河合隼雄のレビュー一覧

  • はぐれイワシの打ち明け話~海の生き物たちのディープでクリエイティブな生態~

    Posted by ブクログ

    著者の、海と海の生物への愛情が滲み出る文章
    魚や海の生き物が愛おしくなる
    全ての生き物に敬意を払うべきだなー
    と改めて思わされる
    とても好きな本

    0
    2024年12月28日
  • 中空構造日本の深層 増補新版

    Posted by ブクログ

    中空構造とは、特定の中心が存在せず、相反する要素がバランスを保つという構造を指す

    男性原理……ものごとを切断する機能を主とし、切断によって分類されたものごとを明確にする

    女性原理……結合し融合する機能を主とし、ものごとを全体の中に包みこんでゆく。

    西欧のシンボリズム
    男性 太陽 精神 能動
    女性 月  肉体 受動

    「日本人の特徴としてあげられる、敗者に対する愛惜感の強さ、いわゆる判官贔屓の原型となるものであろう。」p46

    スチューデントアパシー

    すべてをどこかで曖昧にし、非言語的了解によって全体がまとまってゆく。p71

    英雄誕生にまつわる数々の不思議な物語は、自我の来歴を、人間の全存在の中に意味づけるのに、最もふさわしいものなのである。

    昔話がもっとも無意識的なものを示していると思われる。

    p89「現実原理」(親の言いつけ)
    「快楽原理」(狼の誘惑)

    日本の昔話……現実の世界とおとぎの世界との境目が溶けちゃっている。p96

    境界を不鮮明にして全体性を求めるp98

    睡眠時には、むしろ内界に対して「目を開く」ことになる。

    「内的事実」……自身の経験の意味付け、統合。

    幻想を全否定した近代人は神経症という怪物に悩まねばならない。p114

    「人間にとって大切な『個』としての感情を強めるには、その人が守ることを誓った秘密を持つことが一番いい方法である」
    「自分自身が主人であると思い込んでいた自分のもっとも個人的な領域の中に、自分よりもより強力な他者の存在することを、目の当たりに顕示されることになる」ユングp122

    自己の相対化。
    自己-他者という関係性の中でしか自己は存在しない……と。(そこまで言ってない?いや、実際そうだろ)

    しかし、生と死の世界が区別を失うとき、世界はまったく平均化された静止、無の状態になってしまう。そこには、無気力、無感動が漂うことになる。p127

    「子どもの目」を通して見た文学……p134

    (トリックスター文学、とでも言おうか。)

    完成するはずのものが別れて立ち去っていくところに美しさを見出そうとしたのではないかという気がします。この立ち去る、消え去ることの美しさというのが、日本人にとっては美意識と結びつくのではないかと思います。p149

    ここで何か女性にとって非常に大事なもの、女性にとって絶対的な秘密と言っていいもの、それは大事なものであるけれども醜いものであるかも知れないというふうなものを、男は見てはならないという非常に大事なテーマが出てくるのです。p152

    (男女の違いというものを、異類婚として表した。違いを認めて結婚する。同じだと思うから齟齬が生じる。)

    (「統合をする」とは「秩序を齎す」ということと言い換えられるか)p188
    虐待児の持つ人間関係は「支配-隷属」関係になるが、それは虐待という経験をなんとか統合しようとした結果なのだろう。
    この関係以外受け入れられないため、加害者に感謝するようにもなる……。(虐待的きずな)

    ……人間の意識構造のみでなく、その全存在にかかわるおそれを惹き起こす……全存在をゆすぶる体験を、霊的な体験といってよい……p198
    近親相姦……自然の法

    母性の原理とは、端的にいえば、すべてのものを平等に包括することで、そこでは個性ということを犠牲にしても、全体の平衡状態の維持に努力が払われるのである。p209

    (日本の教育も母性原理やなあ)
    家出……個としての意識を持つ、母性原理からの脱却。

    p229ドイツ国民を指導する英雄などではなく、ヴォー タンの元型の作用する集団現象の上に乗っかった兆候のひとつであったことが解る。その 彼が自らをヴォータンと同一視し、無限の力をもつと過信したとき、崩壊はまたたく間に 生じることになったのである。

