河合隼雄のレビュー一覧

  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    読みながら、第六感(?)みたいな、普段とは別の、心の深いところにある感覚がゆっくり目を覚ますような感じがしました。「黙っていられるかどうか」という章が特に印象に残っています。誰かにに寄り添うこと、心を通い合わせることは、シンプルでいて、でもとても繊細で、分かりにくい、「あわい」ということ。簡単ではない。それを本当に分かっているお二人だと思いました。

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    2025年08月09日
  • こころの最終講義

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    臨床心理学者・河合隼雄さんが京都大学を退官されたときの最終講義を中心に、五つの講義や講演を採録したもの。タイトルが『こころの最終講義』とされていますが、もちろん著者にとっての最終講義ではなく、あくまで京都大学での最終講義という意味です。

    まずコンステレーションについて語られていきます。コンステレーションはそのままでは星座という意味になりますが、ユング派心理学の用語だと違った意味になります。こころの中にあるなんらかのかたまり・複合体(コンプレックス)を、言語連想などでぽつぽつと出てきた単語を元に探っていくのですが、その単語を点として結んでいって象られていくといったものがコンプレックスであり、象

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    2025年07月30日
  • 家族関係を考える

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    自分の家庭状況に当てはめたら、思いの外当たってる項目があって、家族についてよく考える機会になった。
    若い頃は親を身勝手な人間だと捉えていたけど、親の視点から物事を考えず、自分だけが不幸のように接してたなと読み終わって少し後悔した。
    もう少し早く読んでたら…な世界線もあったかも。

    家に居場所がないと感じて学生時代にいとこの家にお世話になってたのも、擬似的に親をしてもらっていたようなものなのかもしれない。

    色々勉強になりました。

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    2025年07月26日
  • モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略

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    今までにない視点。シグナリングがポイントだろうけど、文化の違いからか、なかなか難しいかな。筋トレ、栄養、睡眠。この3つは何にでも書かれていると思う。シグナリングが具体的ならなおいいのに。

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    2025年07月13日
  • モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略

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    なかなか良い本であった

    著者の主張
    ①女性の性愛の選択は進化の過程でどのように「設計」されてきたのか。
    ②女性が(無意識に)魅力を感じる「特性」にはどのようなものがあり、それをどう身につ
    けるか。
    ③その特性をどうやって効果的に「シグナリング(賞伝)」するか。
    の順にクリアしていけば、ごく自然にモテるようになる

    Part0
    モテを実現する5つの原則
    第一の原則:科学にもとづいて決める(先入観には頼らない)
    第二の原則:女の子の視点を理解する
    第三の原則:自分の魅力を装備する
    第四の原則:正直であること (自分自身にも相手にも)
    第五の原則:ウィンウィンの関係を築く

    5段階のプロセス
    1.

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    2025年07月07日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    心理学フィールドにいる私にとって河合隼雄の存在感は大きく、言わずもがな現代における村上春樹の影響も大きいわけで、この本が1998年に出版されたということに気づけなかった。

    スマホも、(少なくとも今のような)インターネットも無い時代で、コロナの経験も持ち合わせていない。対談の中で掘り下げられる生き方は、今のそれとは大きく違う。そして何より大きな違いは、当時の「臨床心理士」、心の専門家の社会の中での位置付けかもしれない。人のあり方を、心や行動に還元せずに全体として、あたかも唯一の答えがあるかのように語り得る専門家が、この時代には存在していたのだろう。

    時代を超えて読みに耐える普遍性を携えた一冊

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    2025年06月26日
  • 子どもの宇宙

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    忙しい日々に追われてつい忘れがちな、子どもの中にある広大で複雑で秩序ある宇宙の存在を尊重できているか?と省みるきっかけになった。

