河合隼雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
可愛い魚のイラスト、そしてユーモアを交えたイワシやその他の魚たちの生態系や人間との関わり。
著者のビルフランソワ氐は、若干二十代のフランスの物理学者であり、自然保護活動家でもあるらしい。
2019年の仏でのスピーチ大会で優勝に輝いたのが25歳の著者で、題材にしたのが「イワシの雄弁術」。そして本書の出版権利を手にしたらしい。仏で高く評価されているだけでなく、蘭、独、伊、葡、波蘭、英語に各翻訳されているとのこと。
以下の章で構成されているけど、海の生き物たちの生態を元にした物語が、本人の回想や自然科学や歴史のエピソードと一緒に紡がれる。
そんなに魚な好きなのね。
いくつか面白いなと思ったこと。但し事実なのかは不明。
·我々の先祖がサルと違う形で進化してヒトとなったのは、水中ではないか。何故なら体毛が薄く、他の陸上動物より圧倒的に多い皮脂腺によって皮膚が油脂分で覆われている。新生児は反射的に水中で息を止めて仰向けに浮かぶことが出来るが、チンパンジーは沈む。
·鮭などが産まれた河に戻るのは香りを追いかけて。
·魚たちは会話をしている。ナガスクジラの仲間は10~35Hzの周波数でコミュニケーションを取っているが、1989年 52Hzのクジラの声を受信した。このクジラは返事を期待出来ないのに呼び掛けているのだ。「52ヘルツのクジラたち」と言う感動の物語を思い出しました。
·カタクチイワシは産んだばかりの卵と餌になるプランクトンを区別出来ず、3割ほど食べてしまう。ノーザンパイクは子どもが成長したところで食べてしまうだけでなく、産卵から暫くたつと、ツガイのオスを食べてしまう。
·カキは砂粒が殻の中に入ると出してしまうか、砂粒を回転させて真珠層で覆う。砂粒は少しずつ真珠層に覆われて丸い形になり真珠になる。
·モトアカウオと言う魚は恐らく100年以上生きる。アブラツノザメは2年以上妊娠しており、恐らく動物界でも最長だ。
·ムール貝はプランクトンを食するために、1日65リットルの水を濾す。また足糸と言うフッ素樹脂にもくっつくほどの、とんでもなく粘着力の強い繊維の束で岩に貼り付く。
等々。
プロローグ
1 魚はみんなしゃべっている
2 音が絶えない世界
3 イワシのように詰められる
4 小さい魚もやがて大きくなる
5 貝と甲殻類
6 今日のおすすめ
7 魚の絵を描いてみよう
8 道路の下のうなぎ
9 シー・サーペント
10 海は鏡
11 海との会話
12 よいマグロを見つける
13 終わりは……魚のしっぽのようにすっきりと
エピローグ -
Posted by ブクログ
ネタバレトリックスターという存在は河合隼雄先生の著書でよく語られているので、他の著書を読んでいると頭に入ってきやすい。
あくまで主体は子どもで、問題解決のための場がやってくるのを大人は待つのみという部分、頭で分かっていても実行するのは難しそうである。
また、少し考えればおかしなことも教育者が口にすればまかり通るという恐ろしさについて言及されているが、納得できる。教師は勉強を教える能力だけでない知恵を備えている必要があると感じた。そして、教師の人手不足が問題視される今日において、そのような先生はとても少ないのだろうと思った。
子どもの尊さについて学べる本。 -
Posted by ブクログ
・タイトルがいいな〜と思って購入したけど、心配されそうで、いつもいく喫茶店のカウンターでは表示を隠して読んだ。
・大人になってからの友人の作り方、といったノウハウを求めて読むものではない。本全体を読んだ時子どもの頃からアップデートすることなく持ち運んできた硬くなった「友人」「友情」のイメージがぼやけるような、意図的にコリをほぐしてぼやかせられるような本。
・友人とは夜中に死体を車のトランクにつんで現れた時黙って話を聞いてくれる人、というのはわかる気もするが、割と映画なんかだとよくみるシーン。
・小林秀雄と中原中也、田辺元と野上弥生子のエピソード好き。 -
購入済み
本質は古びない
コロナ禍で改めて家族関係が問われる現在にこそ必要な内容。
時代背景の違いによる、小さな「違和感」を感じる記述はあるものの、底に流れる、人類の永遠の課題とも言えるテーマは全く古びておらず驚かされました。
しかしながら、ブックライブ・アプリ(PC)で同書を読むとき、縦書きの長音符(ー)が、中央ではなく右端に偏って表示されるのは何とかならないものでしょうか。 -
Posted by ブクログ
コンプレックスとは、無意識にある感情を伴った心的複合体で、意識・自我に様々な影響を及ぼす。それは個人の経験や外的環境に左右されており、自我と対をなし、抑圧されたり暴走したりする。意識されない領域が存在するということ、一定の統一により安定している自我に対し、影としてあるコンプレックスを意識し統合することで、より高次元の自己実現を促す構造は、人の成長にとって重要。人が成長する過程で親や性別は条件として存在しているし、地母などの元型・普遍的無意識についても、人間という根本的な構造がある限り、普遍的に共通する何かがある、という考察はその通りだと思う。
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い。心理学専攻だったのに河合先生の本は初めて読みました。
コンプレックスとは無意識下に存在しており何らかのきっかけで自我に影響を与える。もう1人の自分と言っても過言ではない。
コンプレックスは必ずしも悪ではなく、自我とうまく統合することができたら、今までよりもっと自我は成長する…。
言葉が難しくなくてわかりやすく、都度患者さんの事例が出てくるので面白くてどんどん読んでしまう。夢の事例がとても面白くて、これから自分も夢を見た時に分析したいなと思った。
コンプレックスは悪だと思っていて、解消されないものだとも思っていたが、自分で苦しみながらも受け入れることができれば少しずつなくなっていくかもしれない。
多分わたしは多くのコンプレックスが入り混じっている。紐解いていけるようになりたい。 -
Posted by ブクログ
大人になると欲しいと思っても、なかなかできないのが友人。
そしてある時に何よりも代えがたく感じるのが温かな友情。
そんな大人になってからの友情というものに焦点を当てた本書。
学術的内容というより河合先生自身の体験から述べられたエッセイのような内容。
目次は
・友達が欲しい
・友情を支えるもの
・男女間に友情は成立するか
・友人の出世を喜べるか
・友人の死
・「つきあい」は難しい
・碁がたき・ポンユー
・裏切り
・友情と同性愛
・茶呑み友達
・友情と贈り物
・境界を超える友情
いいなと思った考え
・目的や理想を同じくする絆は仲間や同士であるが、友との絆は「生きていること」とでも言いたくなる。
・互いに死すべき者と感じるとき、この世のあらゆる評価を超えて、束の間のこの世の生を共にしている者に対する、やさしさが生まれてくる。
・友情で大切なのは「真実」と「優しさ」であるが、それは目指すべき星であり、到達することは無い
・他人に愛想を尽かしているときはまだいいが、自分自身に愛想を尽かすと人間は動けなくなる。そして、そこから出てくる答えとしては死以外にないとした。
・人間の感情には、激しさと深さという二側面がある。激しさは目に見える行動に結びつきやすく、他人から見てもよくわかる。
深さの方はすぐにわかるような行動と結びつかないので一見すると認めにくいが、永続的な行為として示され、それは他からの力によっては変え難い。
・現代は下手をすると、なんでも思いのままに支配し、操作できると錯覚し、その結果大変な孤独や閉塞感に悩まされることになる。