【感想・ネタバレ】生きるとは、自分の物語をつくることのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年01月21日

物語とは、自分自身に現実にあるものを受け入れるもの。小説は現実に即した物語として、読み手や書き手に、そこにあるものを感じさせる。規則から生まれる合理性だけで世界は成り立っているわけではなく、そこにある偶然も含めて、その現実や矛盾をどう取り込むか、大きな流れの中で個性が現れる。(大樹)

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Posted by ブクログ 2024年01月21日

物語とは、自分自身に現実にあるものを受け入れるもの。小説は現実に即した物語として、読み手や書き手に、そこにあるものを感じさせる。規則から生まれる合理性だけで世界は成り立っているわけではなく、そこにある偶然も含めて、その現実や矛盾をどう取り込むか、大きな流れの中で個性が現れる。

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Posted by ブクログ 2023年11月15日

人間というのは物事を了承出来ると安心する。了承不可なことは人間を不安にさせる。下手な人はそういう時自分が早く了承して安心したくなる。質問する側が納得したくてなにか言ってしまう。質問する側が物語を作ってしまうのでそうならないように心がけるべし。

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Posted by ブクログ 2023年10月25日

小川洋子と河合隼雄のキャッチボールが見事だ。河合隼雄のダジャレやわかりやすい例えが実に効果的だ。聞くことを専門にしている河合隼雄の手法が、ツッコミを入れて楽しんでいる。小川洋子は『博士の愛した数式』を読んで、なんとステキな文章と体温のある物語を書くのだろうと感心した。それ以降、あまり注目していなかっ...続きを読むたが、最近の小川洋子の言っていることが興味深いので、読み始めた。
「生きるとは自分の物語を作ること」という言葉がいい。
小説家は、いろいろと妄想を働かせることが仕事。河合隼雄は、「小説家と私の仕事で一番違うのは、現実の危険性を伴う。作品の中なら父親を殺すこともできるが、現実に患者さんが殺すと大変です」河合隼雄はいう『若きウエルテル』は、死ぬけれど、ゲーテは長生きする。一流の選手ほど選択肢をたくさん持っている。つまり、死ぬより生きていたほうがいいだろうときちんといえるかにある。
現実の中には、偶然があって、本当にいいことが起こったりする。小説以上の展開がある。問題は、そんな偶然を気がつかないことが多い。
 小川洋子はいう。小説が全く何も書けない真っ白な状態というのが続くことがあります。一生懸命何か書こうとして考える。思いもしないところから、カミオカカンデにニュートリノが飛び込んでくるみたいに、パーっと何かが動き出して描けるようになる。
博士に対する人間的な交流がなんとも言えないものがあり、それがさらに人の痛みに共感することでより深い人間関係を日常の中で掘り起こしている。篠田節子のようにホラーに持っていかないで、日常感をあぶり出す。平凡な中に、きらりと光るものがあるのがステキだ。そこには、作者の確かな視座が必要だと思う。
第1章の魂のあるところは『博士の愛した数式』についての河合隼雄の意見が、作者である小川洋子の想定外のところに広がっていくのが、面白い。
河合隼雄は数学の教師もしたことがあり、数学の美しさについて理解する人であり、江夏の背番号28は阪神タイガース時代だけで、南海17、広島26、日ハム26、西武18だった。阪神の時だけ江夏は完全だったという。博士は阪神の江夏しか知らない。数字は数字だけでない意味を持っているものがある。それは、素数、完全数、友愛数などだ。8は、2の2の2倍で、倍倍倍だから、多いことを示す。八百屋、八百万となる。河合隼雄は、「男性と女性、大人と子供、それに障害のあるものとない者とか、みんな友情が成立する」と言っていたが、『博士の愛した数式』はその見本のような作品だという。
源氏物語は、最古の文学であり、女性が描いた。ほとんどが失恋と出家の物語。出家が身近にあった。つまり、それだけ死の世界が日常生活にものすごく近くて、一歩踏み出せば行けるという感覚だった。「人間はどうして死ぬのか」「死んだらどうなるんだろう」という恐怖が物語を生み出している。死が間近になっていた現在はいろいろな面白いことがあって、死が遠くにあるような錯覚に陥っている。
戦争で生き残ったり、震災で生き残ったり、身近な人が死んだりしたら、「自分が悪いのではないか」と生き残った自分を責めてしまう。
小川洋子はいう「人間が困難な現実を、自分の心に合うように組み立て直して受け入れる」。生き残った自分を責めるというのは、原罪とは違う。
この問題意識から、小川洋子は、アウシュビッツ収容所で生き残った人へのインタビューやアンネの日記に関わる人たちを拾い上げていく。自分に責任がないのに自分が悪いのではないかと自分を問い詰めてしまうあり方を、もっと深く取り下げて、生きていることがいいんだといえる小説を書こうとしている。
なるほど、この問題意識は、かなり重要なテーマでもある。
非言語的世界が、1万年前に長くあり、そして言語的物語が、神話、聖書、昔話となった。それは人間の悩み、死と向き合うことなどが題材となっている。人間の共通の課題が昔からあった。日本は、厳密さと曖昧さが入り混じった社会となっている。一神教ではないことが大きな要因。論理的に矛盾することがあったまま科学の進歩がある。科学は曖昧を容認しない。その矛盾を生きていることが日本人のありようがある。こういう矛盾を生きることが、個性ともなる。弱さがわかることと強くあること。強くあることが、難問をくぐり抜けることができる。
いろいろな苦しみや悲しみ、それを受け入れるために自分の物語を作るなのだ。なんか、いい対談に巡り会えた。

