河合隼雄のレビュー一覧

  • 影の現象学

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    ユングを扱う学者さんの著書であるからそれなりに難易度が高い。というか、一読だけでは、正直分からない!河合隼雄氏の著作を何冊か当たらなければより深い理解には至らないであろう。
    そのうちに再読を自分に課す事になろう本。

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    2026年07月11日
  • 大人の友情

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    ネタバレ

    若松英輔・山本芳久『危機の神学』で、現代の私たちにとり「コスモロジー的な生き方」が重要であるという示唆を得た。また、河合隼雄『明恵 夢を生きる』を読み、それは「出会うできごと全てが、自分と意味のある関係がある」と受け入れる人生態度のことだと理解した。
    そこで、この考え方をより身近な観点で深めたいと思い、以前読んだことのある本書を再読した。

    まず、本書における「友情」の範囲の広さが改めて印象的であった。
    著者は、いわゆる「同性の友達」だけでなく、男女、夫婦、家族、上司と部下、師弟関係にも友情は働いているという。それだけでなく、石やぬいぐるみなどの「もの」、ペットや植物、そして「神」との間にも友

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    2026年07月09日
  • 明恵 夢を生きる

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    ネタバレ

    キリスト教(カトリック)の世界の本にしばらく立ち寄ったのち、河合隼雄のユング心理学に戻ってきた。人の霊性とその表現ということを考える時には、私にはやはりこの分野が一番わかりやすい。
    先に読んだ若松英輔・山本芳久『危機の神学』に、「私たちにとって重要なのはイデオロギーではなくコスモロジーなのではないか(註)(第二章)」とし、「コスモロジー」を説くものとしてこの本を引用されていたので、読んでみることにした。

    著者は、「イデオロギーよりコスモロジーへの変換が現代において生じつつあると思われるので、明恵に対する評価は(高いほうへ)急激に変化するのではないか」(第二章)としている。明恵は、法然や親鸞の

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    2026年07月05日
  • こころの処方箋

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    全体的に心の自然さを肯定してくれる温かさがあった。
    常識を書いたと言っているが、新たな視点の獲得にも役立つ本だと感じる。

    印象に残った箇所
    ・ふたつよいことさてないものよ
    →いい事があれば悪いこともある。悪いことは良いこととのバランスのために存在している。

    ・自立は依存によって裏付けられる
    → 自立と依存は対立しない。必要な依存が自立を助ける。

    一見ストレッサーとなることや、悪い出来事・ネガティブな感情や行動は、排除しようとするのではなく、その中に意味や役割を見いだし、受け入れることが大切で、さらにそれらに自覚的であることも必要。排除しようとしてきたものにも価値があり、それを認めることで

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    2026年06月29日
  • 子どもの宇宙

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    子どもの内面の広大な宇宙の存在に、気づけるようにありたい、と思える。
    紹介されていた児童文学に、それぞれじっくり向き合ってみたい。
    今からでも、子どもの宇宙を思い出すのに遅くありませんように!

    〈読みたくなった本〉
    『クローディアの秘密』 カニグズバーグ
    『ふたりのロッテ』 ケストナー
    『秘密の花園』 バーネット
    『トムは真夜中の庭で』 フィリパ・ピアス
    『ノンちゃん雲に乗る』 石井桃子
    『ジョコンダ夫人の肖像』 カニグズバーグ
    『人間の深層にひそむもの』 河合隼雄

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    2026年06月16日
  • 泣き虫ハァちゃん

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    河合隼雄先生の最後の本、だということを知らずに読み始めたら、これがまた引き込まれる。
    河合先生の自叙伝的なものは過去にも読んだことがあっただろうけれど、
    優しい挿絵と、印象的な描写にグッと惹き込まれる。
    もっともっと読んでいたいのに、続きがないのが残念。

