河合隼雄のレビュー一覧

  • 紫マンダラ 源氏物語の構図

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    瀬戸内寂聴さんの『女人源氏物語』でも読んだけれど。
    源氏とは主人公のくせに、実態がないんだ。
    また国文学者ではない、精神分析の専門家の読み解きが面白い。

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    2024年05月20日
  • 私が語り伝えたかったこと

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    河合隼雄先生が各地で行った対談、講演などをまとめたもの。
    本書を通じて一貫したテーマがあるわけではないが、各章の中でも一歩掘り下げて語られており、読む人には中々に発見があると思う。

    テーマになっているのは
    ・未来への記憶
    ・アイデンティティの深化
    ・子供の心と現代の家庭
    ・これからは父親の出番
    ・日本の教育の底にあるもの
    ・教師の力 いま、求められるもの
    ・やらなければいけない事は好きになってみせる
    ・こころの自然崩壊を防ぐ
    ・夢の中の私
    ・私の養生訓
    ・日本の心と文化
    ・かくして般若心経は現代人の心を癒す
    ・現代人と宗教
    ・音とこころ

    いいなと思った言葉
    ・何かを選ぶという中には、その代

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    2024年05月15日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    河合さんの本を読むのは2冊目ですが、このおじさん好きだわ。大人が失った、子どものときに持っている力に着目されているところとか、深くお聞きしてみたい。それとか、相手の存在を受けとめる力も見習いたい。
    この方のそういう人間力の根っこに、文学とか人文学的な関心とか経験が大いにあるんだなと実感する。まさに、生きることは、自分の物語をつくること であると、自分に対しても他人に対しても思いながら人と関わっておられるのだなと思った。
    「博士の愛した数式」は映画で観たのみですが、そういう河合さん的な、子どもの力に着目するような読み方をしたら面白そうだと思った。

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    2024年05月03日
  • 人の心はどこまでわかるか

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    この本の対談者は、「閉ざされた心との対話」=心理療法の現場から (上)、「心にある 癒やす力 治る力」=心理療法の現場から (下)、という2冊の本と同じメンバーで、その時の対談者のQ&Aを本にしたものがこの本。
    以下の話が参考になった。

    (河合さんの師匠の)マイヤー先生も、そのときの流れで、カウンセリングが50分のところが1時間になったり、40分でやめるときもありました。そこで私が、「先生はあんまり時間どおりにやりませんね」と言ったら、こんな返事でした。 
    「君は、『カルメン』は三時間だけど、『椿姫』は二時間だから、同じ値段ではおかしいとか、『カルメン』のほうが割安だとか言うかね。そ

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    2024年05月03日
  • こころの処方箋

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    1990年前後の雑誌のコラム?なので、なんとなく語り口から懐かしい昭和の香りがする。臨床の経験を高らかに語るわけでもなく、時折こんなこともあったと例に出す程度であとはつらつらと心にまつわるさまざまなことが書いてある。どれも数ページずつの短いコラムなので、ちょっとした合間にも読みやすい。

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    2024年04月29日
  • 絵本の力

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    ノンフィクション作家は真実を極めるのが仕事だから仕方ないのかもしれないが、柳田さんの自己顕示欲が凄い。絵本好きの教養人とは、ガツガツ感が違うのだ。
    なので、夢を売る絵本出版社社長の松居さんと柳田さんの話は、反りが合わない。
    絵本の目的について、松居さんは「絵本とは、大人が購入するが、子どもに読んで聞かせるもの」と何度も言っているのに、柳田さんは「絵本は、大人の哲学書」と言っていて、1冊毎にウンチクを語っている。それが、松居さんには鼻につくんだろう。やんわり言い返している。
    しかし、それをものともせず、自分の感想を言い続けられる点が、柳田さんの強みなのかもしれない。ノンフィクション作家恐るべし!

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    2024年04月25日
  • 子どもの宇宙

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    臨床心理学者の著書にしては親しみやすいというかファンタジックなタイトルだなと思って買って読んでみたら、出だしから児童文学全開で交えながら子どもの可能性が語られていて、私にとっては好みに合っていて興味深かった。

    人間が興味の対象である点で、心理学も教育学も文学も同じ人文学の中でボーダレスに共存しているのだなということが感じられた。

    また、まさに子どもの宇宙みたいな、子どもの純粋さとか、秘めてる可能性とか、いい意味での未成熟さとか弱さとかを認識することは自分のことを考える上でも大事なことだなと思った。子どもと自分との差分を考えることが、何を得て何を失ってしまっているのか認識するきっかけになると

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    2024年04月21日
  • 大人の友情

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    河合さんの他の本の書いてある友情に関する話題を、集大成したような本。
    今でこそ、欧米などでは、LGBTQであることで人権が阻害されないようにするのが常識化しているが、2005年にして同性愛のことが書いてあるのにびっくり。
    『 同性愛の場合の方が、男役と女役ということが決まっているので、かえって、昔にあった「男女の愛」による安らぎを感じやすい』
    など、心理臨床家として同性愛を擁護する発言もある。

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    2024年04月02日
  • こころの処方箋

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    ネタバレ

    日本のユング派心理学の第一人者である河合隼雄氏が、平易な言葉で綴った55章の「常識」。

    「人の心などわかる筈がない/物事は努力によって解決はしない/耐えるだけが精神力ではない…」
    本書の「処方箋」は、奇抜なものではなく、きわめて「常識」的な内容です。「常識」というと、知っていて当然というか、言わずもがなというか、あまりポジティブに捉えられていないと思います。が、言わずもがなのことを本当に言われないまま大人になると、意外に「常識」が身についていないことがある。本書を読むとそれが沁みてきます。

