河合隼雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ごく短い本だが、ユング心理学という今まで考えたこともなかった世界へと思考を飛ばしてくれる。
一般に大学などで教えられる心理学は認知心理学や社会心理学といった、データや実験に基づいた文理融合型の学問、というイメージがあるが、この本で扱われるユング心理学は全く異なる。
そもそも深層心理や集合的無意識という概念自体が実験・観察に基づいて発見されたというよりは仮説的に観念されたものという感じだし、その裏付けとして所々に挿入される実際の患者の夢もあまりにも荒唐無稽で、こんな夢を見る人が本当にいるのか、と疑いを挟みたくなる。
総じて今までの自分の常識や固定観念からは受け入れ難い思考法で、これは科学といえ -
Posted by ブクログ
20年ほど前に読んだ本の再読です。
主に、以下の本を元に話が進行しています(詳しく調べれば、この倍の参照本がこの本の中で紹介されているはずです・・河合さんの読書量は凄すぎる)
ベバリー・クリアリー ラモーナとお母さん
カニグズバーグ クローディアの秘密
ケストナー ふたりのロッテ
バーネット(小公子が有名)秘密の花園
キャサリン・ストー マリアンヌの夢
王様の耳はロバの耳
ボーマルシェ フィガロの結婚
フィリパ・ピアス まぼろしの小さい犬
フィリパ・ピアス トムは真夜中の庭で
アリストン・アトリー 時の旅人
ルイス・キャロル 不思議の国のアリス
ミハエル・エンデ モモ
石井桃子 ノンちゃん雲 -
Posted by ブクログ
可愛い魚のイラスト、そしてユーモアを交えたイワシやその他の魚たちの生態系や人間との関わり。
著者のビルフランソワ氐は、若干二十代のフランスの物理学者であり、自然保護活動家でもあるらしい。
2019年の仏でのスピーチ大会で優勝に輝いたのが25歳の著者で、題材にしたのが「イワシの雄弁術」。そして本書の出版権利を手にしたらしい。仏で高く評価されているだけでなく、蘭、独、伊、葡、波蘭、英語に各翻訳されているとのこと。
以下の章で構成されているけど、海の生き物たちの生態を元にした物語が、本人の回想や自然科学や歴史のエピソードと一緒に紡がれる。
そんなに魚な好きなのね。
いくつか面白いなと思ったこと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトリックスターという存在は河合隼雄先生の著書でよく語られているので、他の著書を読んでいると頭に入ってきやすい。
あくまで主体は子どもで、問題解決のための場がやってくるのを大人は待つのみという部分、頭で分かっていても実行するのは難しそうである。
また、少し考えればおかしなことも教育者が口にすればまかり通るという恐ろしさについて言及されているが、納得できる。教師は勉強を教える能力だけでない知恵を備えている必要があると感じた。そして、教師の人手不足が問題視される今日において、そのような先生はとても少ないのだろうと思った。
子どもの尊さについて学べる本。