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Posted by ブクログ 2021年10月01日

河合隼雄という人物に触れなかった人生が恥ずかしい…。文化界の大家であると、経歴を見ずとも実感させられた。"おひさまにあててポカポカふくらんだ座布団のよう"な人。

対話集なので軽やかにさらさら読めるが、さらさら素通りすることはできない言葉が詰まっていた。
小川洋子、河合隼雄ともに...続きを読む、本当に厚みのある人だと思う。
やさしくてたおやかな物言いでも、芯と実感が通っている。

この本の良さを伝えられる語彙が自分にはなくて嫌になるなあ。
ちょうど、フルHDのテレビ画面では4KテレビのCMが意味をなさないのと似ている。

本当に、出会えてよかった本。それに尽きる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月29日

心理学者で文化庁長官の河合さんと、優しい小説を書く小説家の小川さんの対談。
河合さんの死去で、もっと読めなかったのが残念。


一神教のキリスト教圏と、多神教の日本との、厳密さと曖昧さの違いについて語られていたのが面白かった。

キリスト教圏の人は、厳密さ、厳格さの中で生きていて、例えばポルノを見な...続きを読むい、と決めている人は、その国だけでなく外国に行っても絶対に見ない。見たら人格が崩壊してしまう。
日本は曖昧さの中で生きていて、日本ではポルノを見ない教育者が、パリに行ったときに一度見たからって人格崩壊はしない。
無責任さ、曖昧さを良しとして生きる文化。
街の中にも境界がない。

科学が進歩して世界が厳密になっていく中で、日本には科学の厳密さと多神教の曖昧さ、矛盾したものがある。それを共存させる人生観、世界観はないだろうか。
生命はもともと矛盾を孕んでいるもので、それを受け入れて、ごまかさずに生きていくより仕方ない。
「その矛盾を私はこう生きました」というところが「個性」となる。


理屈のつかない曖昧さ、矛盾を愛しながら生きられたら、人間らしく美しい生き方ができるのだろうな。

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Posted by ブクログ 2021年02月19日

私の人生の教科書がまたひとつ増えました。
大切な、大切な本になると思います。
あとがきで泣いてしまったのは初めてです。

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Posted by ブクログ 2020年06月13日

2019.9月。
河合隼雄さんと小川洋子さんの対談。素晴らしい。河合隼雄さんの懐の大きさ。人間力。包容力。すごいなあ。こんな方がいるんだなあ。もっともっと生きて、今の時代にいて欲しかったなあ。大切なお話。手元に置いておく。