    ヒトラー個人への崇拝ではなく、世界観信仰ね。

    母性原理に生き方のひとつとして、「あきらめ」ということがある。p247

    日本人は自因の文化?p253

    外交的な人は、自分の内的なものを外的事物に投影して考えることが多い……p254

    父性-母性と国民性p256

    0
    2024年12月15日
  • モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略

    Posted by ブクログ

    現時点の科学で判明している
    生物学・進化心理学的に
    女性が恋愛する時 
    どういうところを評価して好きになるのか
    わかりやすく解説しています。

    本書は
    女性にモテたい男性へ
    向けた本になっており

    生物学・進化心理学的に
    女性はどういう男性に
    本能的に惹かれるのか書かれています。

    ただし、本書では 恋愛・結婚は
    どちらかが一方的に搾取し搾取されるもの
    ではなく 男女両方が
    お互いにウィンウィンになるような
    恋愛・結婚が望ましく、それを手に入れるための
    『倫理的なモテる技術』についての
    解説だということをいうことを念頭に置いて
    読む事が大事だと 根気強く伝えています。

    また、
    本書は一応 男性をターゲットにして
    書かれていますが

    女性がなぜ男性に対して
    怖さや拒否感を感じてしまうのか
    科学的に分析・解説されているので
    女の人にも十分参考になる本だとも思います。

    性教育や恋愛する時
    お互いを尊重して付き合うために
    どういうところを注意する必要があるのか
    について勉強したい時に
    大変おすすめできる本です。

    0
    2024年10月02日
  • こころの天気図[新装版] 「自分」を知る146のヒント

    Posted by ブクログ

    相変わらず河合隼雄本は、まあ家庭の事情とかじゃない限り深くハマって、出る時には何か別の考え方を手にして出るし、そのうち行き詰まってまた顔を出したりする。

    何がどうとは、伝えづらい。
    頁を捲ると「さっきそれあった。」となってしまう。高確率で。

    事象に論理を充てるのは野暮だ。

    効くと思えば後日色んなところで効くし、本人もこれが魔術の類でないことなわかっている。

    疑い深いこと。それは自分の宝石の一つである。

    0
    2024年09月28日
  • 河合隼雄のカウンセリング入門 実技指導をとおして

    Posted by ブクログ

    河合先生による質問会?の内容を書籍化したもの。

    参加してみてこうでしたみたいな形式ではなく、実際に河合先生と何人かの相談者の方が喋っている内容を文字起こししたような形式。
    これがとても良くて、実際のリアルなやり取りだとか息遣いみたいなところも容易に想像できる。だからとても面白くて会場に居るかのような感覚で読めた。
    ここまでではないものの、1on1で相談を受ける立場でもあったりするので特に河合先生の聞き方であったりポジションの置き方みたいな部分はとても参考になった。

    何度か読み返したくなる本の1つ。

    0
    2024年09月01日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

    Posted by ブクログ

    優しい、柔らかい言葉の中に散りばめられたメッセージ。
    分けられないものを分けてしまうと、大事なものを飛ばしてしまうことになる
    噛み締める。

    0
    2024年08月19日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

    Posted by ブクログ

    河合隼雄さんが入院する2ヶ月前の対談で、最後の対談と言われている。
    相手が作家の小川洋子さんだからかもしれないが、河合さんがリラックスして喋っている。
    以下の小川さんの追悼の話が、どうも私の頭から離れません。

    『対談の途中、先生は一度、深い悲しみの表情を見せられました。御巣鷹山に 墜落した日航機に、九つの男の子を一人で乗せたお母さんの話が出た時でした。 心弾む一人旅になるはずが、あんな悲劇に巻き込まれ、お母さんは一生拭えな い罪悪感を背負うことになったのです。その瞬間、先生の顔に浮かんだ表情、 思わず漏れた声、 宙の一点に絞られた視線、それらに接した私は、失礼にも「先生は本物だ」と確信しました。』

    という小川さんの話です。
    河合さんは、いろんな著書で「ほんとうの父性を日本の父親は持たなければいけない」と啓蒙している張本人なのに、やってること(カウンセリング)はまったくの日本人的対応でやさしすぎるということが、わかるエピソードですよね。西欧の父性的理論は熟知していても「三つ子の魂、百まで」ということでしょうか。

    0
    2024年07月28日
  • 新・新装版 トポスの知 [箱庭療法]の世界

    Posted by ブクログ

    哲学と臨床、それぞれの立場から箱庭療法について語っていますが、お二人の視点に大きなズレがないためにストレスなしで読めました。
    古い本のはずですが、箱庭解釈は全く古くなく、カラー写真も多いので勉強になります。

