【感想・ネタバレ】無意識の構造 改版のレビュー

あらすじ

私たちは何かの行為をしたあとで「われ知らずにしてしまった」ということがある。無意識の世界とは何なのか。ユング派の心理療法家として知られる著者は、種々の症例や夢の具体例を取り上げながらこの不思議な心の深層を解明する。また、無意識のなかで、男性・女性によって異性像がどうイメージされ、生活行動にどう現れるのか、心のエネルギーの退行がマザー・コンプレックスに根ざす例なども含めて鋭くメスを入れる。

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Posted by ブクログ

意識と無意識の統合について知りたいというのが読み始めた動機。
読んでいる最中、よく夢を見た。
自分の無意識に何があるのか、少しずつ意識できている感がある。
次の本は河合隼雄さんの「影の現象学」。

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2023年09月03日

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ネタバレ

ユング派心理学の入門書。
・無意識と自我、自己
・夢分析の様々な実例
・アニマとアニムス
・自己の象徴としての曼荼羅

★母性を否定する女性はしばしばエロスに圧倒されてしまい次々と異なる男性と関係を持つ傾向にある
★孤独は人格変化の糸口になることが多い
★その女性のアニムス像を夫に投影出来ぬ時、
ニムスに対する期待はその女性の子供に向けられる→教育ママの誕生

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2023年02月28日

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"無意識" ってすごく不思議だと思いませんか。「気づいたらやってた」「そんなつもりじゃなかった」みたいなことって私はすごくあって。自分の意識が向かない未知の領域に、常々恐怖に似た感情を抱いてました。
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オンライン社会の今、個人が「意識」できる領域は、ますます小さくなっていて。少しでも無意識領域への働きかけができたら、最強だな!と思っていました(そう、映画「鬼滅の刃」のように…)。
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本書によると、物質にエネルギーがあるように、心にもエネルギーがあるらしく。なにやら、無意識に働きかけるには、そのエネルギーコントロール(ユング的には夢分析)が鍵となるようなのです!「引き寄せの法則」が一時話題になったように、占いも潜在意識に働きかけるからいいんだよね。あ、今エネルギーが退行してるな〜前向きだな〜なんて意識しながら、少しでも自分の無意識領域を認知できるようになればいいな。とりあえず、明日から見た夢をメモしまーす!
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追伸
読むのにものすごいエネルギーを費やす本だったので、要注意です!笑
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#無意識 #鬼滅の刃 #無意識領域 #深層心理 #心理学 #ユング #フロイト #無意識の構造 #57刷 #河合隼雄

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2021年01月04日

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ヒステリーとは心理的な問題が身体的な症状に転化されたもの
トラウマと抑圧
こだわりを持つ時、人は意識の円滑さを失う
エディプスコンプレックス→父を殺し母を愛そうとする心理
器官劣等
カインコンプレックス→兄弟間の競争意識
メサイヤコンプレックス→自分の劣等感から抜け出すために親切の押し売りをする
遍的無意識と個人的無意識
イメージやシンボルは自分たちの考えを具現化したもの
リビドー→心的エネルギーは性的エネルギーに還元されること
創造的退行
劣等感と向き合うことが大切
夢は、現状をはっきりさせた上で分析を行う

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2019年10月06日

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私はそろそろ、社会の中で闘っていくためのモデルとなる父親像を求める時期に入っている、ようだ。なのかな。

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2018年05月20日

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ユングが深いのか、著者が深いのか。人間や自分自身をよりよく理解するための無意識の構造について、興味がつきない。無意識を理解するには、個人個人の心の構造だけでなく、社会や文化の知識や洞察も不可欠。文学作品や神話もとりあげつつ、人の心や世界の捉え方の不思議に迫る。難解な箇所も多く、いずれ再読したい。

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2018年04月18日

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この名著が上梓されたのは1977年。今から40年前である。人の半生分の長さほど昔に書かれたという事実は、評価する上では考慮すべきでしょう。評価などと生意気な、とお叱りを受けるのは当然、自分でもおこがましいと思っています。
こんな前置きを書いておきながらですが、いやはや素晴らしい。特に後半。
ユングという人の研究が進み、ある程度の普遍性を得ている現代では特に驚きがあるわけではないでしょうが、ここには生きる指標がありました。
人生を、とくにその後半をいかに生きるか、答えだと思っていたことに確信が持てました。