人を助けに行く時はずっと相手と同じ強さになる必要がある。
キャッチボール...続きを読む
自分の意図を超えたおもしろさ、自分の手に負えないこと、思いがけないことがおこる。プロ。
わけられないものをわけてしまうと何か大事なものを飛ばしてしまう。その一番大事なものが魂。分けられないものを明確に分けた途端に消えるものを魂という。区別を全部消してものを見る。
優しさの根本は死ぬ自覚、
魂の世界で繋げていくのは子ども。子どもは本当にすごいもの。
命に関わる仕事。
昔話はホラだけどある意味本当。真理。
自分の物語を発見し自分の物語を生きていく。
苦しみを経ずに出てきた作品は患者には魅力がない。
患者の深い悩みに付き添ってどこまでも下へ降りていく。
常識は忘れていないけど縛られたらダメ。
一流ほど選択肢をたくさんもっていてその中きらパッと最善の方法を選ぶ。下手な人ほど選択肢や答えが一つしかない。同じ言葉でもたくさんの中から選ばれた言葉か、唯一それしかもってない人の言葉かで受け止められ方が違う。
それしかないは駄目。
都合のいい偶然が起こりそうな時にそんなこと絶対起こらんと先に否定してる人には起こらない。気づく。
治る場に必要な空気や水を患者さんに供給。患者さんが治している。自分が治そうとしてしまうが、そういう時も必要。それがあって今がある。最初から適切なものを選択して供給できるというわけにはいかず無駄と思える迷いの時が必要。
下手な人ほど質問する側が勝手に物語を作ってしまう。相手を置き去りにして自分が了解して安心したい。
患者の世界の内側にとどまる。黙ってて心がよそに行きかけた時もその人の世界から出ない一言をかける。大事にして、変なものを付け加えないように、変に触らないように、ただそこにいる。
ごまかせるのが普通の人。大きい問題を持ってる人はごまかしようがない。解釈をしないで鑑賞する。
砂場遊びはもなすごく大事。形なきものに形を与える天地創造。
鍛えられて教えられてを繰り返してだんだん訓練される。
罪の意識に対してあなたは悪くないというのではなく、そこを追求して追求してその人の人生ができていく。罪を根っこにしてまた果実が実る。荷物を礎にする。頭の上にのっけるのではなく、生きていくために踏ん張る足を支えるものに変える。
生きることに心を奪われすぎて死ぬことを忘れているから変なことが起きる。
個は無限な広がりを持っているのに人間は自分の知っている範囲内で個に執着するから行き詰まる。個を大きな流れの中で見る。
矛盾したものを持つ。厳密さと曖昧さの共存。
矛盾との折り合いの付け方にこそ個性が出る。そこで個人を支えるのが物語。
最後は地球にお任せしてる。アースされている。
望みを失わない。まだ大丈夫という望み。一緒に苦しんでるけど望みは失わずピッタリそばにいる。強くいなければならないし弱さも分からなくてはいけない。根本的にすごく強くないと駄目。共倒れにならないように。

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Posted by ブクログ 2020年04月25日

小川洋子さんも河合隼雄さんも、お話を聞くのが抜群にお上手なのだなと感じる。ひと文ひと文が心にしみて、癒される。

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Posted by ブクログ 2020年03月22日

再読。
クライアント自身のもつ力を信じて
ただ、寄り添いアースとして存在する。
そんな存在に近づいていきたいです。

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Posted by ブクログ 2023年09月18日

ことばを大事にすることを生業にしている2人の対談

人は誰しも物語を作らねば生きていけない
小説家はそれを拾い上げ、
カウンセリングはそれを手助けする

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Posted by ブクログ 2023年07月31日

何となく手に取り読んだ本。

何となく、ではあったけれども、
「人の話を聴くこと」や「物語を書くこと」、
そこにあるものに気付き、とらえることのお話など、
惹き込まれてあっという間に読み終えました。

『博士の愛した数式』を読み返したくなりました。

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Posted by ブクログ 2023年06月29日

決して上からでなく、対等の人として接する河合先生だからこそ、悩める人たちを多く治されているのだろうと思うけれど、ご本人は決して私はただ聴くだけ、そこにいるだけで、ご本人がご自身でと治されると言われる。小説と思うほどの奇跡も沢山経験されていて、人間の治癒力の可能性を信じられている。それは人を信じている...続きを読むこそなんだなぁ。

