Posted by ブクログ
2013年01月14日
本から
男性の無意識に存在する女性像の原型の存在をアニムス(アニマの
男性形)と呼んだ。
アニマ
「内なる異性」を外界へと投影し、現実の異性に対して恋愛感情を抱く。
アニマは男性の心の中の女性的な側面と結びついている。われわれが
真に「結合」をはからねばならぬのは、内なる異性との結合なのである。...続きを読む
アニムス
女性のアニムスが強くなると、それは母性を敵対視する。すべての
ものを同様に包み込んでしまう母性の働きは、アニムスの全てを
区別し判断する働きと、中々両立し難いのである。
アニムスは高い知識や、決断力、実行力などを与えてくれるものである。
アニムスは、もともと根付いた存在としての女性を、高みへと連れ出し、
その存在に形を与えてくれる役割を果たすものである。
アニマ、アニムスの存在によって、実のところ、二人の男女関係は
四人の関係にまで複雑化されるので、男女関係というものは、
思いの他に難しく、不可解なものとなるのである。
自ら投影したアニマ、アニムス像を、自らのこととして引き受けることの
出来る人は、そこに人格の成長を経験することになる。これを「投影の
ひきもどし」と呼ぶ。
人間は一方で安定を欲しつつ、一方では変化を求めている。
苦悩や努力なしに人間が成長することはない。
女性の方が自分が「存在する」。男性は何かを「する」。
「死の受け入れ」こそが、われわれの老年をより生き生きとしたものと
するのではないだろうか。