あらすじ
「耐える」だけが精神力ではない。心の支えは、時にたましいの重荷になる。――あなたが世の理不尽に拳を振りあげたくなったとき、人間関係のしがらみに泣きたくなったとき、本書に綴られた55章が、真剣に悩むこころの声の微かな震えを聴き取り、トラブルに立ち向かう秘策を与えてくれるだろう。この、短い一章一章に込められた偉大な「常識」の力が、かならず助けになってくれるだろう。
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Posted by ブクログ
100%正しい忠告はまず役に立たない
マジメも休み休み言え
自立は依存によって裏付けられている など
見出しから、どれも内容が気になって
予想通りのものもあれば
逆説的なものもあって面白かった。
全体に言えると思うのは、
極端な考えがないことかな?
やっぱり河合さんは、
自分はこう思うがいかがだろうか、
と押し付けがましくない感じが好きだなあと思った。
バランスを大事にしている、行きすぎない感じが
自分のスタンスと合っていて、
こういう風に考えられるような人になりたいと思う。
———
男女は協力し合えても理解し合うことは難しい、
という章が特に印象に残った。
中年や老年近くなると、
夫婦間の危機を感じる人が多い理由が書かれていた。
ローンや子育てなど共有の目標を持つ間は、
知らず知らずお互いの欠点をカバーし合い協力できる。
協力しているときは相手のことなど深く考えず、
とにかく前進しているが、そこで自分が喜んでいるとき
相手の方は支える苦労で半泣きになっていたりしても
気が付かない。ところが目標を達成し、
やれやれと二人向き合ってみると、お互いのことを
本当に知らぬままここまで来たことに思い当たる。
今まで仲良くやっていた夫婦が、
急にギクシャクしだすのは、
多くの場合、協力から理解へと至る谷間に
さしかかっているときである。
「協力関係」を「理解」と取り違える人は、
相手が急にわからずやになったか、
今までの協力は偽物だったのかと思ったりするが、
男女が理解し合うことは実に大変であることを
よく自覚していると、少しの不理解で驚いたり、
怒るのではなく、あらたな気持ちで
努力を続けていこうという気にもなる。
————
協力と理解は別なんだと、はっとした。
周りでは最近、「夫に無視された」とか
「別に喋ることないし」と
話しているのを聞くことが多い。
それが頭にあったので、
このお話が引っかかったのだと思う。
この考えを、心に留めておきたい。
Posted by ブクログ
処方箋という言葉通り、これからの人生のお供にしたい作品だった。
やりたければやってみたらいい、と挑戦の後押しをしてくれるようなところに心打たれました。
Posted by ブクログ
色々と多忙を極めている中、自分を見つめ直すことの大切さを痛感した時に、縁が重なって手に取った本。多くの方が辛い時に手にした本と語られるが、肩の力を抜けるような、心が落ち着くような語りである。
ある著名な臨床心理士が、「河合隼雄の本には言語化しづらい魅力がある」(趣意)と評していたが、まさにその通りに感じた書籍。
『無意識の構造』『ユング心理学入門』『明恵 夢を生きる』など河合隼雄の著作は数多くあるが、本書は見開き2ページのエッセイ風に仕上げられている。平易に綴られ、言ってしまえば道理なのだが、それでも私たちが日頃見過ごし、見落としていたことを言語化してもらうような、腑に落ちる瞬間を多く感じることができる良書だった。
Posted by ブクログ
全体的に心の自然さを肯定してくれる温かさがあった。
常識を書いたと言っているが、新たな視点の獲得にも役立つ本だと感じる。
印象に残った箇所
・ふたつよいことさてないものよ
→いい事があれば悪いこともある。悪いことは良いこととのバランスのために存在している。
・自立は依存によって裏付けられる
→ 自立と依存は対立しない。必要な依存が自立を助ける。
一見ストレッサーとなることや、悪い出来事・ネガティブな感情や行動は、排除しようとするのではなく、その中に意味や役割を見いだし、受け入れることが大切で、さらにそれらに自覚的であることも必要。排除しようとしてきたものにも価値があり、それを認めることで生き方に厚みや深みが出る。
ネガティブをなくそうとするよりも、その存在意義を認めて抱えながら生きることの重要性を教えてくれた。
Posted by ブクログ
臨床心理士の河合先生が雑誌の連載で書いたエッセイをまとめた本。自身の知見を活かして、人間の心の特徴を描き出す。表面だけでなく、深層まで捉えようとする著者の観察眼がとても勉強になる。向き合うのが大変な内容もあるが、自身を振り返るのにも、周囲の人間を理解するのにも有益な名著。
Posted by ブクログ
繰り返し読むことでバイブルになりそうな一冊。
読みやすい文体かつひとつのお話は4ページほどなので、隙間時間に読むのも良いし、目次を見てその日の気分に合う部分を読むのも良さそう。
また時間をおいて読みたい。
Posted by ブクログ
平成4年に刊行されたとは思えない、いや、今だからこそ自分の中の常識や生き方を揺さぶるような新しい発見があり、「面白いっ!」とニコニコして読めた。今の自分にとって時に優しく、時に厳しい内容が項目ごとにあり、勇気づけられたり、背筋をピンと伸ばしてもらえたりできた。個人の生き方あり方としてはもちろん、子どもの前に立つ一教員としても非常に学びが多い名著中の名著だった。出会えてよかった一冊の一つ。
すべての章が大事
毎ページ深い。
『運命』が演奏によって違う、それは同じ言葉なのに言い方で大変説得力を増すとも解釈できる。
人生という物語を構成するのに欠かせないエッセンスが、ふんだんに書かれた一冊。
故河合氏は本来なら「第三の目」くらい開眼されてそうなのだが、敢えて二つの目で徹底して見ているので難しい話も読みやすくなっている。
Posted by ブクログ
私にとって河合隼雄の最初の1冊です。
これで河合隼雄に興味が深まり他の著書も読むようになりました。
平易な文章で読みやすい。心理学について素人の私にはちょうどよかった。
Posted by ブクログ
「努力によってものごとは解決しない、とよくわかっているのだけど、私には努力ぐらいしかすることがないので、やらせて頂いている」
とか、
「自立ということは、依存を排除することではなく、必要な依存を受け入れ、自分がどれほど依存しているかを自覚し、感謝していることではなかろうか。依存を排して自立を急ぐ人は、自立ではなく孤立になってしまう」
とか。
肩の力がふっと抜けるような言葉がたくさん。
でも、きっと忘れてしまうから、本棚に置いてまた思い出したら読みたいです。
河合隼雄さんの本は初めて読んだのですが、この本はエッセイでわかりやすく、サラッと読めました!