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Posted by ブクログ 2023年03月09日

臨床心理学者 河合隼雄先生と小川洋子さんの間で2005年と2006年に行われた対談。河合さんは2007年に死去され、氏にとって最後の対談となった。小川さんの長い後書きによると、本当は続きがあるはずだったらしく残念。
箱庭療法、源氏物語など、いろいろな話題から物語とは何かを語っている。カウンセリングで...続きを読む患者と対峙する場面についての河合さんの話からは、一筋縄ではいかない優しさが伝わってきて感動した。読んでいると温かい気持ちになれる一冊。

最も印象に残ったのは、長年、「なぜ小説を書くのか」色々な人から問われ続けてうまく説明できなかった小川さんが、”内面の深い部分にある混沌は論理的な言葉では表現できない。それを言葉にできるのが物語である”と、そういう解釈に触れて心底納得できたという話。文学者などではなく、心理学者から気づきを得たという点も面白い。2012年頃にとあるエッセイ集で小川さんが、人生を築き上げるとは、事実を自分なりにアレンジし、バランスをとっていくことで、それを”自分で物語を作る”というふうに表現していたのが好きで覚えていたが(さらに、それが出来なくなったときが”挫折”だとも述べていた)、それはこのときの対話がきっかけで考え得たことが窺える。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月11日

他者理解に必要なことが河合先生のお話にたくさん詰まっていた。
私はどこまでも待てないんだけれど、他人と物語を共有しようとすればいいのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2021年12月05日

似たような悩み、同じ病状、同じ類型であっても、そこに至るルートには独自性があって。

その解決に一定のパターンがあっても、至る思考ルートには独自性がある。

どこの視座に立つか。マクロに見ればどんなこともパターン化する。ミクロに見れば独自性はある。物語とはミクロなものです。「人間」が主語の物語が面白...続きを読むいだろうか? 必ず個別な物語を人は楽しむでしょう。そして個性というのはミクロに見れば誰にでも見つけられるものだから、価値が無いようで有るかもしれない矛盾とどう生きていくかが物語になるのでしょう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月30日

河合隼雄の対談集を読むのはこの本が初めて。読みやすくてスラスラと読めていってしまうが、大事な言葉を取りこぼさないようにと時々ゆっくり読んでは想像も広げていた。

心に残った言葉。
・新しい布が古い布より強いとかえって傷つけてしまう。相手と同じ力になる。
・意味ないけど、その子の世界にはまだいる。その...続きを読む子のいる世界の内側にとどまる。
・つくらないけど、その世界に入っている。

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Posted by ブクログ 2021年02月27日

臨床心理学者の河合隼雄先生と人の心を描き続ける小説家小川洋子が『博士の愛した数式』を皮切りに様々なテーマについて語った対談集。

各ページのやり取りに心がポッと温かくなります。
長い本ではないので、割とすぐに読めます。

要約やかいつまんでの書評はできない内容ですが、自分の人生を物語として捉えるのっ...続きを読むていいですね。

特に様々な人生と苦悩に向き合ってきた河合隼雄先生が言うと説得力がある。

特に最後の欧州と日本の違いは面白かった。
日本人は意志を曲げたり、間違いを認めることは何とも思わないが、西洋の文化からすると、どうしても認めらないようなことになる。
それは西洋には確固たる主体の自分がいるから、そしてそれは一神教をベースにしているからではないか。

あと西洋宗教は原罪であり、日本宗教は原悲であるというのもなるほどと思った。

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Posted by ブクログ 2020年10月10日

生きることは物語であり、他者との繋がりもまた物語である。身近で大切な誰かの喪失を受け止め乗り越えるのためにもまた物語が必要である。

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Posted by ブクログ 2020年05月05日

数年前に読んだときはピンと来なかった2人の会話が染み込んできた。

曖昧を持ち合わせたまま生きてよいのだということ励まされた。合理性を過剰に求めなくていいことにも。なぜ小説が、物語が人間に必要なのかがよくわかります。とても癒される。

