河合隼雄のレビュー一覧

  • 働きざかりの心理学

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    ネタバレ

    人間の人生は上昇と下降を同時におこなっているものなのである。生きていることは常に死という裏づけをもっている。若さにものを言わせて、どんどん上昇しているように思っているときでも、それは実のところ死に近づいているのであり、老人になってひたすら体力は衰えてゆく一方であっても、たましいの方は上昇を続けていることもある。 ハッとさせられました。人間って深いなぁ!

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    2015年11月27日
  • 人の心はどこまでわかるか

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     学校や病院など、様々な場所に勤務する臨床心理士たちからの質問を、著者であるベテラン心理士が回答する形式。臨床心理の現場で心理士たちはこういう問題に直面するのか、ということがよく分かり、興味深い。

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    2015年08月24日
  • こころの読書教室

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    20冊の本をテーマに心の扉を開く話。膨大な量の中から読む本を選ぶか?書評を参考にするか、尊敬する人の推薦するものは必ず読むとのこと。尊敬する人を増やすには、尊敬できるような人と数多く接する必要がある。対談集を数多く出してる著者や司馬遼太郎さんがすごいのはこういうところにありそうだ。もちろん、今回お薦めの本は読んでいくつもりだ。2015.5.24

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    2015年09月06日
  • 仏教が好き!

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    ほんわかトークでわかりやすい。仏教のみならず他の宗教の話も聞けて良い。最後の章にて曼荼羅と量子物理学にそんな橋を渡すか!と衝撃を受けた。凄い飛躍というかアイデア!

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    2015年05月23日
  • 猫だましい

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    ネタバレ

    先生の最大の評価は、100万回生きたネコでした。異論ございません。いずれも亡くなって、この世は寂しいばかりです。

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    2015年04月19日
  • 河合隼雄の幸福論

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    幸福というものが皆が安易に考えているものではない、ということを示す良書。
    お金を儲けること、社会的地位を獲得して保つこと、便利な世の中に生きること、そしてそれを維持することに皆が揃って汲々とする。実はそれは幸福にはつながらず、むしろ不幸していると著者は言う。
    生きる実感が大事であったり、好きなものがあることだったり、家族のつながりだったり、我を忘れてのめり込む時間だったり。
    それが幸福につながるという主張。
    心をリセットしてくれる言葉に満ちたエッセイ。
    時々読み返してみよう。

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    2015年03月17日
  • こころの読書教室

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    潜在意識が、「それ」という存在として、昔から様々な文筆家に扱われてきたこと、ユングが探究してきたことを理解する糸口になる厳選された図書が紹介されている。残念ながら、どれもまだ読んだことがない。

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    2015年01月11日
  • こころの読書教室

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    こころの問題を文学を通して論じているところに感銘する。河合さんが推薦している本は村上春樹のアンダーグラウンドとねじまき鳥クロニクルしか読んでないので他の本にも挑戦してみたい。河合さんの関西弁や人柄に親しみを感じた。

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    2015年01月07日
  • こころの最終講義

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    こころが欠けているときはファンタジーが欠けているのだ。

    こころっていうとよくわかんない感じisやばいけど、その人の持っているファンタジーって読み替えてみるともっとわかりやすくなるし、それをやっているのがユング系の人なんだなと思った次第。

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    2014年12月28日
  • 家族関係を考える

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    相手は自身の鏡というが、
    感覚的に受け取れても、
    自身のこととなるとわかりにくい。

    この反射現象を、現場現象として読みやすい一冊。

    また、自分の生き方として、どう終焉を迎えるのか?
    自分らしい老い方を考えるために、安心できる視点をもらえる。

    ○老人はなにをしなくても、そこに存在するだけで、多くの意味を与える

    そんな社会、地域関係、ご近所関係、家族関係が
    老いた自身の周りにあることを想像する。

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    2014年09月11日
  • ケルト巡り

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    ケルト文化というと凄く古いものということしか知らなかったが、河合先生の語る日本との共通点にはワクワクした。文字を持たないので、口承で伝わってきた物語は今でも語り継がれていること、ドルイドについてもしかり、特にその宗教とも言えない自然などに対する信仰というか、きっと文字だけでは伝わらないものがあるのだろうと思うと興味が湧く。
    パブや人の集まる場所では自然と「昔話を語る」人が皆にお話するという。アイルランドに色濃く残るケルト文化に憧れる。いつかアイルランドに行ってみたい。
    イエーツはアイルランド人だということを知った。なんとなく自分には理解が難しいかなと思っていた詩人だが日本的な感覚との共通点を探

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    2014年09月13日
  • こころの読書教室

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    凄く良い本でした。

    河合隼雄さんは臨床心理学で専門的なイメージがあってなかなか手がでませんでしたが、タイトルが「心の読書教室」ということで読書が関わっているなら私も楽しく読めるかもと思って読みました。

    文章は話し口調で凄く分かりやすい文章です。
    隼雄さんが関西の方で関西弁なので、関東の方はしっくりくるのか分かりませんが私はすんなりと読むことができました。

