河合隼雄のレビュー一覧
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『小川洋子のつくり方』の中の全作品紹介を読んで興味を持った一冊。
大学で心理学を専攻した身として、河合隼雄はもちろん知っていたけれども、なぜかどうしても著書を読む気持ちにならず、当時周りがみんな読んでいたのに、何となく話を合わせて読まなかったわたし。
今この本に出会えて良かった。
''人間は矛盾しているから生きている、整合性のあるものは生き物ではなく機械です''
矛盾を意識し、折り合いをつける。その折り合いの付け方が個性であり、物語だ、と。2人がそこで共感していて、共感し合えることが素晴らしいと思った。
その物語を小説にして見せてくれる小川洋子さんの作品は、だから心に響くのか。
「傍にいること」の章では、''苦しみ、悲しみを受け止め、一緒に苦しむけど、望みを失わずにピッタリ傍にいれればもう完璧''だ、と。
娘に対しても、仕事上でも、常に心に留めて行動すべき金言だと思った。
必要な時に必要な本に出会えるんだなぁ。 -
Posted by ブクログ
目次
幸福とは何か
モモの笑顔
兄弟
子育て
何を伝えるのか
感謝の言葉
常識
人生の後半
幸福の効率計算
儀式〔ほか〕
読み終わって、毎回のように読後感に浸りながら、ボーッとしている。どうやら、河合隼雄さんの書かれた新聞の掲載記事『幸せ眼鏡』59つのエッセイを纏めた本であった。短いエッセイが沢山あり、内容も繋がっているものがあれば個別のものもあり、今の自分が気になっている部分だけ読めるような、使い易い本な感じがする。なので、本書が独立したエッセイ纏めであるがゆえ、少し一気に読み進めるには向いてなかった感じがした。しかし、そのエッセイのひとつひとつに、やはり河合さんの感受性の豊かさとか、想像性の高さとか、慧眼さを見止めることができる感じがする。それでも、結論、幸福とは何かは分からなかった。自分で見つけていくものであった。それは、とても大変で、よく分からず、しんどいけれども、やっぱそうだよなぁ、って感じだ。でも、幸せの見つけ方、みたいな本が売れる、需要があるのは、皆やっぱ考え方、答えを知りたいからで、とても現代的に感じる。一つ一つの内容は正直全然残っていないが、何となく優しい気持ちになれてるし、ちょっと頑張ろうって気持ちになってる。微細だけど。自分としては、「感謝の言葉、私はどうでもいいのですが、郷土愛、カルチャー・リッチ、人生学、自立はできない」の6編が好きだった。以上! -
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ネタバレ【なぜ】友人紹介本
【ここだけ】
秘密や嘘をついて自分を磨いていく。秘密を持ちながら成長するを真珠と例えるか、素晴らしい。
【感想】
これはすごい沁みる本。
河合隼雄さんに初めて出会ったがこれから著者買いが始まりそう。
【メモ】
p24 問題を問い続ける。ネガティブケイパビリティか
p24 「私はこうしました」と言えるやり方が大事だが、つい「正しい」のはどれかと探そうとしてしまうから「私」がなくなってしまう。
p34 5分のカメラ故障で運命が変わった。それまでの人生はその5分のために積み上げられてきたもの。だから5分が輝いた。…ポジティブシンカー
p71 母は土のようなもの…いい例え
p79 自分の中の「子ども性」に目を向ける…子どもと接する時のメタ認知のことを言っているんだろうな
p95 現代人の分裂(操っているようで操られている)を「七つの人形の恋物語」で例える
p102 初恋は「男と女」の問題というよりも、自分自身の問題に近い…両親ではない人にかけて、違う世界をちょっと自分動かしてみる
p111 個人的なことから広がって性別全部が対象になってしまう。
p113 日本人は自我を作り上げる際に周囲を常に入れる
p125 魂があるかどうかではない、「ある」と思ってみると新しい視座が得られるんだ
p127 男性の中、女性の中に男性的女性的な感性がある
p130 西洋は戦いで勝ち取る、東洋には戦いがない。自ら耐えて苦しむことが重要
p184 秘密や嘘をついて自分を磨いていく。秘密を持ちながら成長するを真珠と例えるか、素晴らしい。
p227 いろんな窓口がある。相手の窓口がいくつありそうか
p246 相手の入ってきた入り口でスッと対応して、詮索せずに帰らせてくれる人 -
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#こころの処方箋
#河合隼雄
#新潮文庫
#読書記録
忙しくて落ち着いて読書する時間がなかったので、
たっぷり読書する盆休み。
時代がすごいスピードで進んでいて、
その進歩に乗っかるのも大事なんだけれど
やっぱり本当に大事なことは変わらずそこにある。
そのことを思い出させてくれる一冊。
目次を眺めるだけでもホッとする、家におきたい本でした。
最近よく見る、
こうやったらこうなりますよ、という本でないのがいい。
のんびりゆっくり分からないことにも
向き合っていけばいいのだなあ。
谷川俊太郎さんのあとがきも最高でした。
#PrescriptionForTheHeart
#HayaoKawai
#ShinchoBunko
#ReadingLog
I've been busy and haven't had much time to sit down and read, so I spent my Obon holiday reading a lot.
The world is moving at a rapid pace, and while it's important to keep up with that progress,
the things that are truly important remain the same.
This book reminds me of that.
Just looking at the table of contents is comforting, and it's a book I'd love to have at home.
I like that it's not one of those "if you do this, this will happen" books you see so often these days.
