼごぼ」という音の中には
    遠くの火山や姿を見せないクジラの歌声の響きが含まれている” (p32)

    自分のヒゲをかき鳴らして耳障りな音楽を奏で、捕食者を追い払うイセエビ、歌を歌うクジラ、イワシの群れを見つけて鳴き声を上げ、その場にいるすべての動物を奮い立たせるアジサシ。

    “海が僕たちに語りかけてくる。会話を始めるために、返事をするのはどうだろう?” (p203)

    海に住むものはお喋りだ。この本はその美しさを讃える歌で、一冊を通して穏やかで乱れのないテンポで歌い上げられる。極めて落ち着いていて、キラキラした美しい音楽を聴いているような本でした。とても良かった。

    0
    2026年02月14日

    Posted by ブクログ

    著者の、海と海の生物への愛情が滲み出る文章
    魚や海の生き物が愛おしくなる
    全ての生き物に敬意を払うべきだなー
    と改めて思わされる
    とても好きな本

    0
    2024年12月28日

    Posted by ブクログ

    魚を、魚の大きな目を怖がっていた少年が、ある日海岸近くに迷い込んできたイワシを見つけ、その美しさに、イワシの存在に好奇心をかき立てられ、海の神秘に魅了される。
    そんな少年は、海やその住人たちへの深く果てしない愛を深めていきながら、物理学者になり、フランスのスピーチ大会でイワシについて熱く語り優勝し、この本を出版する権利を得た。
    プロローグで語られる、著者である少年のはぐれイワシとの出会いの物語から、もう海に魅了される。
    そして時代を超えた海の物語や、果てしない深海からパリの地下水路まで世界をまたにかける海の生き物たちの物語、伝説上の海の物語まで、実に魅力的に語られる。
    イルカと触れ合い、コバンザメやシャチとともに漁をする。ニシンのおならが冷戦に緊迫感を与える。本当に?と言いたくなるようなどきどきする物語が語られる。
    そして素敵なイラストとブックデザイン。
    ぜひ手に取って、この本に、海に、魅了されてほしい。著者の海への愛に触発されて、私はもっと海や海洋生物について知りたくなってしまった。

    0
    2022年03月01日

    Posted by ブクログ

    神秘的すぎてフィクションなのか、ノンフィクションなのかわからない。
    裏付ける名前の付け方とかあって、こんなにすごいのか、と。
    表紙の絵が可愛くて惹かれて読んだけどとてもよかった。

    0
    2022年02月05日

    Posted by ブクログ

    題名からはイワシが海を案内してくれるようなファンタジーを想像したが、実際は著者の回想を交え海の世界を描いたエッセイだった。想像とは違ったが、思いがけずどのエピソードも面白く夢中で読んだ。

    海の生き物のおしゃべりといえばイルカやクジラをまず思い浮かべるが、それだけではない。
    人間には感知できない音、香りや色彩、水流や電界を感じとるものまでいるそうだ。
    こうした多様な「言語」の話に加えて、彼らの生態や人間との歴史、乱獲や資源保護の問題、古代の伝説、さらには海に着想を得たテクノロジーまで、多岐にわたる内容だった。

    フランスでの調査で、テレビ等で見る「魚」と食卓に出る「魚のフライ」を結びつけられない子どもが想像以上に多いという結果に驚いた。
    日本では焼き魚がそのまま食卓に並んだり、生け簀で泳ぐ姿を見る機会もあるため差はあるだろうが、確かに水揚げされる前の暮らしに思いを馳せることは少ないかもしれない。
    海洋プラスチックや乱獲といった言葉を耳にしても、普段の生活とはなかなか結びつきにくい。
    本書のように魚たちの物語として語られると、その現実が胸に刺さり、身近に感じられた。

    「彼らの生活を想像することは、切れてしまった自然とのつながりを再び取り戻すことでもある。」
    海に囲まれた私たちにとって、無関係ではいられない話。海の声に耳を澄ませてみたいと思った。