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    2026年06月11日
  • 中年危機

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    もの凄く面白くてここ数年の間でもっとも夢中になって読んだ一冊になるかもしれない。
    中年としての生き方のヒントを得られたこともあるが、文学作品への河合さんの考察がとても面白い。『異人たちの夏』の章は本をとる手に力が入るほどだった。

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    2026年05月28日
  • コンプレックス

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    どんな自分も自分だって思えた
    私が嫌だと思う面、劣っていると感じている面も自分だって受け入れることで、自己肯定感?が逆に上がった気がする。うまくいかなくてもがく自分、なりたい自分に向かっていけない自分でも、否定するのではなく認めたいと思う

    このフレーズが印象に残った(p.27)
    「発展を求めるものは、どこかで開いていなければならない。完結しているものに発展はない。しかし、開いているものは、危険にもさらされている」

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    2026年05月17日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    「生きる意味」は?と聞かれて「死ぬまで生きる」と答える人生を歩んできました。多分そこには「自分らしい人生」をおくる、という物語があった気がしました。
    人の命は短く、ままならない。その中に自分だけの物語を紡ぐことが全ての人に、必要なのだと、改めて考えさせられました。
    そして、架空の良質な物語を紡ぎ出す、小川さんをはじめとする文筆家の魔法で、我々は日々生きているのだと、感謝です。

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    2026年05月10日
  • こころの読書教室

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    自分のこころのわけのわからない気持ちとか、自分でも知らないような自己とか、読み終わった後も自分なりに噛み砕くのが難しく、だからこそ何度も読み返したくなる本だった。
    言葉にできない、自分でもわかっていない自分を知るきっかけになるような河合さんのおすすめの本を知れる本。
    児童文学などなかなか大人になってから読まない本も多く登場するが、河合さんの視点を踏まえて自分なりに解釈して読んでみるときっとおもしろいのだろうな。私はネズミ女房と、村上春樹が特に読みたくなった。

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    2026年04月22日
  • 笑いの力

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    シンポジウムの文字起こしなので読みやすい。
    いくつか印象的な話もあり有意義だった。
    血糖値などは興味深く、子どもの表情については二十年後の今はどうなのだろうかと思ったり。有意義な内容だった。

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    2026年04月20日
  • こころの処方箋

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    臨床心理士の河合先生が雑誌の連載で書いたエッセイをまとめた本。自身の知見を活かして、人間の心の特徴を描き出す。表面だけでなく、深層まで捉えようとする著者の観察眼がとても勉強になる。向き合うのが大変な内容もあるが、自身を振り返るのにも、周囲の人間を理解するのにも有益な名著。

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    2026年04月18日
  • こころの読書教室

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    河合隼雄先生の著書でしかも文学作品を臨床心理学者の視点から解説ということで、絶対に面白いだろうと買って何年も前に読んだ本。内容がやっぱりとても面白く、当時本書で紹介されている本を片っ端から読みたいと思いつつ、結局時間をつくれずにいた。

    最近ようやく少しずつ読書の時間を確保できるようになり、積読してあった『ねずみ女房』を読み、ふと思い出して本書のねずみ女房について解説された部分を再読。
    読みが深くて面白い。自分で読んだだけでは得られなかった解釈に触れられた。こういう読書の仕方も楽しい。
    本書に載っている本を少しずつ読み進めていきたい。

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    2026年03月27日
  • はぐれイワシの打ち明け話~海の生き物たちのディープでクリエイティブな生態~

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    海に隠された神秘について。

    タイセイヨウサケはグリーンランドの海から、自分が生まれたブルターニュの小川の香りを感知し再び故郷の河口に辿り着くことができる。クジラは特別な海水の温度域を使って何千キロも離れた場所まで自分の声を届け、仲間と歌で呼び交わしている

    “耳に水が入った時に聞こえる
    「ごぼごぼ」という音の中には
    遠くの火山や姿を見せないクジラの歌声の響きが含まれている” (p32)