    児童文学の名作の中に子どもの宇宙の本質を読み解く切り口も面白いし、臨床心理学の第一人者の言葉はやはり重い。

    【大人はよく忙しいと言うけれど、それはこの世の儚さを実感するのを避けるために、忙しさの中に逃げ込んでしまっているのかもしれない。子供たちの時空を超えた世界の債権は、我々大人にとっても教えられるところの大きいものである。】

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    2025年06月08日
  • 河合隼雄のカウンセリング教室

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    ネタバレ

    「四天王寺カウンセリング講座」の講演記録の一部。カウンセリングと時間・人間関係・倫理・家族・友情の5章にわかれている。
    わかりやすい言葉で読みやすい気がするんだけど、よく読むと書いてあることは深いし難しい。日々の暮らしや仕事で少しでも実践できたらいいなと思う。

    ・大事なのは言葉で言うことではなくて、自分の態度がどんなに開かれているか、どれだけ待つほうに傾いているか。
    ・カウンセリングというのは「治してあげる」ではなく、その人がもつ自分の潜在的な力で治るようにするということ。クライエントはものすごく努力して苦しみと闘って、自分でやり抜いていかないと治らない。

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    2025年06月08日
  • 河合隼雄の幸福論

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    「幸福ということが、どれほど素晴らしく、あるいは輝かしく見えるとしてもそれが深い悲しみによって支えられていない限り、うわついたものでしかない、ということを強調したい。恐らく大切なのはそんな悲しみの方なのであろう。」
    生あるものは必ず滅し、形あるものは必ず壊れる。望んだものが手に入ったという幸福は、どんな形であれいつか必ず終わりがあることを内包している。あるいは、自分がその幸福を授かった裏には、その恩恵を受けられなかったたくさんの人がいるのかもしれない。
    そうしたことを意識したうえでの幸福は、なんと重みを増す事であろうか。手放しで喜ぶ方が、爽快に違いない。しかし、そうすると幸福にしか目のいかない

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    2025年06月02日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    知の巨人二人の対談であるので、
    正直言って分かったような分からぬような部分も多々ある。
    が、そのように「なんとなく分かるような気がする」という感覚も時には重要だろう。

    30年近く前の本であり、
    内容的には阪神大震災やオウム事件を多くクローズアップしているが、
    現代日本の諸問題の多くはすでにこの頃に始まっていた。

    曖昧さを良しとする情緒的な日本文化と、論理的なアメリカ文化。
    夫婦関係、箱庭療法に対する姿勢、言語の持つ力など、
    お二人はさかんに2つの文化の違いを強調するのだけれど、
    私は実は似ているのではないか、という気もしている。
    ただし、空気に支配される日本がより問題なのは明らかだ。

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    2025年05月15日
  • こころの処方箋

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    タイトルが有名過ぎて読んだ気になっていた。

    ふたつよいことさてないものよ。
    きっと逆もまた真なのだろう。
    悪いことだって続かないはず。
    人間万事塞翁が丙午、吉兆はあざなえる縄のごとし、
    その心持ちで過ごしていれば、少しは冷静でいられる…のか?
    良いことがあった時に手放しで喜べない気もするのだけれど、喜んだ後に兜の緒を締めよってことか。

    自立の話など刺さるエピソード満載のエッセイだった。

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    2025年05月10日
  • モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略

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    長い目で見た時に嘘は邪魔になる。
    自分にも正直であること。嘘をつくと自身のことをくだらない人間だと深層心理で感じてしまう。

    正直もので倫理的なapproachで対応するべき。

    身体面ではシェイプアップを目指す。
    そして身体を使う趣味や活動的なデート、チームスポーツもいいですね。結構男らしい要素が大切であることも書かれている。

    そういう意味では非言語的振る舞いやスポーツとかは有利ですね。

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    2025年05月03日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    ネタバレ

