河合隼雄のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
子どもの想像力や発達のエネルギーのようなものについて、様々な児童文学や絵本、心理実験等を基に考察している。
本書では幼児から高校生まで幅広い子どもが取り上げられていて、発達段階に応じた、特徴的な出来事から子どもの心の世界・宇宙に起きている現象を見ることができて面白かった。
実際に子育てしていると内容に本当に共感できそうな気がする。
自分自身の子ども時代に重ねて読むことができる部分も多くあり、「こういうことかな~。」と想像しやすかった。
例えば、子どもは「死」や「生まれたこと」、「好き」という感情など、生物や人間の本質を探るような問いをよく投げかけることなどが挙げられている。
大人が、いつの間にか無意識に追いやってしまった感情や忘れかけていた核心的な命題を突きつけてくる子どもに驚かされ又考えさせられることの多いことを示しており、面白い。
一生懸命「一人前」であることを伝えようとする子どもの心理や秘密によって確立される子どものアイデンティティの存在、家族(母)の無償の愛を求める非行少女へのアセスメントなど、具体的な場面の背景にある子どもの内面を分析しており勉強になりました。
自らの子どもへの眼差しを再考したい方にお勧めな一冊です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレコンプレックスが指す本来の意味について知ることが出来ました。日常的に使用されている意味は劣等感の意味で、本来の意味は別でした。
三宅香帆さんがオススメしていた新書で70年代の本です。「コンプレックスは悪いものではないと学んだ」と三宅さんが言っていたのは、半分正解で半分不正解でした。本来の心理学用語としてのコンプレックスは悪いものでは無かったです。
自身の経験に照らし合わせながら読むことが出来て、それを言語化してくれているように感じました。私は二重人格ほどではありませんが、うつ病を患ったときにある面を抑圧してしまい、それを閉じ込めている状態でした。その面と対話して、対決して、それを統合することが出来ました。本書でいうトリックスターの部分で、やはり彼とは会えなくなってしまいました。そしてその寂しさがあるのも分かります。これを死と表現した筆者に感服しました。確かに一つの死があったなと思います。
自我と自己の捉え方は非常に勉強になりました。自我を中心として意識が表面可している一方で、無意識を含んだ自己があると知りました。確かに意識している私だけではなくて無意識も私であります。真の自分といえる、自己の存在について知識を得ました。
手元に残して何度か読み直す本になりそうです。 -
Posted by ブクログ
河合隼雄『こころの処方箋』には、
心理療法家としての数多くの臨床経験に裏打ちされた、
55編の「生きる知恵」が綴られている。
きっと読む人によって、
読むタイミングによって、
刺さる箇所が変わると思う。
いまの私に特に刺さったのが、
「強い者だけが感謝することができる」という章。
私はおそらく、
まだ本当の意味で、
誰かに感謝したことがない。
「あの人に救われた」と思う人は何人か浮かぶ。
でも当時の私は、
自分に余裕がなく、
建前の感謝しかできなかった。
だからこそ、
いつか心の底から誰かに感謝できるような、
強い人になりたいと思った。