家族関係を考える

家族関係を考える

ビジネス・実用
968円 (税込)

4pt

家族における人間関係は一様なものではない。一人の異性を選択することによって成立する夫婦というヨコの関係、血のつながりで運命づけられた親子というタテの関係、さらに兄弟姉妹、親戚、こうした複雑さから、思いがけない対立や葛藤が生じてくる。家庭内暴力、離婚……。家族のあり方は、われわれの生きていく基盤として今、根本から問いなおされなければならない。(講談社現代新書)

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家族関係を考える のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    結婚する前に、一度読みました。38年以上前です。
    この本の中のテーマのひとつである「母親殺し」の概念は、その後、私の母が死ぬまで、ずーっと引きずっていて生きてきました。
    「母親殺し」の概念を知る前は「母の恩は海よりも深く山やよりも高い」という気持ちで母より大切な人はいない、と思っていました。
    しかし、結婚を決めてからは「ほんとうに申し訳ないが、私はお母さんと親子の縁は切ります」と、この本の河合さんの意見を参考に宗旨替えをおこないました。
    具体的な行動としては、結婚後、私の実家に行くときは常に日帰りで、妻と一緒に私の実家に泊まることは一回もしませんでした。
    ま~、これは「母との決別」の覚悟を心の中だけで決めたというだけで、実際には、妻と私の母はけっこう話が合うみたいで、それなりにつきあうことはできたのは幸いでした。(母が無理に合わせてくれていたかどうかは今となってはわかりませんが・・・)

    あと、この本の中のもう一つのテーマである宗教性ということでは「日本人は無意識に仏教的生活をしている」という話。これは私には目新しい概念でした。
    しかし、今思うに、それならば、同じように「西欧人は無意識にキリスト教的生活をしている」といえるのではないでしょうか?
    (こんな状態で、日本人と西欧人が結婚できるものだろうか?と私は常々思っています)
    日本人は、キリスト教の日曜礼拝のようにお寺に行ってお坊さんの説教を毎週聞きに行くこともぜずに宗教的生活しています。宗教の勉強不足の一例をあげるなら、ほとんどの人が仏教の創始者のブッタの誕生日がいつでどんな行事があるかを知らないことです。びっくりです。
    「何もしない宗教が、宗教か?」と欧米人が疑問視する、とは、河合さんの言ですが、もっともな話ですよね。
    「今後、欧米人と渡り合うには、日本人はもっとキリスト教を知らなければいけない」と河合さんは他の本でも力説しています。日本人と欧米人の宗教という土台には、はかりしれない亀裂があるのです。
    それを知らずに、表面的に暮らしを欧米化をしたところに、現代の日本人の生きづらさがある、と河合さん言っています。
    この本は、そのことを具体的な症例を取り入れて説明してくれてわかりやすいです。
    生きづらくする要因、いわば「敵」を知れば生きづらい理由がわかってくるし、それを知れば、ある程度安心して生きられるはずです。
    この本の内容は、学校では教えにくいものばかりですが、すごく重要なことが書いてある本だと思います。

    以下、重要だと思われる河合さんの概念を一つだけ引用しました。

    p52 マタイ伝12章には、キリストが肉親としての母をはっきりと否定するところが述べられている。(この間、省略)このような強烈な母の否定の上に西洋の文化は成り立っている。肉親としての母を一度否定した後に、隣人愛としての人間関係が語られるのである。これは言うなれば、血のつながりよりも契約のつながりを重視する文化とも言うことができる。
    これに対して、東洋の国々は未だに母の否定を行っていない。その中で、日本という国は母性を温存しつつ、欧米の文明をいち早くとり入れた特異な国なのである。(西洋のように)宗教的なレベルにおいて母の否定が行われるとき、それによって守られている人々は、象徴的な母の否定が行われた後に、わざわざ実母と血みどろの戦いをする必要がない。事実、多くの宗教的儀式は、人間が自分の内界の深層に存在する恐ろしい元型に直面することを避けるために、人間が見出してきたものとも言うことができる。近代人の合理性は、そのような儀式の非合理性に対して浅薄な挑戦を行い、多くの儀式を否定し、宗教をさえ否定するほどになった。
    このため、現代人は宗教の守りのないままに、無意識界と直面しなくてはならない。つまり、既に例をあげて説明したように、子どもたちは何らの宗教的知識も守りも無いままに、日常生活のなかで観音や鬼子母に遭遇することになるのである。来世における極楽や地獄の存在を否定してしまった現代人は、この世に楽園を築こうとして、逆に家庭の中に地獄を体験することにもなる。
    このように言っても、筆者は既成の宗教が簡単に救いとして役立つとは思っていない。しかし、家族の問題をつきつめて考えてゆくならば、それは自分の内界をあくまで探求してゆこうとするという意味において、本来的に宗教的な問題へとかかわらねばならないことを覚悟すべきであろう。

    0
    2024年01月30日

    Posted by ブクログ

    なぜか長寿の新書『家族関係を考える』。初版は40年近く前。

    内容は、当時の進歩主義によって古くからあった「日本の家族観」を解体したまではいいが、「あとは個人とか自由とかで生きていってください」と言われてしまい、そう言った側も「で、どうしたらいいの?」と右往左往という感じか。
    エマニュエル・トッドとあわせて読もう。