    自分のヒゲをかき鳴らして耳障りな音楽を奏で、捕食者を追い払うイセエビ、歌を歌うクジラ、イワシの群れを見つけて鳴き声を上げ、その場にいるすべての動物を奮い立たせるアジサシ。

    “海が僕たちに語りかけてくる。会

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    2026年02月14日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    小説家・小川洋子さんと心理学者・河合隼雄さんの対談本。

    最近、私のなかで対談本が、アツい。
    この本を読む前に、村上春樹さんと河合隼雄さんの対談本を読んだ。
    宙をただよう概念が、思いもよらぬところで、ふっとつながるような体験が、なんとも快感だった。
    その熱量をそのままに、今回この対談本を手にしたのである。

    個人的には、次の一節が、心に響いた。

    「世界中にあふれている物語を書き写すのが自分の役割だとすれば、私はもうちっぽけな自分に怯える必要はないのです。物語は既にそこにあるのですから。」

    小説家・小川洋子さんが、河合隼雄さんとお話しして得た気づきである。

    書くときに、人はものを作り出そう

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    2026年02月14日
  • こころの処方箋

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    繰り返し読むことでバイブルになりそうな一冊。
    読みやすい文体かつひとつのお話は4ページほどなので、隙間時間に読むのも良いし、目次を見てその日の気分に合う部分を読むのも良さそう。
    また時間をおいて読みたい。

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    2026年02月14日
  • 対談集 あなたが子どもだったころ 完全版

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    いろいろな子ども時代があるのだなと圧倒された。
    親がいなくても見てくれる人がいたり、学校へ行かなくてもひとかどの人物になれたりしていて、毎日元気に楽しく学校へ行って、勉強していい子でいることに、今は重きを置きすぎているのかもしれないなと思った。
    子どもの時には、元気に外で友達と遊んで、好きなことに熱中したり、自然と触れ合ったりするのが一番かなと思った。

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    2026年02月10日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    最近は対談集をよく読んでいる。この本もその流れで買った。村上春樹と河合隼雄。小説界と心理学界の大御所対談。やはり面白く、読むたびに自分のなかで立ち上がる何かがある。

    「深く病んでいる人は世界の病いを病んでいる」という言葉が印象的だった。

    病むということは、その人が病んでいる、というよりも、世界や社会、時代の病いをその人が引き受けている、というニュアンスで書かれており、なるほど確かにそうかもしれないと唸らされた。

    私はこれまで社会と個人を分けたものとして考えていたかもしれないが、それは渾然一体としているのかもしれない。

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    このレビューを書いている現在、衆議院選挙が行

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    2026年02月03日
  • こころの処方箋

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    平成4年に刊行されたとは思えない、いや、今だからこそ自分の中の常識や生き方を揺さぶるような新しい発見があり、「面白いっ!」とニコニコして読めた。今の自分にとって時に優しく、時に厳しい内容が項目ごとにあり、勇気づけられたり、背筋をピンと伸ばしてもらえたりできた。個人の生き方あり方としてはもちろん、子どもの前に立つ一教員としても非常に学びが多い名著中の名著だった。出会えてよかった一冊の一つ。

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    2026年01月20日
  • 子どもの宇宙

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    こどもの豊かな発想力や感受性に驚くことがある。私たち大人と言われる人たちも、かつてそうだった。子供と大人は分断されたものではなく、徐々に精神が成熟して、宿命観を持つようになってくるのだ。しかし、子供の時に触れたキラキラした世界や疑問に思ったことはこの歳になっても容易に思い出させてくれる。どうでもいい教科書の暗記は全く覚えていないのに。こどもの時に見ていた、主語が大きくて何事も大袈裟な(三島由紀夫は、幼年時代を時間的にも空間的にも紛糾した舞台である、と述べたがまさにその通りな)世界と、今の見えている世界を行き来できるような自由な精神が欲しい。

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    2026年01月15日