河合隼雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ善意というものほど怖いものはない、闇のなかにどれほどの光が入っているのかわからない
身近な人の力になりたいと考え、カウンセリング・マインドを身につけるために購入した。河合隼雄の本は『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』で対談を読んだだけだったが、そのときの話の内容にいたく感銘を受けたのを覚えている。
傾聴、受容が何よりも大切であることを思い知らされる。聞き受け入れることはたやすいことではない。つい何かを言ってしまいたくなる。それは、自分がその人の悩みをともに悩むことがしんどいからだ。ともに悩んでくれ、話を聞いてくれる存在がいてくれるだけで救われるのに。
反省の意を込めて読んだ。大切な人が悩み -
Posted by ブクログ
[僕と私と私と僕と]女が男として,男が女として育て上げられる様子を描いた異色の古典『とりかへばや』。ときに「卑猥」として厳しい評価も受けてきた本作品から,性をめぐる深層心理,そして心象風景を覗き描いた作品です。著者は,分析心理学を専門とし,文化庁長官を務めた経歴も有する河合隼雄。
あらすじを見て,「あ,『君の名は。』っぽい」と手にした作品だったのですが,まず紹介される『とりかへばや』のストーリーがとても興味深い。そしてそれを土台として築き上げられる河合氏による分析がこれまた魅力的でした。
〜平安時代の男性は性関係については抑制がないとしても,知ることに対する抑制があった。それはやはり一種 -
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Posted by ブクログ
無意識に認めたくない劣等感を持っている状態をコンプレックスと呼び、劣等であってもそれを認められていればコンプレックスとは言わない。
その様々なコンプレックスの形についての解説。それを打ち破る為には、大きな犠牲、破壊的な局面を乗り越えなくてはならない場合がある。
『仲間が集ってソフトボールをしようというとき、「僕は下手だから」というので応援にまわったり、ボールひろいをしたりして楽しく共に時間をすごす人は、ソフトボールについて「劣等」であり、それを認識しているが、劣等感コンプレックスをもっていない。この場合、下手なくせに無理にピッチャーになりたがったり、失敗したことで何時までもぶつぶついったりする -
Posted by ブクログ
村上春樹作品は今まで1作しか読んだことなく、これまでストーリーテリング=小説と思っていた私には、何が何なのかよくわからず終わってた。大きく今見方が変わった気がする。
心のタガが少し外れた。
生きるとは自分の物語をつくること、につながった。
2016.6.12
もっとずっと読んでいたい対談だった。お二人の対話で話題は全然関係ないのだが、自分の深い部分が癒やされていくという感覚がある。
最初に読んだ時から今までの間に村上春樹の本は随分読んだ。
夫婦とは井戸堀りというのと暴力性についての項が響いた。
2023.10.7
再読。この対談が書かれたのが30年前。村上氏のこれから暴力の時代がく