    0
    2025年09月10日

    Posted by ブクログ

    可愛い魚のイラスト、そしてユーモアを交えたイワシやその他の魚たちの生態系や人間との関わり。
    著者のビルフランソワ氐は、若干二十代のフランスの物理学者であり、自然保護活動家でもあるらしい。
    2019年の仏でのスピーチ大会で優勝に輝いたのが25歳の著者で、題材にしたのが「イワシの雄弁術」。そして本書の出版権利を手にしたらしい。仏で高く評価されているだけでなく、蘭、独、伊、葡、波蘭、英語に各翻訳されているとのこと。

    以下の章で構成されているけど、海の生き物たちの生態を元にした物語が、本人の回想や自然科学や歴史のエピソードと一緒に紡がれる。
    そんなに魚な好きなのね。

    いくつか面白いなと思ったこと。但し事実なのかは不明。
    ·我々の先祖がサルと違う形で進化してヒトとなったのは、水中ではないか。何故なら体毛が薄く、他の陸上動物より圧倒的に多い皮脂腺によって皮膚が油脂分で覆われている。新生児は反射的に水中で息を止めて仰向けに浮かぶことが出来るが、チンパンジーは沈む。
    ·鮭などが産まれた河に戻るのは香りを追いかけて。
    ·魚たちは会話をしている。ナガスクジラの仲間は10~35Hzの周波数でコミュニケーションを取っているが、1989年 52Hzのクジラの声を受信した。このクジラは返事を期待出来ないのに呼び掛けているのだ。「52ヘルツのクジラたち」と言う感動の物語を思い出しました。
    ·カタクチイワシは産んだばかりの卵と餌になるプランクトンを区別出来ず、3割ほど食べてしまう。ノーザンパイクは子どもが成長したところで食べてしまうだけでなく、産卵から暫くたつと、ツガイのオスを食べてしまう。
    ·カキは砂粒が殻の中に入ると出してしまうか、砂粒を回転させて真珠層で覆う。砂粒は少しずつ真珠層に覆われて丸い形になり真珠になる。
    ·モトアカウオと言う魚は恐らく100年以上生きる。アブラツノザメは2年以上妊娠しており、恐らく動物界でも最長だ。
    ·ムール貝はプランクトンを食するために、1日65リットルの水を濾す。また足糸と言うフッ素樹脂にもくっつくほどの、とんでもなく粘着力の強い繊維の束で岩に貼り付く。
    等々。

    プロローグ
    1 魚はみんなしゃべっている
    2 音が絶えない世界
    3 イワシのように詰められる
    4 小さい魚もやがて大きくなる
    5 貝と甲殻類
    6 今日のおすすめ
    7 魚の絵を描いてみよう
    8 道路の下のうなぎ
    9 シー・サーペント
    10 海は鏡
    11 海との会話
    12 よいマグロを見つける
    13 終わりは……魚のしっぽのようにすっきりと
    エピローグ

    0
    2022年07月16日

    Posted by ブクログ

    自然科学的な本を想像していたが、ファンタジー要素ありの物語に魚の生態を交えながら語られた本だった。
    科学的な期待していた自分にとっては、擬人化的な表現が最初気になったが、物語と割り切ると楽しく読めた。
    文章や言葉選びが優しく、瑞々しい感性で書かれた本だと感じた。

    0
    2026年06月17日

    Posted by ブクログ

    海の生き物たちをファンタジー要素のあるエッセイっぽく書かれている。しかし、知識的なこともしっかり書かれているので、いろいろな視点から読み応えがある。
    私がとくに印象的だったのは「タコのメスは自分の子どもと話すことができず…」というフレーズだ。人間でいうと5歳ほどの知性がありながら、子どもに直接的な教育をせずに一生を終える命の儚さを知った。

    0
    2025年11月06日

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