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2017年06月07日

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素人にはかなり難しかった。この本を体系的に理解できるようになるには、何度も読み返したり、周辺知識を学ぶ必要がありそう。ただ、人生の後半にもう一度必ず読み返したい本。

今まで、無意識とは何か?無意識が自我に与えている影響などは考えたことすらなかったので、そういう考えがあることを知れたことだけでも読んだ価値があった。
本書では、さまざまな夢の実例から、夢の解釈をし、自我に与えている影響について詳しく記されている。

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【備忘録】断片的な学びだが、印象に残った内容。
(個人的解釈)
・人は誰しも自分の中に影(劣等感、短所)を持ち、それを認めることをできるだけ避けようとし、また無意識に他人に投影してしまうことがある。そうならないように、投影した自分の影を自分に引き戻し、どのように生きるか考える必要がある。
・人は外界と調和するためにその人の役割にふさわしい仮面「ペルソナ」を身につけなければならない。その一例として、男は男らしくや、女は女らしくなどがあるが、男性でも女性でも無意識下では、両方の性を兼ね備えている。その割合の度合いがどちらかに傾くのは良くない。こういった典型例として、夫婦間しばしば見られ、男女間の役割が反対になることがある。教育ママが典型例。
・ユングは自己実現の過程を個性化の過程と呼び、危険に満ちた道であると述べている。自己は無意識内に存在していて、意識化することが不可能。自己は、シンボルを通してのみ知ることができる。シンボルの現れは、深い感動を与え、宗教体験の基礎となる。個性化するには、無意識界に目を向ける必要があり、内省可能なものではない。(=自分の意識できる内容をあれこれ見つめ直すことではない。)
→どうすればいいかまでは理解しきれなかったが、いずれ個性化の「時」が夢として現れる。その時が来ると、不思議な現象に合うという。それは夢と現実の一致かも知れない。スピリチュアルな世界で理解するのが難しかったが、大変興味深かった。
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自分のコンプレックスが無意識のうちに与えている影響、立て続けに悲惨な出来事が招かれたのは実は偶然ではなく必然的であること、日本人の自己実現における西洋との違いなどなど、他にも、なるほど〜そういう考え方があるのかといった点が多々あったので、また読み返したい。
特に、無意識内に形成されたことが意識に影響を与える時は、人生の後半にあるという。このような時が訪れた時、中年の危機を迎えるという。こういう事象や考え方があることを知識として知っているか知っていないかでは全然違うと思う。なので、人生の後半にまた読み返したい。

リピート     ★★★★☆
新たな学び    ★★★★☆
生活・仕事転用  ★★☆☆☆
難しさ      ★★★★★



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2025年01月13日

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ネタバレ

「無意識の構造を探るこころみは、トータルな存在としての人間の生き方の探索へとつながってくる」とあとがきにある。
文字を追うことはできるんだけど咀嚼するのが難しかった。タイプ論以外はほとんど出てきたんじゃないんだろうか。
恐ろしい世界を少し見せていただいたと思う。自己。

・個性化の道を歩むものは、腹背に敵を受ける厳しさを体験する。それは「尋常な人入場お断り」の道であることを覚悟しなくてはならない。

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2024年09月23日

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無意識についての全体像が分かりやすく説明されている。
特に自我と自己についての捉え方は、禅の教えに繋がるものを感じてもう少し知りたいと思った。
でももう一歩知りたいところまでは書かれないからユング心理学入門を読もうかなと思った。

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2023年06月15日

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ごく短い本だが、ユング心理学という今まで考えたこともなかった世界へと思考を飛ばしてくれる。

一般に大学などで教えられる心理学は認知心理学や社会心理学といった、データや実験に基づいた文理融合型の学問、というイメージがあるが、この本で扱われるユング心理学は全く異なる。
そもそも深層心理や集合的無意識という概念自体が実験・観察に基づいて発見されたというよりは仮説的に観念されたものという感じだし、その裏付けとして所々に挿入される実際の患者の夢もあまりにも荒唐無稽で、こんな夢を見る人が本当にいるのか、と疑いを挟みたくなる。
総じて今までの自分の常識や固定観念からは受け入れ難い思考法で、これは科学といえるのか、とすら思った。