    読むだけでセラピーを受けているような少しづつ心の重さが軽くなってきて、本当に本当に不思議な本です。

    大して、心理的なことが書いてあるわけではないのですがどこかほっとする、難しく考えなくてもいいやーというような優しく面白く軽い雰囲気があ

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    2014年08月12日
  • フロイトとユング

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    小此木啓吾、河合隼雄両氏の対談です。治療のことだけでなく、フロイト、ユングについても語られています。フロイトとユングのことを、著作や心理学の入門書で読むよりも身近に感じられた気がします。もっと色々読んでみたくなりました。

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    2014年08月01日
  • こころの最終講義

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    隠れキリシタンのお話がおもしろかった。
    日本人の心象に合うように、
    丸く丸く収めていったという。

    読み終わり1週間経ち、こころに残ったのは、
    カウンセリングの話。
    すさまじい体験をしている患者に、こんなになってよく耐えられますねと河合先生が言ったら、
    「だって最初に会ったとき先生に、なんで自分はこんなめにあうんでしょうと言ったら、それはあんたの魂が腐ってるからでしょうと言われたから、腐ってるものをよくするんなら相当のことを覚悟しなきゃならないなと思ったんです。」
    と患者に言われた。でも先生自身そんなこと言ったか覚えてない・・・ぽんと出た言葉だったのだろうと。
    腐った魂とはどういうことかよくわ

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    2014年06月29日
  • こころの読書教室

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    表紙の笑顔で星5つ・・・

    河合先生がお勧めする本のなかに、
    子どものころに読んだ本があり、あ・・・中学生の時に読んだ・・・と思いだしたことに軽いめまいが(笑)いったい何十年前でしょうか。
    お勧めの20冊の中で、何冊読んだかなと数えてみたら
    12冊読んでいた。
    河合先生のこの20冊を、読んだものも含めて全部読んでみるのも楽しそうだな。

    トムは真夜中の庭で の本を説明しているとき引用した部分があって、おばあちゃんが寝ているだけでも、孫にとっては心の深いところで成長の役に立っている、と河合先生は仰っていた。
    他の本でも、人間生きているだけでそれだけで凄いことなのですと仰っていて、つくづくそうだな

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    2014年06月01日
  • 影の現象学

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    2014年37冊目。

    「影」の存在の恐ろしい面ばかりに囚われている人は必読だと思う。

    世界的・歴史的に「影」はどのように扱われてきたのか、というそもそも論から丁寧に始まり、
    心理学的に「自我」に対して「無意識」に潜む「影」の正確をもの凄く分かりやすく解説する。
    病的な症例から見られる「影」、そして神話や文学作品の中に見られる「影」の具体例が豊富かつ的確に示されてゆき、
    「影」に潜む創造性を手にする可能性を示してくれる。
    (もちろん、「影」との接触の危険性も十分に論じながら)

    この本のおかげで、自分の中でいくつかの扉が開いたのを感じた。
    何度も戻ってきたい素晴らしい名著。

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    2014年05月17日
  • こころの読書教室

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    河合隼雄が4つのテーマに即して選んだ本、数冊を解説しながら、それを基にして人間の心のことを考えるという本。講演なので、各章の最後に質疑があり、理解が深まる。

    それぞれの章の冒頭に、「まず読んでほしい本」数冊と、「もっと読んでみたい人のために」数冊があげられる。

    小説、心理学、宗教学、児童文学、絵本・・・と幅広い。
    「読まな、損やでぇ」という。

    Ⅰ 私と“それ”
     山田太一「遠くの声をさがして」・・・幻聴
     ドストエフスキー「二重身」・・・もう一人の自分が見える
     カフカ「変身」・・・引きこもりのような
     バーネット「秘密の花園」・・「人間はみな心の中に庭を持っている」

    Ⅱ 心の深み
     

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    2014年05月06日
  • こころの読書教室

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    臨床心理学者として河合先生は、患者さんが直っていく過程はその人のならではの”物語”を自ら獲得していくことであり、医者は隣で話を聞いているだけだと述べられていた。

    本書は児童文学から学術書まで、多くの書物を通じて人の心の働きを読み伝えようとしたもの。優れた文学作品が人の心の深い動きに触発され、登場する人物の”物語”を伝えるのであれば、そこに人の心の働きを読み解く鍵が存在しているはず。

    我々が通常生活の中で意識できる自我、その背後に存在する無意識の領域(エス)、この総体として人の心がある。心の扉の向こう側の無意識の世界は、時に開かれた扉から顔を出す。夢の中で無意識に自覚される事象に、心の奥深く

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    2014年08月24日
  • こころの最終講義

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    京大での最終講義をメインにした講演集
    主たるテーマは「物語」
    東洋と西洋を比較し、日本人と西洋人の自我を比較している。 隠れキリシタンにおける物語には、聖書とは違う部分がある。「日本霊異記」「とりかえばや物語」「柳田国男」・・・を心理学から解く。

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    2014年05月05日
  • こころの読書教室

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    いや、河合隼雄の中でもベストかも。学問的にどうかは分からないけど、エッセイとして見てもすごく腑に落ちる。四つのテーマについて、五冊の本を紹介しつつ心理学の解説にもなっている、という。書評の形で例示されているので分りやすかったように思う。ぜひ。

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    2014年02月16日