    0
    2024年07月14日
  • スヌーピーのもっと気楽に(1) なるようになるさ

    Posted by ブクログ

    冒頭の河合隼雄氏の解説に惹かれて入手した本でした。
    今回久しぶりの再読でしたが、朝から何度もクスッと笑わせてもらえました。
    ところどころに登場する印象的なセリフの中で、今回一番印象に残ったのは「自分以外の人間になりたいと願いながら、人生を送るのは耐え難い」でした。
    特定の誰かにあこがれて、その人のようになりたいと努力することで得られるものも多いので、そういう姿勢を全否定はしないのですが…
    「自分以外の誰か」になろうとしているから、自分の長所・適性を活かすことができず、幸福度を自ら下げてしまっている(ように見える)ケースをよく見るので、上記のセリフは一定の真理をついているようなぁとしみじみと感じました。

    0
    2024年07月12日
  • 読む力・聴く力

    Posted by ブクログ

    2005年の講義を書籍にしたもの。
    会話をそのまま文字に起こしたような文体で臨場感がありますが、文中にもあるように、その場でしか伝わらないものもあったのかなと思います。

    2005年当時、まだスマホが出る前の講義ですが、すでに谷川俊太郎が

    あまりに複雑で巨大すぎて、俯瞰する能力を失うのが怖いというのはちょっとありますね。そのときに俯瞰できる能力は何かというと、それは一種の、実際に生きてきた、一人ひとりの人間の経験による知恵みたいなものではないかと思います。その知恵的なものを信頼していないと、知識的なものをコントロールできないと言えばいいのか、そんな感じがします。知恵はいったいどうやって自分の中で育んでいけるのかということは結構大きな問題としてあると思います。(谷川俊太郎)

    というように、インターネットを介しての情報の氾濫について、個人のリテラシーが問われるというような警鐘を鳴らしています。

    0
    2024年07月06日
  • 河合隼雄の幸福論

    Posted by ブクログ

    著者の愛情深い生き方が端々に感じられて、とても素直に読めた本でした。
    河合隼雄さんという方は、心理療法の「権威」でありながら、読んでいて威張るところがいっさい感じられない、まさに、かざらないで生きておられた、僕からすれば、最高に素敵で格好いい人でした。
    そして、ご自身も含めた多くの生き方・感じ方を紹介することによって、「幸福論」をつむぐところに、河合隼雄さんらしさが滲み出ていると思いました。
    涙するところが多くありましたし、私自身もある種の理想や確信、希望を授かりました。
    特に、最後のエピソードは、非常に感動的なものでありました。

    0
    2024年06月29日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【自己治癒的な作業】

    1995年11月に、村上春樹さんが京都にいる河合隼雄さんのところへ行き、対談されたときのお話。
    書きおこしに加えて、それぞれのコメントの追記があり、より話の内容への理解を深められる形になっていました。
    阪神淡路大震災とオウム真理教の地下鉄サリン事件があった年。

    そして村上春樹さんは、
    1994年に『ねじまき鳥クロニクル』の第1部、第2部を出し、
    1995年にはアメリカから帰国後に、8月第3部を出されたところでした。

    この作品を取り巻く思考が、河合先生とのお話の中で続けられていて、
    とても興味深く、
    私は昔に一度読んだのですが、
    まったくの無知でしたので、
    この対談を踏まえ、
    再読したいと思います。


    ・コミットメントとデタッチメント
    村上春樹さんが、小説を書く際に考えられている概念。
    小説的、外部的、という言葉で説明されていたけれど、
    内側にある自分ー個人として どう社会と外部と関わるか
    河合隼雄先生が言われていた、「自分の全所在をコミットさせること」を学ぶ。

    プロとして仕事をする、ということなのか、
    人生として何をするか、という話なのかな、なんて勝手に考えながら。

    自分は一人しかいない、
    人生は一度、
    その事実に向き合うことでもあるように感じました。

    対談では、社会的な出来事にも触れられ、この言葉は引き続きこの対談のキーワードとなっていました。


    ・非言語
    河合先生が推進されていた箱庭療法に関心を寄せる村上春樹さん。
    イメージを使った心理療法ですが、先生は、言語かだけが治療ではないことが強調されていました。
    視覚思考や、言語化されるプロセスを経ない、ある種潜在意識下の心理に焦点を当てているという点、
    先日読んだ、『#第1感』の本や『#ビジュアルシンカー』の本とも通ずる部分があり、
    私自身も興味深く読みました。