しかし、そのように一笑に付すには惜しい説得力が本書にはあった。
思うに、ユング心理学はある意味では非常識な学問であり、だからこそ現在の心理学のメインストリームは認知心理学を始めとする自然科学的な実験を重視しているのだろう。
だが、そういった「まっとうな」学問では当分辿り着けない遥かな神秘を人間の意識は宿していて、その一端を、一足飛びに垣間見る可能性を有するのが、ユング心理学なのではないか。そう考えて、信じてみたくなるような魅力を持つ一冊だった。

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2022年12月22日

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ネタバレ

日本に箱庭療法を広めたユング派の第一人者、河合隼雄による著書。分析心理学について解説している。
最初は夢分析などを行う分析心理学に対して胡散臭いと思っていたが、本書を読んで印象が変わった。
人間本来の性質に出来るだけ近づいていこうという態度が非常に共感が持てるものだった。
具体例を見てもあまりパッと想像しやすいものではないものもあったため時代を感じたが、それも含めて考える材料として格好の本であった。

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2020年05月04日

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"意識と無意識。無意識の構造を探るため、夢の分析をしたり心理療法で心の奥深くを探ったりしてきた人がいた。フロイトさんやユングさん。
彼らの研究を平易に我々日本人向けに解説して下さった本。"

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2018年11月25日

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ネタバレ

はじめに

本書を手に取ったのは、心の深層に向き合い、自己成長や理解を深めたいと思ったからである。複雑で多面的なユング心理学の無意識理論が、現代の心理療法やコーチングにどのように役立つのか、その実践的な価値を探る目的で読み進めた。読んでいくうちに、自分自身の内面にも多くの示唆を得ることができた。

多層ニューラルネットワークと心の同質性

書中で強調されるのは、生体の脳とニューラルネットワークによるAIの思考過程には本質的な違いはないという視点だ。ハードウェアの違いを超えて「心の動き」としての意識やインテンションが立ち現れるという主張は、AI技術と認知科学、哲学の融合を試みる私の興味と合致した。

意識・自我・自己の区別

本書は自我を「日常の自分の意識的側面」とし、自己を「意識と無意識の統合体」として区別した点も理解が深まった。自己実現(個性化)の過程でこの二つがどう相互作用するかという理論は、エグゼクティブ・コーチングの実践に直結する知見である。

無意識の構造と科学的限界

「無意識の構造」を構造として説明する意義と同時に、あくまで仮説の枠を出ない点も語られていた。私自身、感情や心の理論を「7色の虹」や喜怒哀楽のようなレトリックと捉えがちだったが、多次元的感情回路モデルの導入が示され、複雑な心の理解には多角的アプローチが必須であることを再認識した。

ユング心理学の元型とコーチングへの応用

特にアニマ・アニムス、ペルソナ、シャドウの元型、さらにはハデスの侵入やエロス、ヘルミーネといったユングの深層心理の象徴がコーチングの枠組みに組み込まれ、内面的抵抗や成長促進の理解を支えている点に強い共感を持った。これらは単純な心理学的理論ではなく、実践的な自己変容へのツールとして活用できる。

感情の捉え方と哲学的問題意識

喜怒哀楽に代表される感情の単純な枠組みを超え、感情の多様性や境界の曖昧さを深く掘り下げた部分は、私の哲学的疑問とも響き合う箇所だった。感情をモデル化し論じる際の限界と可能性を示した点で、本書は理論と実践のバランスを保っている。

書籍化の意図と学びの意味

ユングの理論は抽象的かつ哲学的であるが、本書はそれを読者に理解しやすくかみ砕き、現代の心理療法やコーチングに応用できる形で示している。仮説的理論の実践的価値を強調し、自己理解と他者理解、心理的成長の道筋を提示することが本書の大きな役割である。

おわりに

この読み物は、私の興味領域であるAI技術と心の哲学、認知科学、心理学、そしてコーチングをつなげる架け橋として非常に価値あるものだった。複雑で曖昧な心の世界を解きほぐし、自己実現へ向けた知的な足がかりを与えてくれる良書であると感じた。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

感想
無意識の驚異の能力。その姿を眼前に鮮やかに描き出す。無意識は心身二元論に残された最後のフロンティアか。脳科学の知見も交えて議論したい。

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2022年08月20日

Posted by ブクログ

人間が意識として感じられる領域と自我だけでなく、無意識や人類共通の普遍的無意識もあわせた自己、を考えさせられる。個別化の過程で葛藤するあたりが、エヴァのATフィールドの話とつながっておもしろい。

