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十九世紀末、フロイトによって確立された精神分析学。彼の高弟ユングは後に袂を分かち、一派をなす――。人間存在の深層を探究した彼らの存在は、今なお我々に多大な影響を与え続けている。彼らは何を追い求め、何を明らかにしたのか。二人の巨人の思想の全容と生涯を、それぞれの孫弟子にあたり日本を代表する第一人者が語りつくした記念碑的対談。
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Posted by ブクログ
小此木啓吾、河合隼雄両氏の対談です。治療のことだけでなく、フロイト、ユングについても語られています。フロイトとユングのことを、著作や心理学の入門書で読むよりも身近に感じられた気がします。もっと色々読んでみたくなりました。
フロイト派とユング派、日本を代表する両派の第一人者である小此木氏と河合氏の対談が収録されていて、とてもおもしろかった。教科書や専門書だけでは分からない、フロイトとユングの細かい人物像や、最後の方は日本文化論にも及んで、読み応えがあった。日本文化論のところでは、今の日本が抱える問題点が、両氏が対談した...続きを読む昭和53年のころから何も変わってないと思えたり、またこのころすでに予見されてたりして、そういう点も興味深かった。 ただ、対談、すなわち口語であるので、とても分かりやすい部分と、いまいち伝わりきれてない部分とがあり、その点が少し残念。これからもフロイトとユングのことは勉強していくことになると思うが、折に触れて読み返していきたいと思う。
小此木啓吾 河合隼雄 「フロイトとユング」 第一人者同士の対談。わかりやすい。 フロイトとユングの比較というより ユング、河合隼雄、小此木啓吾 の精神分析理論や 土居健郎の甘え構造、古沢平作の阿闍世(あじゃせ)コンプレックスが フロイトのどこを取り入れ、どこを取り入れなかったのか、対談を 通...続きを読むして 読みとれる フロイトの精神分析理論 *同性愛、禁欲的 *ユダヤ的、父性〜分離と自立 *エディプスコンプレックス *合理主義、個人主義、科学、契約 *コンフリクト〜欲望と本能の対立、超自我と自我の対立 *幻想の克服 ユング *母性原理、理解者 *治療しながら考えて理論化 *無意識の創造性 *宗教的、治療重視 *手工業的、教育して分析家に *超自我の概念はない *コンフリクトより、心には自動調節機能があるように考える 古沢平作(小此木啓吾の師匠)の阿闍世(あじゃせ)コンプレックス *母性により患者と一体化、患者の恨みを解釈するだけでなく、自分が背負わなければならない 土居健郎 甘え構造 *日本人が克服すべきは甘え。父性原理で西洋化するのが日本人の道 河合隼雄 *どうやって父性的なものを意識化させ、母性的なものと統合させるか *母性的な性質を持っていて、それを遂行する強さが父性
30年以上前に出版されたものなのに全然古さを感じない。人が変わらないのか、この二人が本質を見抜いているからか。今でも十分読む価値のある対談であり、もう二度と叶わない対談でもある。
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