    夫々小説家/心理学者の著者による対談集。明確に語られていたわけではないが、ぼんやりと感じたのは「物語が論理的(分解的?)/静的なアプローチを補完する場合もある」ということ。分析とは分けることである、と言われるように、所謂科学的アプローチが日常の仕事にまで染み込んでいる現代について、少なくとも自分は癖として物事を切り分ける/個別事象を理解する/最後に各事象を結びつけるという思考を踏んでいる。これはこれで間違いではなく、むしろ特定の人々からは推奨されるものであるとも思うが、どうしても細部を捨象したり、全てが意図性を持ってしまうきらいがあるとも感じる。一方物語は、明確なメッセージを持たない場合(意図

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    2025年04月29日
  • こころの読書教室

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    「自我の知らない無意識の世界というのがあって、それを探索することが大事」
    「人間は自分の知っている限り、自分は自分のことをわかっていると思っているけれど、それを超えて、もっと全体としての中心、自己がある。その自分も知らないような自己をいかに実現するかというのがその人の一生なのだ」というユングの考えに基づいて、自分の知らない自己やそれへの理解(自己実現)について様々な角度から描かれている本を紹介している。
    自分の知らない自己をいかに実現していくかというのは、自分の望むべき方向に向かって自身をコントロールしていくという従来の自己実現とは意味が大きく違う。自分の中にも、自身でコントロールできないエリ

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    2025年04月16日
  • こころの処方箋

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    河合隼雄の本。とても面白かったです。
    人生のいろいろな場面における心の持ち方、喜怒哀楽のさばき方を、丁寧な解説とやさしい例をもって解説してくれます。非常にわかりやすいです。
    過去のもやもや感があったときには、この本を通してある程度スッキリしそうです。
    未来のいろいろな局面でも、この本の内容をしっかりと見に付けて、うまく反応できるように在りたいものです。
    それ以外では、年令を重ねて経験を積むことで、様々な解釈の仕方が身についていくような気がします。

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    2025年04月06日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    村上:ほくは夢というのもぜんぜん見ないのですが
    河合:それは小説を書いておられるからですよ。谷川俊太郎さんも言っておられました、ほとんど見ないって。そりゃあたりまえだ、あなた詩を書いているもんって、ぼくは言ったんです。
    村上:夢を見ないものなのですか、別の形で出していると。
    河合:やっぱり見にくいでしょうね。とくに「ねじまき鳥クロニクル」のような物語を書かれているときは、もう現実生活と物語を書くことが完全にバラレルにあるのでしょうからね。だから、見る必要がないのだと思います。書いておられるうえにもう無理に夢なんか見たりしていたら大変ですよ。

    創造力が必要な職業の人とは逆に、きつい現実社会にい

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    2025年04月06日
  • こころの処方箋

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    著者自身の確信に裏付けられた、悩みへのアドバイス集。著者の日々の仕事から得られた深く広い見識が垣間見える。

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    2025年04月06日
  • 大人の友情

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    大人になってからの友人の作り方、ではなく友情について色んな側面から作者のの思いや考えを綴った本。とても読みやすい。

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    2025年04月05日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    タイトルに惹かれて購入したけど、お二人の対談でこんなに心温まるとは、、人生に正解を求められる世の中だけどそんなことないと改めて。生きるのがしんどい時や、「こう生きなきゃ」と縛られる人に読んでほしい。答えは書かれてないから、自分に問いかけながら読み進めていくのが◎肩の力を抜くヒントになります。他者との関わりの中で人生(物語)は変わるし、人生=物語って言葉が大好きです。

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    2025年04月02日
  • ライ麦はもともと小麦に間違えられた雑草だった~食材と人類のウィンウィンな関係~

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    面白かった! 植物学・動物学の知識ゼロの私でも楽しめたから詳しい人が見たらもっと面白いだろうと思った。
    個人的に面白かったエピソードは植物の花に関するもの。キリスト教的価値観で花の受粉が性的なものとみなされ、受粉が18世紀まで認めてられなかったことが興味深かった。

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    2025年03月31日