河合隼雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
素人にはかなり難しかった。この本を体系的に理解できるようになるには、何度も読み返したり、周辺知識を学ぶ必要がありそう。ただ、人生の後半にもう一度必ず読み返したい本。
今まで、無意識とは何か?無意識が自我に与えている影響などは考えたことすらなかったので、そういう考えがあることを知れたことだけでも読んだ価値があった。
本書では、さまざまな夢の実例から、夢の解釈をし、自我に与えている影響について詳しく記されている。
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【備忘録】断片的な学びだが、印象に残った内容。
(個人的解釈)
・人は誰しも自分の中に影(劣等感、短所)を持ち、それを認めることを -
Posted by ブクログ
とても賢い人で、考え抜いているからこそ、ここまで簡易な言葉で表すことができるのだなぁと思った。
めちゃめちゃ勉強になった。
以下、学んだこと。
・日本人は「場」、西欧人は「個」
・カウンセリングは「個」
・個を大切にしつつ、日本(場)で生きるにはどうしたら良いのかを考える必要がある(言うタイミング、言い方など)
・人と違うことが個性ではない。
・勝手なことは個、助けてほしいと場、ではダメ。
・見立ては、客観的と共感的の2つの視点が必要。
・見立てには、カウンセラーの力量や人間性が反映される。
・病理的診断ができる知識も必要(必要であれば精神科へ)
・普通でいられないとき、コンプレックスが働い -
Posted by ブクログ
食材についての科学的知見、歴史等のトリビア。経糸としてフランク・バックランド(医者・博物学者にして様々な食材を試す科学者一家の息子)のエピソードが貫く。
・チーズはショウジョウバエの齎した酵母菌が光緒
・ヨーロッパのナス科植物はぺラドンナ等有有毒であったので、トマトやジャガイモが忌避
・ライ麦とオート麦は小麦の雑草。小麦はヒトと共進化
・クローブは龍涎香、ナツメグは麝香の薫
・七面鳥はインドを含むトルコ以外ではターキー、トルコではヒンディー
・カカオは南米の大型ゾウと共進化したが、約1万年前にゾウが絶滅すると固く大きなカカオを丸呑みし、種を播種してくれる動物がいなくなった。単性生殖で生き延び、 -
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主体性をおびやかすもの(やりたいと思ってもできない。)
アドラー……「人間にとってもっとも根源的な欲望『権力への欲求』であることを主張した」
p58失敗したことでいつまでもぶつぶついったりする人の方が、むしろコンプレックスを持っていると言える。つまり、この人達は劣等であることを認めていないのである。
「劣等感の悪循環」
平気で自分がソフトボールのできないことを認めた人は、それを認めることによって、その人の人格の尊厳性が失われないと感じているからである。つまり、そのことについての劣等の認識は彼の自我の中に統合されており、何も安定を揺さぶられないからである。
コンプレックスは自我によって -
Posted by ブクログ
精神科医、スクールカウンセラー、家裁調査官など第一線で活躍している人が、臨床を続ける上で困っていることや疑問を河合隼雄氏に質問し、それに答えていく形式。
臨床の現場でこんなにも一生懸命課題に取り組んでいる人たちがいるのだと実感し、単純な私は嬉しくなってしまう。そして私も自分の仕事を頑張ろうとまた思えるような本だった。
ー治療者の若い時(初心者)ときというのは、面接がうまくいっているときには、相手が苦しいとうことがなかなかわからない。治療者がうまくいっていると思っているときというのは、相手側何いろいろと反省したり、深く考えたり、苦しんだり、自分を責めたりしている時。そこで、こちらがうまいこと -
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Posted by ブクログ
大阪の四天王寺主催の夏期大学講座。
子供、青年、中年、老年、と4つの章があり、どれもおもしろく教訓が学べる。章の最後に仏さまの話でまとめて終わるので檀家さん相手に喋っている感じがある。なので、読み終わると、それ相応の功徳がもらえます(笑)。
アメリカの青年の問題点として、「包み込む力」というのがすごく弱い。この問題は、これからアメリカではかなり大きい問題になるだろうと河合さんは言っている。
p94「子どもというのはある程度包まれていて、自分が抱きかかえられていると思うから、そこからだんだん出ていって強くなれるわけです。ところが、日本の場合は、大学生になっても中学生みたいな顔をしているというの