河合隼雄のレビュー一覧
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精神科医、スクールカウンセラー、家裁調査官など第一線で活躍している人が、臨床を続ける上で困っていることや疑問を河合隼雄氏に質問し、それに答えていく形式。
臨床の現場でこんなにも一生懸命課題に取り組んでいる人たちがいるのだと実感し、単純な私は嬉しくなってしまう。そして私も自分の仕事を頑張ろうとまた思えるような本だった。
ー治療者の若い時(初心者)ときというのは、面接がうまくいっているときには、相手が苦しいとうことがなかなかわからない。治療者がうまくいっていると思っているときというのは、相手側何いろいろと反省したり、深く考えたり、苦しんだり、自分を責めたりしている時。そこで、こちらがうまいこと -
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Posted by ブクログ
大阪の四天王寺主催の夏期大学講座。
子供、青年、中年、老年、と4つの章があり、どれもおもしろく教訓が学べる。章の最後に仏さまの話でまとめて終わるので檀家さん相手に喋っている感じがある。なので、読み終わると、それ相応の功徳がもらえます(笑)。
アメリカの青年の問題点として、「包み込む力」というのがすごく弱い。この問題は、これからアメリカではかなり大きい問題になるだろうと河合さんは言っている。
p94「子どもというのはある程度包まれていて、自分が抱きかかえられていると思うから、そこからだんだん出ていって強くなれるわけです。ところが、日本の場合は、大学生になっても中学生みたいな顔をしているというの -
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感想ではなく、雑感を述べさせていただきます。
目次の後に「写真提供:河合嘉代子」と奥さんの名前がある。本文には写真は無いのに・・。よく見ると、カバーの見返しに河合さんの笑った顔写真があった。(これか!)
この本の底本は「しあわせ眼鏡、1998 海鳴社」だが、家族や子供たちや日本人の将来を俯瞰的に見てしあわせを論じている。
なので、この本の「幸福論」という表題はおかしいと思う。購買部数を増やす出版社の営業的な戦略だと思う。「幸福」ではなく、あくまでも「しあわせ」。この題名変更を河合隼雄さんは許可しないと思う、今でも。
それに、内容を調べると、半数は「幸福」というテーマに関連してない、教育論で -
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河合隼雄先生が各地で行った対談、講演などをまとめたもの。
本書を通じて一貫したテーマがあるわけではないが、各章の中でも一歩掘り下げて語られており、読む人には中々に発見があると思う。
テーマになっているのは
・未来への記憶
・アイデンティティの深化
・子供の心と現代の家庭
・これからは父親の出番
・日本の教育の底にあるもの
・教師の力 いま、求められるもの
・やらなければいけない事は好きになってみせる
・こころの自然崩壊を防ぐ
・夢の中の私
・私の養生訓
・日本の心と文化
・かくして般若心経は現代人の心を癒す
・現代人と宗教
・音とこころ
いいなと思った言葉
・何かを選ぶという中には、その代 -
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河合さんの本を読むのは2冊目ですが、このおじさん好きだわ。大人が失った、子どものときに持っている力に着目されているところとか、深くお聞きしてみたい。それとか、相手の存在を受けとめる力も見習いたい。
この方のそういう人間力の根っこに、文学とか人文学的な関心とか経験が大いにあるんだなと実感する。まさに、生きることは、自分の物語をつくること であると、自分に対しても他人に対しても思いながら人と関わっておられるのだなと思った。
「博士の愛した数式」は映画で観たのみですが、そういう河合さん的な、子どもの力に着目するような読み方をしたら面白そうだと思った。 -
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この本の対談者は、「閉ざされた心との対話」=心理療法の現場から (上)、「心にある 癒やす力 治る力」=心理療法の現場から (下)、という2冊の本と同じメンバーで、その時の対談者のQ&Aを本にしたものがこの本。
以下の話が参考になった。
(河合さんの師匠の)マイヤー先生も、そのときの流れで、カウンセリングが50分のところが1時間になったり、40分でやめるときもありました。そこで私が、「先生はあんまり時間どおりにやりませんね」と言ったら、こんな返事でした。
「君は、『カルメン』は三時間だけど、『椿姫』は二時間だから、同じ値段ではおかしいとか、『カルメン』のほうが割安だとか言うかね。そ -
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ノンフィクション作家は真実を極めるのが仕事だから仕方ないのかもしれないが、柳田さんの自己顕示欲が凄い。絵本好きの教養人とは、ガツガツ感が違うのだ。
なので、夢を売る絵本出版社社長の松居さんと柳田さんの話は、反りが合わない。
絵本の目的について、松居さんは「絵本とは、大人が購入するが、子どもに読んで聞かせるもの」と何度も言っているのに、柳田さんは「絵本は、大人の哲学書」と言っていて、1冊毎にウンチクを語っている。それが、松居さんには鼻につくんだろう。やんわり言い返している。
しかし、それをものともせず、自分の感想を言い続けられる点が、柳田さんの強みなのかもしれない。ノンフィクション作家恐るべし! -
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臨床心理学者の著書にしては親しみやすいというかファンタジックなタイトルだなと思って買って読んでみたら、出だしから児童文学全開で交えながら子どもの可能性が語られていて、私にとっては好みに合っていて興味深かった。
人間が興味の対象である点で、心理学も教育学も文学も同じ人文学の中でボーダレスに共存しているのだなということが感じられた。
また、まさに子どもの宇宙みたいな、子どもの純粋さとか、秘めてる可能性とか、いい意味での未成熟さとか弱さとかを認識することは自分のことを考える上でも大事なことだなと思った。子どもと自分との差分を考えることが、何を得て何を失ってしまっているのか認識するきっかけになると