河合隼雄のレビュー一覧
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河合隼雄『こころの処方箋』には、
心理療法家としての数多くの臨床経験に裏打ちされた、
55編の「生きる知恵」が綴られている。
きっと読む人によって、
読むタイミングによって、
刺さる箇所が変わると思う。
いまの私に特に刺さったのが、
「強い者だけが感謝することができる」という章。
私はおそらく、
まだ本当の意味で、
誰かに感謝したことがない。
「あの人に救われた」と思う人は何人か浮かぶ。
でも当時の私は、
自分に余裕がなく、
建前の感謝しかできなかった。
だからこそ、
いつか心の底から誰かに感謝できるような、
強い人になりたいと思った。 -
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もともと論文をまとめた『心理療法論考』に他に発表したものを追加したということで、かなり心理学的に詳しい内容となっているが、詳細な事例研究が多く、難解といわれるユング心理学について、わかりやすく書かれていて、大変引き込まれた。
p242
「すべての問題が幼時の経験へとさかのぼって関連づけられるとは限らない」
p318
「一つの夢に対するとき、まずそれはいかなる自我の状態を補償せんとして生じたものであるかを考えてみる」
p542
「現象を全体としての布置としてみるとき、われわれの頼みとするところは、このような事態の意識的な把握によって、人間はその強力な布置から抜けでることができるということで -
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自分が不惑を迎えることもあり、また疲れた時は河合隼雄が効くとどこかで見かけたこともあり手に取った本。内容もさることながら、一つの物語からこんなに多くのことを考えたり読み取ったりすることができるのだなぁ、ということにまず感動した。紹介された本で読んだことがあるのは砂の女だけであり、あらすじだけ読んだだけならまず読もうとしなかった本ばかりである。この解説を読んで、特に漱石の小説は読んでみたいなと思った。門や道草などの潜在的なXや自分はなんなのかという根源的な問いには引き寄せられるものがあった。中年って第二の思春期みたいなものなのかしら。若い頃、第一の思春期の時は黒か白か、善か悪か、のような二元論し
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面白かった。河合隼雄先生の本はよく読んでいたけど、この本で先生の知識の広大さ深さを初めて知った気がする。
シェイクスピア作品というだけでもいろいろ深いのに、河合先生が一刀両断に解釈するのが痛快。
心理学系の本より自由に語っている気がする。
この本を読むために「リチャード三世」(超簡易版)を読んだけど、演劇も見たいな。
p163
「自分自身になるのは死ぬ時ですよ」
「永遠の少年はね、自分自身でありたいなんて安易に思うわけですよ」
p179
「次男は特に権力への意志が強くなると、アドラーは言っています。それから劣等感」
p188
「大体、善人というのは反省しない。これが一番怖いです。(中略) -
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河合隼雄さん、小川洋子さん、お二人の作品は読んだことがあり、どちらも好きだったので、二人の対談ということで楽しみに読んだ。
この本を読んで強く感じたのは、物語とは単なる娯楽ではなく、人が死や別れ、後悔や矛盾といった、理屈だけでは受け止めきれないものと折り合いをつけるために必要なものなのだ、ということだった。
特に印象に残ったことは大きく三つある。
一つ目は、現代では「死」が日常から遠ざかりすぎているということだ。
本の中で語られる「やさしさの根本は死ぬ自覚だ」という言葉が強く心に残った。医療の発展や生活の便利さによって、私たちは普段、死をあまり意識せずに生きている。特に、親しい人が死ぬこ -
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人間とかその心理って複雑に考えてしまいがちなのだけど、こうして読むとある程度根源的な欲求や心地の良い生き方というのは類型化できてしまうものではないのかという気になった 脳みそというのは精密なもののようで意外と騙されやすいというか
先生をやっている友人から職場に関する悩みを聞いていたときに真っ先にこの本のことを思い出した
講演での内容をそのまま文字起こししたものなので、普段の本を読む感覚で読み始めると少しびっくりして馴染むまでに時間がかかったけれども、文字起こしだからこそ感じられる先生のお人柄や軽快な口調など、文字から温もりが溢れてる感じがして良かった
もっと若いときにも一度読んでみたかったし、 -
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「物語」は今年少し強めに関心を持ってみようかなと考えているテーマの一つ。まずは導入ということでこちらの本から。何の気なしに手に取りましたが河合隼雄さんの最後の対談本で、しかも途中で終わってしまっていたものだったのですね。『ブラフマンの埋葬』を題材にした会話はぜひ読んでみたかったので残念ですね。
物語というものが持つポジティブなパワーについては既に学んでいたり実感している部分もあるのでそういう意味では心理師としての河合さんのいう物語の効用についてはまぁそうだよね、という感じで、むしろ小川さんの物語ることに対しての使命感のような感覚や創作についての感覚が面白かった。今後探っていきたいのはむしろ物語 -
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ファミリーからのデタッチ
小説はまだ力を失っていない
いわゆる現実を盲信することはない
世の中には偶然がたくさんある
源氏物語でいう怨霊はあくまで装置ではなく現実
まさに、
潜水について書いた時、ジャック・マイヨールの名前を出したが、この本の中でも河合先生から彼の名前が登場した
言語化しづらい物語が持つ作用を、言語化するためにではなく、ただ語っている
個人の問題(≒0人称と二人称の問題)、創造と精神の問題
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メモ
韓国のファミリー・エゴ
日本のフィールド・アイデンティティー
人間はある意味では全員病人であるといるし、またいわゆる病んでいる人であっても、それを表現でするだ -
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決して何かを決めつけない
簡単に判断を下さない
分からないということを理解している
連載をまとめたものなので、学問的なパッケージにはなっておらず、一つ一つの篇も短いが、易しい語り口で「フム、フム」と思わされる
世間的な論と、その反論を述べた後、自ら仲裁して、自身の経験や意見(結論ではない)を書くスタイルが徹底されている
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メモ
自分がやりたい、好き、と思うことは、やはりそれだけの意味があるもの
ものごとは努力によって解決しない
努力を放棄して平静でいることはもっと難しい
自立は依存によって裏付けられている
裏返しの関係ではない
逃げるときはもの惜しみしない
どっぷりつかった