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    2024年03月31日
  • 昔話の深層 ユング心理学とグリム童話

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    意識と無意識の領域と童話に結びつけた解説。 難解に感じたが、日本と西洋の結婚がハッピーエンドになるかならないかにも触れていて面白かった。

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    2024年03月23日
  • 臨床とことば

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    対談だが、話の主導は鷲田さんの方だと思う。
    鷲田さんは「河合先生」と先生と言っている。河合さんは鷲田さんを名指ししている場面はない、呼ばないようにして喋っている感じ、あんまり仲が、友達的ではない、先輩と後輩って感じ。
    鷲田さんが河合さんを訪ねて会談している感じ。

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    2024年03月04日
  • こころの天気図[新装版] 「自分」を知る146のヒント

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    テーマごとに分かれていて、読みやすかったです。
    特に印象に残ったのは、’第7章 相談する 相談される'です。

    自分が不安定なときほど、相手にいろいろ質問することや、あまり深追いはせずかつ中心をはずさず、ずっとそばにいることの大切さを知りました。 

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    2024年02月19日
  • 宗教と科学の接点

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    心理療法の一時代を築いた河合隼雄氏が、小難しくなりそうなテーマを、飾らない、開かれた心で語っている。読みやすかった。
    たましい、共時性、コンステレーション、死、意識、自然、などなど。
    「意識のスペクトル」が特に興味深かった。

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    2024年02月13日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    河合隼雄と村上春樹がアメリカで行った対談の記録。河合隼雄はユング派だけあってホーリズム的な傾向が強いのだけれど、村上春樹は作家だけあって言語的に理解していこうとする。とはいえ村上春樹もすべて言語に依存して把握しようとする人でもなく言語や精神を支える身体感覚を大切にする人なので、河合隼雄とは波長があって会話が弾んでいる感じが伝わる。
    対談のタイミングが『ねじまき鳥クロニクル』の発表直後だけあって、ねじまき鳥の話が多い。また湾岸戦争やオウム事件との時代的な近さも感じる。ねじまき鳥で暴力や歴史というものが前面に出てきており、その理由を村上春樹は河合隼雄との対話の中で見い出そうとしているようにもみえる

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    2024年01月24日
  • 魂にメスはいらない ユング心理学講義

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    対談集。
    対談のはずなのに本当に講義を聴いているようで。

    心理学の難しさはあるけれど、文章自体はわかりやすい。

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    2024年01月23日
  • スヌーピーのもっと気楽に(1) なるようになるさ

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    ネタバレ

    キュートでクールでユーモアに溢れるスヌーピー。
    良くも悪くも、人間の本質が上手く出ていて、はっとしました。

    気に入った言葉メモ。
    「何を食べてもからだに悪いんだから、何を食べても、からだにいいふりをしなくちゃ!」
    「自分以外の人間になりたいと願いながら、人生を送るのは耐え難いって」
    「君を幸せにするために一生を捧げられると本当に思ったんだけど、うまくいかなくてごめんよ」「どうってことないよ、ぼくはとっくに幸せだったもの」

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    2023年12月14日
  • 影の現象学

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     もとは1976(昭和51)年に単行本として刊行。
    「トリックスター」について調べていて田熊友紀子著『現代のトリックスターと心理療法』(2021)で本書がけっこう言及されていたので読んでおくことにした。
     ユング派の精神分析医・研究者の河合隼雄さんの本は昔から何冊か読んできた。が、どうもユングやユング派の心理学は物語志向が強く、「文学」になってしまいがちな危うさを感じてしまう。ユングを面白がる人も多いのだが、私の場合、どうも良いタイミングでユングに出会えなかったようだ。
     本書は、それでも平易すぎるほどでもなく、臨床例がしばしば具体的に挙げられているので、ずっと興味を持って読み通すことができた

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    2023年11月28日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    心理学者の方は、確固とした強い心を持っているのではないかと思っていたけれども、映画の登場人物に感情移入して批評なんてできない、と言っていたのが印象的だった。
    二人とも全ての事象の本質を決めつけずに、様々な角度からものを考えていくスタイルが似ており、村上春樹の鋭い提案?を、河合隼雄が優しく包み込み、すーっと滑らかに結論づけていくようなイメージだった。

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    2023年09月23日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    ことばを大事にすることを生業にしている2人の対談

    人は誰しも物語を作らねば生きていけない
    小説家はそれを拾い上げ、
    カウンセリングはそれを手助けする

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    2023年09月18日
  • 新装版 おはなしの知恵

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    いろいろな昔話を、ユング派心理療法家の故・河合隼雄さんが読解をしてその深いところを示してくれる本です。

    まずは白雪姫の章。白雪姫が毒りんごのために死と同然の状態になったときの河合隼雄さんならではの深層心理学的な解釈がこちら。
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    かわいかった子が何となく無愛想になり、無口になる。体の動きも重くなったように感じられる。実は、このような時期は成長のために、ある程度必要である。心のなかはこのような状態でも、何とか外面は普通に取りつくろって生きている子も多い。
    このような時期を私は「さなぎ」の時期とも言っている。毛虫が蝶になる間に「さなぎ」の時期があり、その時は、まったく外的な動

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    2023年09月04日