河合隼雄のレビュー一覧
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ネタバレキリスト教(カトリック)の世界の本にしばらく立ち寄ったのち、河合隼雄のユング心理学に戻ってきた。人の霊性とその表現ということを考える時には、私にはやはりこの分野が一番わかりやすい。
先に読んだ若松英輔・山本芳久『危機の神学』に、「私たちにとって重要なのはイデオロギーではなくコスモロジーなのではないか(註)(第二章)」とし、「コスモロジー」を説くものとしてこの本を引用されていたので、読んでみることにした。
著者は、「イデオロギーよりコスモロジーへの変換が現代において生じつつあると思われるので、明恵に対する評価は(高いほうへ)急激に変化するのではないか」(第二章)としている。明恵は、法然や親鸞の -
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全体的に心の自然さを肯定してくれる温かさがあった。
常識を書いたと言っているが、新たな視点の獲得にも役立つ本だと感じる。
印象に残った箇所
・ふたつよいことさてないものよ
→いい事があれば悪いこともある。悪いことは良いこととのバランスのために存在している。
・自立は依存によって裏付けられる
→ 自立と依存は対立しない。必要な依存が自立を助ける。
一見ストレッサーとなることや、悪い出来事・ネガティブな感情や行動は、排除しようとするのではなく、その中に意味や役割を見いだし、受け入れることが大切で、さらにそれらに自覚的であることも必要。排除しようとしてきたものにも価値があり、それを認めることで -
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海に隠された神秘について。
タイセイヨウサケはグリーンランドの海から、自分が生まれたブルターニュの小川の香りを感知し再び故郷の河口に辿り着くことができる。クジラは特別な海水の温度域を使って何千キロも離れた場所まで自分の声を届け、仲間と歌で呼び交わしている
“耳に水が入った時に聞こえる
「ごぼごぼ」という音の中には
遠くの火山や姿を見せないクジラの歌声の響きが含まれている” (p32)
自分のヒゲをかき鳴らして耳障りな音楽を奏で、捕食者を追い払うイセエビ、歌を歌うクジラ、イワシの群れを見つけて鳴き声を上げ、その場にいるすべての動物を奮い立たせるアジサシ。
“海が僕たちに語りかけてくる。会 -
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小説家・小川洋子さんと心理学者・河合隼雄さんの対談本。
最近、私のなかで対談本が、アツい。
この本を読む前に、村上春樹さんと河合隼雄さんの対談本を読んだ。
宙をただよう概念が、思いもよらぬところで、ふっとつながるような体験が、なんとも快感だった。
その熱量をそのままに、今回この対談本を手にしたのである。
個人的には、次の一節が、心に響いた。
「世界中にあふれている物語を書き写すのが自分の役割だとすれば、私はもうちっぽけな自分に怯える必要はないのです。物語は既にそこにあるのですから。」
小説家・小川洋子さんが、河合隼雄さんとお話しして得た気づきである。
書くときに、人はものを作り出そう -
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最近は対談集をよく読んでいる。この本もその流れで買った。村上春樹と河合隼雄。小説界と心理学界の大御所対談。やはり面白く、読むたびに自分のなかで立ち上がる何かがある。
「深く病んでいる人は世界の病いを病んでいる」という言葉が印象的だった。
病むということは、その人が病んでいる、というよりも、世界や社会、時代の病いをその人が引き受けている、というニュアンスで書かれており、なるほど確かにそうかもしれないと唸らされた。
私はこれまで社会と個人を分けたものとして考えていたかもしれないが、それは渾然一体としているのかもしれない。
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このレビューを書いている現在、衆議院選挙が行 -
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こどもの豊かな発想力や感受性に驚くことがある。私たち大人と言われる人たちも、かつてそうだった。子供と大人は分断されたものではなく、徐々に精神が成熟して、宿命観を持つようになってくるのだ。しかし、子供の時に触れたキラキラした世界や疑問に思ったことはこの歳になっても容易に思い出させてくれる。どうでもいい教科書の暗記は全く覚えていないのに。こどもの時に見ていた、主語が大きくて何事も大袈裟な(三島由紀夫は、幼年時代を時間的にも空間的にも紛糾した舞台である、と述べたがまさにその通りな)世界と、今の見えている世界を行き来できるような自由な精神が欲しい。