    0
    2019年06月17日

    Posted by ブクログ

    物凄く面白かった。問題のない家族はない。夫婦としての横の繋がり、両親との縦の繋がり、子供との縦の繋がり、叔父叔母、甥姪との斜めの繋がり、そして兄弟関係。核家族や未婚離婚の増加により、個人として自己実現を求める生き方と、家族の中での力動バランスが、劇的な変化の渦中にある昨今、自分はどう生きていきたいか、深く考えさせられた。

    0
    2017年02月16日

    Posted by ブクログ

    相手は自身の鏡というが、
    感覚的に受け取れても、
    自身のこととなるとわかりにくい。

    この反射現象を、現場現象として読みやすい一冊。

    また、自分の生き方として、どう終焉を迎えるのか?
    自分らしい老い方を考えるために、安心できる視点をもらえる。

    ○老人はなにをしなくても、そこに存在するだけで、多くの意味を与える

    そんな社会、地域関係、ご近所関係、家族関係が
    老いた自身の周りにあることを想像する。

    0
    2014年09月11日

    Posted by ブクログ

    家族の問題というのは本当にこの本を読むと
    根深く感じました。
    しかもすごいのは親子間ではなく
    嫁-姑巻の問題もでていたこと。
    (なぜか舅は出てませんでしたがあまり
    軋轢がないからかしら)

    そこに絡む個々の心理が分かってきて
    面白く読ませていただきました。
    と、思うと本当に子育てというのは
    エネルギーの必要なものだということ。

    だけれどもきちんと自分、相手に
    きちんと向き合えれば(隠れた部分含む)
    自分も成長できるものなんですね。

    0
    2013年07月27日

    Posted by ブクログ

    「自己」や「私」には思いの外他人が含まれていて、そのパラドックスに気づかない限り自己実現なんてものは全く馬鹿げたものになる。
    安易に自立を求める人は自分の周囲に犠牲を強要することになる。

    だと。なかなか示唆を与えられる内容だった。家族を自分の中に綺麗に取り込めている人はどれほどいるんだろうね。

    0
    2011年11月20日

    Posted by ブクログ

    女性の社会進出にともなって、「社会の中での女性の地位を男性と機会平等に」「家事・育児もすべて平等に」などの意見をきくことがあるように思う。

    その一方で、性別の違いに伴い、本来果たすべきと期待される役割も異なる面もある。それが一番顕著になるものが「家族関係」「育児」のようなものだろう。

    本書では、人が「家族」として背負っている役割を、どの時代にも通用するマクロな視点から捉えつつ、現代社会で表出している家族間の問題にも言及することでわかりやすく説明している。

    いわゆるハウツー本的なものとは違う、時代性・特殊性などを捨象したシンプルな描写が特徴。


    以下、メモ。

    ・子どもは一般に親の言うことよりも、していることによって教化されるようだ

    ・子どもたちの一見非行とも思われる行為:その両親に既成の枠組みや固定した人生観を超えて、より個性的に「生きる」ことを要請していることが多い

    ・母子の一体感を破るものは父親。子どもは父親を通して「他者」の存在を知る

    ・母性原理は「包含」、父性原理は「断絶」

    ・夫婦はその共通部分を関係の維持のために必要とし、対立する部分をその発展のために必要としている:川の中の2本の杭の話
    共通目標をもって努力しているとき、対立する部分は相補性を担う

    ・母・娘の結合の強さ。同化する。

    ・嫁姑の関係を直線的ではなく範囲的になものとして解説。;関係が関係に関係するの話

    ・きょうだいは他人のはじまり

    ・兄弟喧嘩 親の考えが単層的なことが原因になることも

    ・思考の逆転:
     「おじいちゃんがうるさいから放っておかれる」
     ↓
     「放っておかれるからうるさくなった」

    ・孤立は他人が自分の領域に入るのを拒む。自立は「ゆるぎない自分」を持っているので他の人間が入ってきても大丈夫。大人になっても孤立をつづけたら問題。

    ・物事を批判的に考える:父性原理、いざ行動する:母性原理

    ・息子は父親が高所から安易に接してくるのを拒否したい

    ・自分のエネルギーを機械のそれと考えてはいけない

    ・家族の中心をどこに置くか。:不可思議な中心

    0
    2010年01月25日

    Posted by ブクログ

    良かった!家族関係の心理学を考える上でも良かったし、実際結婚して幸せになるためにも読んでおいていいと思う。あんま取り上げられない、母と娘についての記述もあってよかった。

    0
    2009年10月04日

    購入済み

    本質は古びない

    コロナ禍で改めて家族関係が問われる現在にこそ必要な内容。

    時代背景の違いによる、小さな「違和感」を感じる記述はあるものの、底に流れる、人類の永遠の課題とも言えるテーマは全く古びておらず驚かされました。

    しかしながら、ブックライブ・アプリ(PC)で同書を読むとき、縦書きの長音符(ー)が、中央ではなく右端に偏って表示されるのは何とかならないものでしょうか。

    1
    2022年01月03日

    Posted by ブクログ

    自分の家庭状況に当てはめたら、思いの外当たってる項目があって、家族についてよく考える機会になった。
    若い頃は親を身勝手な人間だと捉えていたけど、親の視点から物事を考えず、自分だけが不幸のように接してたなと読み終わって少し後悔した。
    もう少し早く読んでたら…な世界線もあったかも。

    家に居場所がないと感じて学生時代にいとこの家にお世話になってたのも、擬似的に親をしてもらっていたようなものなのかもしれない。

    色々勉強になりました。

    0
    2025年07月26日

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