    村上春樹さんは、小説を書くことにこの心理療法に似たような部分があり、自己治療的な行為だと話されています。
    自分でもうまく言えないこと、説明できないことを物語に置き換えていく、と。
    Spontaneous な物語でなくてはいけない、なぜなら、「予期せぬものに対して、さっと素早く対処する際のスタイルの中に、小説的な意味が含まれている」、と。
    意識的な言語化のプロセスは、ある種思考を完結化するプロセスでもあるので、
    その中で失われてしまう情報がある、
    小説は、言語で成り立つけれども、現実世界にとらわれないイメージ、を生み出すための想像性があるので、
    そこには非言語の思考を伝える可能性があるのだなーと感じました。

    そして、「部分的には読者も癒すもにでなくてはならない」とも。
    読者からのプラス・マイナスのフィードバックも、自己治癒の一部であり、それを「手応え」として話されていました。

    ・社会の矛盾を抱える自己
    河合先生曰く、
    60年代の反体制への抵抗、
    本質的に体制に組み込まれている反体制に、コミットすることがいかに空しいか。
    そして今(1995年当時)、反抗するものがない時代。
    オウム真理教の存在、阪神淡路大震災とボランティア、

    アメリカに在住されていた村上春樹さんにとって、湾岸戦争は個人的にも衝撃的出来事だったようです。
    「日本の戦後的な価値観が、世界でほとんど汎用性を持たない」、という印象的な言葉もありました。
    社会の中の矛盾とどう付き合っていくか、自分がどう社会とかかわるか、
    矛盾の存在に対して、統合性は必要ない、バランスをどうするか、とでお二人が一致していて、
    既存のものへの対抗ではなく、異なる次元を生む、というある種の解決策。昇華、というのか。
    自分なりのスタイル、「生き方そのものという作品」を新しく作るというコミットメント、として話されていました。


    ・井戸掘り
    『ねじまき鳥クロニクル』は井戸が一つの舞台となっていますが、
    その井戸掘りについて、とても興味深い対談がなされています。

    井戸掘りも、治癒であると。
    村上春樹さんがマラソンなどで身体を鍛えていることと、
    それが文章にも表れる、とうことに触れられていましたが、
    身体を伴う作業という点では、修行にも似ているように感じる。

    作品のテーマにもなっている、夫婦、結婚について、
    一側面を強調すると、
    苦しむため、井戸堀りするために結婚する、と解釈される河合先生。
    現代、結婚とは、協力するだけじゃなくて、理解したい、そのために必要なプロセス。
    相手に自分の欠落を埋めてもらうのではないこと。
    自分の欠落を苦しいながらも認識すること、明らめる、直視する内的な経験があるということ。
    男女関係が、井戸堀の治癒に移行していく必要性。

    その前提の考え方は、
    誰もが持っている欠落、皆ある程度病んでいる、と村上春樹さんが話しています。
    人間は自分が死ぬことを知って生きる特殊な動物であり、これもある意味病んでいると言える。

    一人の人間のことに必死になっていたら、世界のことをかんがえざるをえなくなってくる、ということは河合先生が話されていましたが、
    一人の人間は世界の縮図でもあるような、
    生きた人間と深くかかわることが自分と向き合うことになるような、
    そしてそれが社会、世界と向き合うことになるような…。

    ・壁抜け
    小説を書くにとどまらず、芸術行為一般について、治癒的な作用を話されていました。
    「壁抜け」も、村上春樹さんの小説の中で用いられている言葉ですが、
    みんなに通じる表現で、掘り下げる、超えることについての表現として、思考されていました。

    村上春樹さんは小説で言葉にしているものでも、どういう意味なのか、
    「作者にも分からないことがいっぱい入っている」、「小説が自分自身より先を行っている感じがする」、と言っていて、
    この対談そのものも、その言語化されていない思考を模索し明らめていくような作業が続いているといった一面を感じました。

    より速いスピード、より多い情報量、より楽な方向を目指す現代社会に対して、
    小説を書くことが、その一般的風潮と逆な個人的作業であること。

    フィクションとノンフィクションについても、
    河合先生が、
    実際おもしろい偶然がたくさんある、偶然待ちの商売をしている、とユーモア交えて話されていましたが、
    理性では理解できない部分が現実にあること、時々忘れているかもなーと思ったり。意識的に消している部分もあるのかも。


