あらすじ
※本書は一九九八年に海鳴社から刊行された『しあわせ眼鏡』を復刊し、改題したものを電子化したタイトルです。養老孟司氏推薦!「心の奥底にしみこむ話がたくさん載っています。読まなきゃ損です。」人間関係について、悲しみについて、成功について、人生について――。臨床心理学の第一人者である著者による、生き方のヒントとなる59のエッセイ。本書のはじめにより:「深く考えはじめると難しくなるが、そんなのではなく、ちょっと眼鏡をかけ変えることによって、異なるものが見えるように、少し見方を変えることによって、幸福が身近になる、ということがありそうである。」「全体的な構成のある本ではないので、読者はどこでも自分の好きなところを読んでくださるとよい。そのなかのどれかが読者の幸福という点で少しでもお役に立つことがあれば、真に幸いである」。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
目次
幸福とは何か
モモの笑顔
兄弟
子育て
何を伝えるのか
感謝の言葉
常識
人生の後半
幸福の効率計算
儀式〔ほか〕
読み終わって、毎回のように読後感に浸りながら、ボーッとしている。どうやら、河合隼雄さんの書かれた新聞の掲載記事『幸せ眼鏡』59つのエッセイを纏めた本であった。短いエッセイが沢山あり、内容も繋がっているものがあれば個別のものもあり、今の自分が気になっている部分だけ読めるような、使い易い本な感じがする。なので、本書が独立したエッセイ纏めであるがゆえ、少し一気に読み進めるには向いてなかった感じがした。しかし、そのエッセイのひとつひとつに、やはり河合さんの感受性の豊かさとか、想像性の高さとか、慧眼さを見止めることができる感じがする。それでも、結論、幸福とは何かは分からなかった。自分で見つけていくものであった。それは、とても大変で、よく分からず、しんどいけれども、やっぱそうだよなぁ、って感じだ。でも、幸せの見つけ方、みたいな本が売れる、需要があるのは、皆やっぱ考え方、答えを知りたいからで、とても現代的に感じる。一つ一つの内容は正直全然残っていないが、何となく優しい気持ちになれてるし、ちょっと頑張ろうって気持ちになってる。微細だけど。自分としては、「感謝の言葉、私はどうでもいいのですが、郷土愛、カルチャー・リッチ、人生学、自立はできない」の6編が好きだった。以上!
Posted by ブクログ
河合隼雄先生がかつて新聞に「しあわせ眼鏡」という題目で寄稿されたエッセイ集である。
心理学に限らず、先生が日々感じたことを綴られている。
特に印象深かったのが
・「らくがきフルートのお話」
・満ち足りた人生の話
・悲しみのお話
・昇りつめた幸福のお話
・自立は出来ないお話
Posted by ブクログ
しあわせ眼鏡。いろいろな体験を大切にしたい。河合隼雄さんでもこんなにたくさん綴るのだから、私も幸福ってなんだろうって考えてみよう。
モモを読み返したくなった。時間に追われていないか?のびのび生きる工夫をしているか?
2016.4.29
Posted by ブクログ
幸福というものが皆が安易に考えているものではない、ということを示す良書。
お金を儲けること、社会的地位を獲得して保つこと、便利な世の中に生きること、そしてそれを維持することに皆が揃って汲々とする。実はそれは幸福にはつながらず、むしろ不幸していると著者は言う。
生きる実感が大事であったり、好きなものがあることだったり、家族のつながりだったり、我を忘れてのめり込む時間だったり。
それが幸福につながるという主張。
心をリセットしてくれる言葉に満ちたエッセイ。
時々読み返してみよう。
Posted by ブクログ
ゆとりのある見通しを持つことや、対話することの大切さを説いていた。好きなことがあると幸せにつながるというので、好きなことを見つけて大事にしていきたいと思った。
Posted by ブクログ
感想ではなく、雑感を述べさせていただきます。
目次の後に「写真提供:河合嘉代子」と奥さんの名前がある。本文には写真は無いのに・・。よく見ると、カバーの見返しに河合さんの笑った顔写真があった。(これか!)
この本の底本は「しあわせ眼鏡、1998 海鳴社」だが、家族や子供たちや日本人の将来を俯瞰的に見てしあわせを論じている。
なので、この本の「幸福論」という表題はおかしいと思う。購買部数を増やす出版社の営業的な戦略だと思う。「幸福」ではなく、あくまでも「しあわせ」。この題名変更を河合隼雄さんは許可しないと思う、今でも。
それに、内容を調べると、半数は「幸福」というテーマに関連してない、教育論であったり、社会批判だったりである。
この本には合計30冊もの本の紹介されている。本の紹介で、お茶を濁して、文字数を増やしている感は否めない。
類似本のこの本の6年前に出版された「こころの処方箋、1992刊」に本の紹介が何冊あったかを調べたが、夏目漱石と白洲正子の本、2冊だけだった。この違いをどう見るか?これは「こころの処方箋」は、トーハン(出版物専門商社・取次会社)の「新刊ニュース」という月刊誌に載った随筆なので、利害がからんで、やたらに本の紹介ができなかったのかもしれない。(「幸福論」は中日新聞などに掲載されたエッセイ)
PHPの新装版は2014版と2023版の2回あるのだが、2014版はエッセイ数が59とある。河合さんの本論の内容は「しあわせ眼鏡」からずーと変わらないので、エッセイ数はどれも60で2014年度版のカバーにかいてある59は間違い。
Posted by ブクログ
最終の頁の「音のない音」の話がフルートの音色に例えた他人の理解、幸福の定義が絶妙で腑に落ちた。
言われていない和音、音のない音に耳を傾けることが大切。
幸福というものは、厚みを持つためには、悲しみによって支えられなくてはいけない。
Posted by ブクログ
儀式 人が死ぬ。今まで存在していたものが急に無に帰してしまう。いったい人間はどこから来てどこに行くのだ。このような根源的な問いかけに科学は答えを提供してくれない。
Posted by ブクログ
「一般に幸福と言われていることは、たいしたことではなく、自分自身にとって『幸福』と感じられるかどうかが問題」で、幸福は目標にするものではなく副次的なもの。「何か好きなものがある、ということは、『しあわせ』につながる」というのはほんとにそうだなと思う。
20年以上前の本でテーマ含めちょっと古い感じがする部分もある。
Posted by ブクログ
『一般に幸福と言われていることは、たいしたことではなく、自分自身にとって「幸福」と感じられるかどうかが問題なのだ。地位も名誉も金も何もなくても、心がけ次第で人間は幸福になれる。』人間は何かと上や下を見て人と比較をして幸不幸を考えるが、大切なのは足るを知ることだと教えてくれる。