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Posted by ブクログ 2019年04月14日

悲しい出来事を受け入れるには、その事実だけでなく
物語が必要とのこと。
なるほどなぁ。

大切な人が病気で亡くなった事実だけでは受け付けない。
こんなタイミングだったから、とか
これだけ頑張ってた人だから、とか
それぞれの物語をつけたくなる衝動を言語化してもらった。

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Posted by ブクログ 2019年02月18日

河合隼雄さん、最後の対談集。小川洋子さんも素敵な物語を書く方。もっともっもお二人のお話聞きたかったなあ。

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Posted by ブクログ 2024年02月17日

充実の対談集。
「博士の愛した数式」の逸話と「源氏物語」の解釈が新鮮。
日本の曖昧さと西洋の厳密さが興味深い。
私はアースされているから大丈夫という河合先生の心構えを見習いたい。

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Posted by ブクログ 2024年01月08日

小川洋子さんの本を読んでよかったのでこちらに。

河合先生の、カウンセリングの話ははっとさせられた。相談や迷いの声を聞くと、わたしは答えらしきものが知りたくて、⚫︎⚫︎ということ?と問うてしまう。もしくは、こう捉えたらいいんだよと解釈を与えてしまう。

相手に寄り添い、相手の世界の中で話をする態度を...続きを読む自分はとりたいけど、現実的にはそうもいってられないことも。自分の考えのよらないことに、ああそうかとただ受け止めるようになりたいし、まだ自分がわかってないこともあるかもと思っていたいと感じた。

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Posted by ブクログ 2022年09月29日

ポール・オースターの小説内で語られる物語の捉え方と、小川洋子の物語の捉え方に共通点が多くて驚いたが、後書きにポール・オースターを敬愛してると書いてあったので納得。

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それはつまり切っているということです。切る時は、励ましの言葉で切ると一番カッコええわけね。「頑張れよ」っていうのは、つまり「さ...続きを読むよなら」ということです(笑)。

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Posted by ブクログ 2022年06月19日

小川洋子さんと、臨床心理学者の河合隼雄さんとの対談本。
心理学的な話が主なのかと思いきや、数学や宗教に絡んだお話も多いです。
「原罪」「原悲」や、西欧一神教の人生観についての話はとても興味深かったです。もう少し深く考えたいので、そのうちまた読み返したい。

河合氏は、2007年に亡くなったそうで、も...続きを読むっとこのお二人の対談を読んでみたかったので残念です。この方の本もそのうち読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2022年04月06日

タイトルに惹かれて手に取った本。つくづく、寒雲セラーさん、臨床心理士さんとは大変な仕事だ、、と痛切に感じさせられる。そして、きついと感じている人たちに、何もアドバイスせず、ジャッジせず、上も下もなく、ただ、一緒にいる、そこにいる、ということをする。そのことの偉大さは、実際にクライアントとして河合さん...続きを読むのもとでお話しした方にしかわからないだろうが、でも、とても救われるんだと思う。

博士の愛した数式を切り口に話が進むので、読んだ方はかなり楽しめると思う。

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Posted by ブクログ 2022年03月22日

井戸を掘る際に、相手を強く牽引してはいけない。強者であってはいけない。相手と同等でなければならない。屈んで目線を合わす。良き聞き手でなければ。

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Posted by ブクログ 2022年01月04日

「物語は既にそこにある」ーー『博士の愛した数式』ひとつのフィクションをとっかかりに、小説家・小川洋子さんと臨床心理学社・河合隼雄さんが紡いでいく“物語”をめぐる対話。現実のフィクション性や人間に内在する矛盾に、物語という枠組みだけが説明を与えてくれる。

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Posted by ブクログ 2019年04月30日

小川洋子と河合隼雄との対談。
カウンセリングは必ずしも優しく接するのではなく、人間として接すると言う内容に、その方が信頼できるのかと新たな発見。
小川さんはどちらかというと感情面で、河合さんは建設的な話をするなといった印象。
例えば、日本人がたくましいからという小川さんに対し、河合さんは文化から逃れ...続きを読むられていないと。
生きている人には必ずストーリーがある。

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