河合隼雄のレビュー一覧

  • 魂にメスはいらない ユング心理学講義

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    対談集。
    対談のはずなのに本当に講義を聴いているようで。

    心理学の難しさはあるけれど、文章自体はわかりやすい。

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    2024年01月23日
  • スヌーピーのもっと気楽に(1) なるようになるさ

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    ネタバレ

    キュートでクールでユーモアに溢れるスヌーピー。
    良くも悪くも、人間の本質が上手く出ていて、はっとしました。

    気に入った言葉メモ。
    「何を食べてもからだに悪いんだから、何を食べても、からだにいいふりをしなくちゃ!」
    「自分以外の人間になりたいと願いながら、人生を送るのは耐え難いって」
    「君を幸せにするために一生を捧げられると本当に思ったんだけど、うまくいかなくてごめんよ」「どうってことないよ、ぼくはとっくに幸せだったもの」

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    2023年12月14日
  • 影の現象学

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     もとは1976(昭和51)年に単行本として刊行。
    「トリックスター」について調べていて田熊友紀子著『現代のトリックスターと心理療法』(2021)で本書がけっこう言及されていたので読んでおくことにした。
     ユング派の精神分析医・研究者の河合隼雄さんの本は昔から何冊か読んできた。が、どうもユングやユング派の心理学は物語志向が強く、「文学」になってしまいがちな危うさを感じてしまう。ユングを面白がる人も多いのだが、私の場合、どうも良いタイミングでユングに出会えなかったようだ。
     本書は、それでも平易すぎるほどでもなく、臨床例がしばしば具体的に挙げられているので、ずっと興味を持って読み通すことができた

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    2023年11月28日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    心理学者の方は、確固とした強い心を持っているのではないかと思っていたけれども、映画の登場人物に感情移入して批評なんてできない、と言っていたのが印象的だった。
    二人とも全ての事象の本質を決めつけずに、様々な角度からものを考えていくスタイルが似ており、村上春樹の鋭い提案?を、河合隼雄が優しく包み込み、すーっと滑らかに結論づけていくようなイメージだった。

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    2023年09月23日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    ことばを大事にすることを生業にしている2人の対談

    人は誰しも物語を作らねば生きていけない
    小説家はそれを拾い上げ、
    カウンセリングはそれを手助けする

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    2023年09月18日
  • 新装版 おはなしの知恵

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    いろいろな昔話を、ユング派心理療法家の故・河合隼雄さんが読解をしてその深いところを示してくれる本です。

    まずは白雪姫の章。白雪姫が毒りんごのために死と同然の状態になったときの河合隼雄さんならではの深層心理学的な解釈がこちら。
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    かわいかった子が何となく無愛想になり、無口になる。体の動きも重くなったように感じられる。実は、このような時期は成長のために、ある程度必要である。心のなかはこのような状態でも、何とか外面は普通に取りつくろって生きている子も多い。
    このような時期を私は「さなぎ」の時期とも言っている。毛虫が蝶になる間に「さなぎ」の時期があり、その時は、まったく外的な動

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    2023年09月04日
  • 宗教と科学の接点

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    ネタバレ

     心の治療と宗教との繋がりとは何か。共時性という「治療現場、治療過程において時を狙ったかのように啓示的な事が起きる事」をどうみるか。
     日本人である河合隼雄が、海外で心理療法を会得する際に感じた事、悩んだ事、考えた事などがベースとなって、色々とこの書で書いたようである。

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    2023年08月20日
  • こころの処方箋

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    人の心などわかるはずがない
    ふたつよいことさてないものよ
    楽しいことをする
    道草によってこそ道の味がわかる
    1人でも2人、2人でも1人で生きるつもり
    たましい
    「幸福」になるためには断念が必要

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    2023年08月05日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    村上春樹は、絶対悪とか、絶対善みたいな共通認識が固定されてしまうことをよくないと考える人なのだと漠然と感じた。

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    2023年08月01日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    何となく手に取り読んだ本。

    何となく、ではあったけれども、
    「人の話を聴くこと」や「物語を書くこと」、
    そこにあるものに気付き、とらえることのお話など、
    惹き込まれてあっという間に読み終えました。

    『博士の愛した数式』を読み返したくなりました。

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    2023年07月31日
  • 河合隼雄の幸福論

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    臨床心理学の視点からの幸福論。
    体系的な内容ではないがゆえに、誰にでも刺さる部分があるのではないだろうか。
    簡単な事ではないが「自分自身にとって幸福と感じられるかどうかが問題」という言葉を受け入れて行動してみたい。

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    2023年07月16日
  • 河合隼雄の幸福論

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    河合隼雄先生が亡くなって16年が経つ。かつて講義を受けたことがあり、懐かしくもあったので手に取った。

    30年近く前にかかれたせいか、はじめは古さを感じた。けれども、後半、「共鳴するからたましい」あたりから、だんだんとピッタリくるように感じる。ひとつに賭ける、昇りつめた幸福、生きにくい子、二人の女性、ゆとりのある見とおし、音のない音。