    平和の時代に書く暴力性、本能的なもの、
    そして
    テクノロジーの時代に書く死、
    そうして創造された作品だと思うと、とても深いですね。

    「苦痛のない正しさは意味のない正しさ」
    人生の意義の深め方、ともいえるのでしょうか。

    村上春樹さんが、日本に戻る必要性を感じ、
    何か暴力的なことを予見していた当時。

    その後30年をどう過ごされ、どのように今解釈をされているのかも気になりますね。
    とても興味深い対談でした。

    0
    2024年06月09日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

    Posted by ブクログ

    とても良い。常々思っていた疑問の答えがここにあった。
    小川洋子氏との対話形式なのでストンと心に落ち着く。
    もっともっと対談して欲しかった。小川洋子氏の長いあとがきが良い。繰り返し読んでいこうと思う。

    0
    2024年05月11日
  • カウンセリングを語る(下)

    Posted by ブクログ

    【目次】

    Ⅰ カウンセリングの二面性

    Ⅱ カウンセリングと学派の相違

    Ⅲ カウンセリングの日本的特性

    Ⅳ これからのカウンセリング

    Ⅴ カウンセリングと宗教

    Ⅵ カウンセリングと人間の「魂」

    0
    2024年04月20日
  • カウンセリングを語る(上)

    Posted by ブクログ

    【目次】

    Ⅰ カウンセリングと教育
    Ⅱ カウンセリングの聴き方――技法の基礎にあるもの――
    Ⅲ カウンセラーの訓練――ロール・プレイをめぐって――
    Ⅳ カウンセリングの専門性と一般性
    Ⅴ カウンセリングの限界

    あとがき

    0
    2024年04月14日
  • コンプレックス

    Posted by ブクログ

    P199
    人間がどうして生まれ、どうして死ぬかは、科学的に説明される。しかし、「私は一体どこからきてどこにゆくのか」という点について、こころの中に納得いく答えを得るためには、つまり、心の奥深く基礎付けるためには、神話を必要とする。
    私:神話イコール物語ですね。
    p183
    つまり、ユダヤ人として父権の強い家庭に育ち、父親との年齢差が非常に大であったフロイトにとっては、エディプスコンプレックスが大切であり、次男として生まれ、軽いせむしであったアドラー、しかも、精神分析学会に参加した時、フロイトは既に偉大な人として頂点にあり、その下の方につかねばならなかった彼としては、劣等感コンプレックスを重要と考えたのも無理からぬことである。エバンス「ユングとの会話」
    私:なるほどです。
    総評
    私:この本は「ユング心理学入門」を違う切り口で解説した本で、新鮮味はあまりない。河合さんの本を最初に手にする人にとっては良書と思う。

    0
    2024年03月25日
  • 働きざかりの心理学

    Posted by ブクログ

    今から思い返すと日本にまだ勢いがあり経済力があった時代に書かれた本なので、違和感がある箇所もある。だが、それにもまして、時代が変わっても悩みは変わらないと思わせる普遍的なテーマばかりだった。もはや古典の域。とても読みやすいので、すらすら読んでしまったけれど、内容は深い。考察の種が至る所にある。中年をどう生きるか、場の論理、など、が特に心に沈澱し、ふとした時に水面に浮かび上がって、つらつらと考えている

    0
    2024年03月16日
  • 家族関係を考える

    Posted by ブクログ

    結婚する前に、一度読みました。38年以上前です。
    この本の中のテーマのひとつである「母親殺し」の概念は、その後、私の母が死ぬまで、ずーっと引きずっていて生きてきました。
    「母親殺し」の概念を知る前は「母の恩は海よりも深く山やよりも高い」という気持ちで母より大切な人はいない、と思っていました。
    しかし、結婚を決めてからは「ほんとうに申し訳ないが、私はお母さんと親子の縁は切ります」と、この本の河合さんの意見を参考に宗旨替えをおこないました。
    具体的な行動としては、結婚後、私の実家に行くときは常に日帰りで、妻と一緒に私の実家に泊まることは一回もしませんでした。
    ま~、これは「母との決別」の覚悟を心の中だけで決めたというだけで、実際には、妻と私の母はけっこう話が合うみたいで、それなりにつきあうことはできたのは幸いでした。(母が無理に合わせてくれていたかどうかは今となってはわかりませんが・・・)