It's good to take your time and face things you don't understand.Shuntaro Tanikawa's afterword was also great.
translated by Google -
Posted by ブクログ
ユング派の心理療法や心理分析では、イメージを大切にするので、ここで河合隼雄先生は、猫のイメージが表す、人間の中の力動をさまざまな角度から詳らかにしています。また、ユング派では物語も重要視されます。そのため日本昔話や宮沢賢治から、ポール・ギャリコ、ル・グウィンまで、古今東西の猫のお話が紹介されます。
端的ながらも、目に浮かぶような的を得た表現でイメージを説明され、もちろんながら洋の東西を問わず知識が深く、知的で、分かりやすく、それでいて子どものような感じやすい目で、無意識の言葉のない世界も見渡し、感じ、またそれを私たちに伝えるために言葉にされる。
言葉とイメージ、意識と無意識、右脳と左脳を行ったり来たりしながら。
とは言え、そこは著名な臨床家でもある河合先生、実際の場面緘黙の青少年との療法場面が挿入されたり、思わず声に出して笑ってしまうようなユーモアに満ちた人生への一言に導かれたりしながら、物語について語る河合先生の語りに誘われて、久しぶりにワクワクしながら読書が進みました。
猫好きの私としては親しみやすく、イメージが膨らんで、あぁ、河合隼雄先生は本当に良い、すごい先生だったんだなぁと感じ入りました。
大島弓子さんの最後の書き下ろし漫画も最高で、胸に沁みます。
内面的には、猫が人生にやってきて、猫を育てた私としては、私の中の猫的な力に注目して、大切にしなければと思いました。 -
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「生きるとは、自分の物語をつくること」
物語は、既にそこにある。
なんか、分かりそうな言葉だなと、最近感じる。自分の視野で見えているものは一時的で、その瞬間瞬間に過ぎないけれど、人が生きてるだけで、それは全く瞬間的でない。そこには間違いなく過去があって、歴史があって、今までとの繋がりがあって、多様な偶然が折り合った果てに、今の自分がここにいる。
何となく毎日を生きてると、すぐに忘れてしまうし、今この感想を書いている間も、自分が「そういった意味」で現実を見れているかと問われると、見たいように認知している部分があるし、確かとは言えないよなと感じる。
近代化学の発展から、合理的で効率的であることが求められる社会だけど、個人的には、そういう「物語」とか、その人がそこに存在してる理由,意味みたいなものが魅力的だと最近感じるし、それを社会の渦に巻取られて忘れてしまわないようにありたいと、思う。でも、自分は能力値が高い訳では無いし、中々難しいだろうなと感じてもいる。
だから、今を大事にしたい。最近、思い出に支えられていると感じることがある。それは全部事実だけど、母の愛だったり、家族の愛だったり、誰かの労りとか,「思い」であることが多くて、思いが形には見えないけれども、確かに存在するのだから、今を大事にしたいかな、とか考える。
うっちーにこの前言われた、「逃げてる」ってのもそうだと感じるし、相変わらず常時焦ってばっかな感じは拭えないし、「浅はか」なのだなと論理的に思うことも多々あるが、それでも、生きていけたらなぁと、思う、感じる。 -
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暴力、そして『ねじまき鳥クロニクル』の副読本
ユングとか河合隼雄とかの怪しさは、いったん脇に置いておく。
村上春樹の無意識的・形而上的な創作技法が、多少なりともつまびらかにされてをり、それは氏にしては珍しく赤裸々に開陳されたものだと思ふ。
特にこの対談のメインとなるのは、暴力についてだ。それは氏が『ねじまき鳥クロニクル』を書き終へたばかりといふこともあり、身体から出てきた(頭で考へただけではない)物語だからだ。
同じく暴力を扱った作家として、村上龍と大江健三郎の名前もすこし出てくる。
河合隼雄の心療経験の話が面白く、それがうまく村上春樹と噛み合ってゐる。河合が接した患者の心療経験から導きだされる普遍的らしい真理に、こちらも惹かれてしまひさうになる。
もちろん眉に唾をつける話もある。
たとへば河合さんは、日本の私小説は世界に受け入れられないと書いてるわけだけど、それは違ふと思ふ。なんとなれば、最後の方で河合さんは、みづから矛盾したことを言ってゐるわけだから。《あと、ぼくの場合は、一人の人間のことに必死になっていたら、世界のことを考えざるをえなくなってくるんですね。結局、深く病んでいる人は世界の病いを病んでいるんですね。》
なにより、村上氏の政治的スタンス(むしろそれは暴力にたいするスタンス)は、ほかの文学者と乖離した価値観があった。反核宣言も、だれも痛みを引き受けてゐない。とかれは言ってゐる。
要するにそこには、他者の痛みを自分のものとして一旦捉へる、さうして納得できてはじめて行動できる。といふ態度だ。
現在の村上氏の、のらりくらりとした対談の状況(それはたとへば川上未映子氏との対談だが)をみれば、☆5にする価値はあるのではないか。とさう思った。 -
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長田弘さん(詩人、児童文学作家)、河合隼雄さん(臨床心理学者)の児童文学作品をテーマにした対談集。
長田さんの詩情豊かな言葉、河合さんの心理学者の立場からの発言は、どちらも示唆に富むもので、相乗効果が生まれていました。
次から次へと出てくる作品の数々に、胸が踊りました。敬愛するお二人のお話に引き込まれ、読みたいと思っていた児童文学作品を、いつまでもツンドク状態にしていてはダメだと強く思いました。未読の本のうち、どれから読もうか迷ってしまいます。
【印象に残った言葉】
・永遠より長い一瞬の世界が絵本の世界(長田)
・絵本の世界というのは記憶のリサイクルによってできていて、おんなじ絵本がずっと後になって読み返すと違う(長田)
・宮沢賢治は観念の感覚化の天才(河合)