    あとがきはご子息である河合俊雄さん。同じく心理臨床家であるので、これ以上の適任はいないということかと思う。しかし、自分の父親を推す息子はそうそういないのではあるまいか。外の顔と家族から見る顔は、違うものだから。それだけに、稀有な存在だったということかもしれない

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    2023年07月16日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    決して上からでなく、対等の人として接する河合先生だからこそ、悩める人たちを多く治されているのだろうと思うけれど、ご本人は決して私はただ聴くだけ、そこにいるだけで、ご本人がご自身でと治されると言われる。小説と思うほどの奇跡も沢山経験されていて、人間の治癒力の可能性を信じられている。それは人を信じているこそなんだなぁ。

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    2023年06月29日
  • 無意識の構造 改版

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    無意識についての全体像が分かりやすく説明されている。
    特に自我と自己についての捉え方は、禅の教えに繋がるものを感じてもう少し知りたいと思った。
    でももう一歩知りたいところまでは書かれないからユング心理学入門を読もうかなと思った。

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    2023年06月15日
  • 影の現象学

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    村上春樹の作品と合わせて読むと尚面白い。
    もはや解説本みたいに思えてくる。

    読んでみて、自分を捉える視点が増えた気がする。
    影の存在を認めながら、道化の言葉にも耳を傾けて、柔軟に自分と向き合っていきたい。

    河合隼雄の他の作品も読んでみたくなったし、ユングのことをもう少し知りたくなった。

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    2023年06月13日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    2人の対話は、単純に面白かった。この中に、「ねじまき鳥クロニクル」と「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」への言及があった。いずれも読んでない。長編最新作を読み始めていたのだが、まあまて。このどちらかを先に読もうと思わせてくれた。

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    2023年05月20日
  • 昔話の深層 ユング心理学とグリム童話

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    河合隼雄によるユング心理学を用いて昔話のテーマを理解しようという内容。色々復習になって面白かった!

     第3章の途中を読みながら「ヘンデルとグレーテル」の保護者が継母なのは、受け入れ難い母性の否定的な部分を隠すためなんだろうなって思ってたらそのままのことがその後に書いてあった。

     第3章5節の昔話について、それまでの河合先生の解釈を参考にした僕なりの解釈としては、盲目である弟がそのアニマ(姉)との対決による自己実現の過程(ユングの定義)を描いたものではないかなとおもました。弟が盲目なのはは知ることの危険から身を引くことことを意味し、古いアニマ(姉)を殺す(自己実現の過程には「死と再生」が付き

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    2023年04月15日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    臨床心理学者 河合隼雄先生と小川洋子さんの間で2005年と2006年に行われた対談。河合さんは2007年に死去され、氏にとって最後の対談となった。小川さんの長い後書きによると、本当は続きがあるはずだったらしく残念。
    箱庭療法、源氏物語など、いろいろな話題から物語とは何かを語っている。カウンセリングで患者と対峙する場面についての河合さんの話からは、一筋縄ではいかない優しさが伝わってきて感動した。読んでいると温かい気持ちになれる一冊。

    最も印象に残ったのは、長年、「なぜ小説を書くのか」色々な人から問われ続けてうまく説明できなかった小川さんが、”内面の深い部分にある混沌は論理的な言葉では表現できな

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    2023年03月09日
  • 〈物語と日本人の心〉コレクション Ⅲ 神話と日本人の心

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    ネタバレ

    ・科学の知は「私は何か、どこから来てどこへ行くのか」という根源的な問いに対して答えてくれるものではない。 
    ・人間は「物語」なしには生きていけず、神話が信じられているところでは人々は安心して死を迎えることができる。
    この部分から非常に納得。あまりにも様々な事を知りすぎてしまって、神話や伝承を信じられるわけではなく、けれどもぼんやりと不安で孤独なのが現代人の苦悩なのだろうな、と思う。

    ・各個人が自分の生活に関わりのある神話的な様相をみつけ、生きる中で自分の物語を作ること。
    ナラティブセラピーの物語る事の重要性にもつながるように感じた。

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    2023年02月25日
  • 読む力・聴く力

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    河合隼雄、立花隆、谷川俊太郎による対談と、各人の執筆とが収められている。
    BOOKOFFオンラインで購入。
    三者三様のスタンスから「読む」、「聴く」ということを論じていて面白い。
    対談は噛み合っているのか噛み合っていないのかよくわからない。

    2015年第1刷発行。少し前の本。河合隼雄も立花隆ももう今ではお亡くなりになっている。

    立花隆はあまり好みではないし、谷川俊太郎はつかみどころがない。言ってることが共感できるのは河合隼雄くらい。

    でも少し前の当代一流の心理学者と文筆家と詩人が集まっているわけだから読んでおきたかったのです。

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    2022年12月28日