    あと、この本の中のもう一つのテーマである宗教性ということでは「日本人は無意識に仏教的生活をしている」という話。これは私には目新しい概念でした。
    しかし、今思うに、それならば、同じように「西欧人は無意識にキリスト教的生活をしている」といえるのではないでしょうか?
    (こんな状態で、日本人と西欧人が結婚できるものだろうか?と私は常々思っています)
    日本人は、キリスト教の日曜礼拝のようにお寺に行ってお坊さんの説教を毎週聞きに行くこともぜずに宗教的生活しています。宗教の勉強不足の一例をあげるなら、ほとんどの人が仏教の創始者のブッタの誕生日がいつでどんな行事があるかを知らないことです。びっくりです。
    「何もしない宗教が、宗教か?」と欧米人が疑問視する、とは、河合さんの言ですが、もっともな話ですよね。
    「今後、欧米人と渡り合うには、日本人はもっとキリスト教を知らなければいけない」と河合さんは他の本でも力説しています。日本人と欧米人の宗教という土台には、はかりしれない亀裂があるのです。
    それを知らずに、表面的に暮らしを欧米化をしたところに、現代の日本人の生きづらさがある、と河合さん言っています。
    この本は、そのことを具体的な症例を取り入れて説明してくれてわかりやすいです。
    生きづらくする要因、いわば「敵」を知れば生きづらい理由がわかってくるし、それを知れば、ある程度安心して生きられるはずです。
    この本の内容は、学校では教えにくいものばかりですが、すごく重要なことが書いてある本だと思います。

    以下、重要だと思われる河合さんの概念を一つだけ引用しました。

    p52 マタイ伝12章には、キリストが肉親としての母をはっきりと否定するところが述べられている。(この間、省略)このような強烈な母の否定の上に西洋の文化は成り立っている。肉親としての母を一度否定した後に、隣人愛としての人間関係が語られるのである。これは言うなれば、血のつながりよりも契約のつながりを重視する文化とも言うことができる。
    これに対して、東洋の国々は未だに母の否定を行っていない。その中で、日本という国は母性を温存しつつ、欧米の文明をいち早くとり入れた特異な国なのである。(西洋のように)宗教的なレベルにおいて母の否定が行われるとき、それによって守られている人々は、象徴的な母の否定が行われた後に、わざわざ実母と血みどろの戦いをする必要がない。事実、多くの宗教的儀式は、人間が自分の内界の深層に存在する恐ろしい元型に直面することを避けるために、人間が見出してきたものとも言うことができる。近代人の合理性は、そのような儀式の非合理性に対して浅薄な挑戦を行い、多くの儀式を否定し、宗教をさえ否定するほどになった。
    このため、現代人は宗教の守りのないままに、無意識界と直面しなくてはならない。つまり、既に例をあげて説明したように、子どもたちは何らの宗教的知識も守りも無いままに、日常生活のなかで観音や鬼子母に遭遇することになるのである。来世における極楽や地獄の存在を否定してしまった現代人は、この世に楽園を築こうとして、逆に家庭の中に地獄を体験することにもなる。
    このように言っても、筆者は既成の宗教が簡単に救いとして役立つとは思っていない。しかし、家族の問題をつきつめて考えてゆくならば、それは自分の内界をあくまで探求してゆこうとするという意味において、本来的に宗教的な問題へとかかわらねばならないことを覚悟すべきであろう。

    0
    2024年01月30日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

    Posted by ブクログ

    物語とは、自分自身に現実にあるものを受け入れるもの。小説は現実に即した物語として、読み手や書き手に、そこにあるものを感じさせる。規則から生まれる合理性だけで世界は成り立っているわけではなく、そこにある偶然も含めて、その現実や矛盾をどう取り込むか、大きな流れの中で個性が現れる。(大樹)

    0
    2024年01月21日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

    Posted by ブクログ

    物語とは、自分自身に現実にあるものを受け入れるもの。小説は現実に即した物語として、読み手や書き手に、そこにあるものを感じさせる。規則から生まれる合理性だけで世界は成り立っているわけではなく、そこにある偶然も含めて、その現実や矛盾をどう取り込むか、大きな流れの中で個性が現れる。

    0
    2024年01月21日