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2021年05月15日

Posted by ブクログ

興味深い話が多かった

無意識の存在を明らかにする本は読んだことあったけど、さらにその構造まで踏み込んでいた本は初めてだった。

夢は解釈の仕方によって幾らでも都合よく捉えられると思っていたから信用していなかったけど、無意識の構造を理解したらある程度無意識からのメッセージが分かってくるのだろうな

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2021年04月27日

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興味のある分野だったが、如何せん主観的にすぎるように感じてしまった。学問の性質上避けがたい部分があるのも理解できるし、この分量では根拠を充分に示せないことも理解できるが、学者の思い込み、と指摘されたらそれまでに感じてしまう。

ただ、普遍的無意識、という考え方はとても面白いと感じた

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2020年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

河合先生の本は、進んで読ませて頂いており、何冊か読ませていただいたが、今回の本は少々難しかった。

「あとがき」で、「本書ではやはり、はじめの部分はどうしても入門的なことを書かねばならないが、後の方にはすこし深い、思い切ったことも述べることにして、筆をとった」と書かれており、理解不足もやむをえないかと、少し救われた気分だ(笑)。

作家・随筆家としての河合先生ではなく、日本を代表するユング派の心理療法家としての本気が、なるべく初心者にも理解できるように書き下ろされたものであり、内容的には一般人読者にはハードルの高いものだと思う。

しかしながら、ユング派の心理療法(見る夢を解釈して、無意識の状態を知り、治療に生かしていく)について、少しでも覗いてみたいと思い手に取ってみた。

フロイトもユングもともに「無意識の世界」の研究を進めたが、簡単に言えば無意識のとらえ方の違いから袂を分かつことになったようだ。本書の著者・河合隼雄先生は、そのユングの考え方を支持されている。

本書は、ユングの理論の中で、コンプレックスとはどのようなものか、自我とは何か、無意識から現れるイメージやシンボルとは何か、無意識の深層に潜む、グレート・マザー、元型、影について、ペルソナとアニマ(アニムス)の関係について説明されている。

「夢は、無意識層から意識へと送られてくるメッセージ」と言うことで、本書の中でも数多くの夢の解釈事例が掲載されており、その解釈を通じて上記の概念について説明されている。

正直のところ、夢の解釈については、プロの心理療法家の領域であり、素人が分かろうはずはない。

夢の解釈を理解することより、人の心が病んだり、回復したりすることにちゃんとした理屈があるのだということや、それを知らずに間違った行動をとることがいかに危険であるかを知ることに、本書を読む意味があると思った。

我々が普通にわかる「意識」層。
その「意識」層に影響を与える「無意識」の構造を知ることが大事。そこには我々が知らない重要なメカニズムがあるということを知るだけでも大きな意味があると思う。

最終部分に、ユングが自身の体を使って自身の理論の実証実験を行うような場面が書かれている。凄まじい格闘の末に成果が得られたようだが、それはユングの自伝などに記載されているとのことだ。

ユングが最終的に至ったのは、自身の考える「無意識」の構造との共通点が、古代の東洋哲学に見られるということであったようだ。

「ユング心理学と仏教」という河合先生の別の著書もあるようでそちらの本も非常に興味深い。

ふだん我々が何気に見てる夢・・・これには、自分自身の心の状態が確実に反映されている。夢は大事なメッセージだ。

本書によれば人は一夜に5本立てくらいの夢をみているという。なのに朝思い出せない(涙)。そして、思い出せたとしても、その夢の解釈は素人ではやらないほうがよさそうである。

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2019年08月11日

Posted by ブクログ

ユング心理学の大家である河合隼雄先生の本です。人間の精神構造についてユング心理学の概念を用いて説明しています。男性の女性性を表すアニマ、逆に女性の男性性を表すアニムスといった概念で個人内の葛藤を分析する方法論は自然科学好きな僕にとって異文化で面白いと思いました。他にもユング心理学は神話と結びつきが強く、シナリオライティングの本で見た元型(アーキタイプ)という概念がユング心理学由来であることを知ったのも収穫でした。もうひとつ実に面白いと思ったのが共時性という考え方です。自然科学では事象発生を因果律という規則の下で分析しますが、共時性は個々の事象の連鎖という線形な見方をやめて世界の全体性、統合性を軸に分析します。これは新しい世界解釈のフレームワークだと思いました。天才的な物理学者パウリがこれについてユングと共著で本を書いたのも興味深いです。

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2018年01月24日

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