Posted by ブクログ
#こころの処方箋
#河合隼雄
#新潮文庫
#読書記録
忙しくて落ち着いて読書する時間がなかったので、
たっぷり読書する盆休み。
時代がすごいスピードで進んでいて、
その進歩に乗っかるのも大事なんだけれど
やっぱり本当に大事なことは変わらずそこにある。
そのことを思い出させてくれる一冊。
目次を眺めるだけでもホッとする、家におきたい本でした。
最近よく見る、
こうやったらこうなりますよ、という本でないのがいい。
のんびりゆっくり分からないことにも
向き合っていけばいいのだなあ。
谷川俊太郎さんのあとがきも最高でした。
#PrescriptionForTheHeart
#HayaoKawai
#ShinchoBunko
#ReadingLog
I've been busy and haven't had much time to sit down and read, so I spent my Obon holiday reading a lot.
The world is moving at a rapid pace, and while it's important to keep up with that progress,
the things that are truly important remain the same.
This book reminds me of that.
Just looking at the table of contents is comforting, and it's a book I'd love to have at home.
I like that it's not one of those "if you do this, this will happen" books you see so often these days.
It's good to take your time and face things you don't understand.Shuntaro Tanikawa's afterword was also great.
translated by Google
Posted by ブクログ
心が落ちている時にお知り合いがくれた本。
内容こそほぼ忘れてしまったけどめっちゃ泣きながら読んだ記憶がある。普通のことを書いているだけなのかもしれないけど。読む人と時期によって心にささったりスルーしたりするのかもね。
Posted by ブクログ
あとがきに「常識を書いただけ」と書いてあったが、今はその常識すらも思い出したり見つけるのが難しい。ふとした時に立ち返りたい本。
50 のぼせが終るところに関係が始まる、が今の私には刺さった
Posted by ブクログ
ふたつよいことさてないものよ。
この方のカウンセリングはちょっとやそっとでは真似できない。私にはきっとできない、ものすごい寄り添い方をされている。
他の本で「僕はアースされている(地球と繋がっている)」とあったが、本当にそうでなければとても受け止めきれないほどの話を聞いているのだと思う。その話を地球に預けておくから自分自身は重くなりすぎず、また話すときがきたら引き出しを開けてもってくる、なんてこと、できる人そうそういない。
「51対49」はとても納得のいく話だった。
Posted by ブクログ
河合隼雄『こころの処方箋』には、
心理療法家としての数多くの臨床経験に裏打ちされた、
55編の「生きる知恵」が綴られている。
きっと読む人によって、
読むタイミングによって、
刺さる箇所が変わると思う。
いまの私に特に刺さったのが、
「強い者だけが感謝することができる」という章。
私はおそらく、
まだ本当の意味で、
誰かに感謝したことがない。
「あの人に救われた」と思う人は何人か浮かぶ。
でも当時の私は、
自分に余裕がなく、
建前の感謝しかできなかった。
だからこそ、
いつか心の底から誰かに感謝できるような、
強い人になりたいと思った。
Posted by ブクログ
何気なく手に取った一冊だったが、とても30年前に書かれたとは思えなかった。
書かれていることの多くが、今の時代や自分自身にもそのまま応用できる。まさに「処方箋」というタイトルにふさわしい本だと感じた。
途中からは、一気に読むのが少し勿体なくなり、「1日1話」と決めてゆっくり読み進めた。
読み切って終わりにするよりも、常に手元に置いておき、ふとした時にランダムにページをめくる。そんな付き合い方が似合う本だと思う。
Posted by ブクログ
仕事で悩んでいた時に手にした本。
転職してもボロボロになっていた心に響いた。
自分の中に誰しも持っている「創造の種子」が属する集団と異なる場合、困難が大きい。
まさにそれだ、今痛いくらい実感している。
神経症になる前に、自分の創造の種子を発芽できるところに戻らないといけないと強く感じた。
Posted by ブクログ
過猶不及(過ぎたるは猶お及ばざるがごとし)。生じる負の感情は自然なものであり、理性で抑えつけたり、意識的にコントロールできないものだ。理性の頭ではうまくやったつもりだが、心の下にある「たましい」はだませない。「不足」よりも「過剰」と「偏り」が問題を生じさせたり、大きくしたり、こじれたりしているように思えた。すべての問題をなんとかできるものではない。ほどほどにやって、ほどほどにあきらめよう。仏教と老荘思想の生き方。
Posted by ブクログ
著者は、人の心などわかるはずがないと言う。人の心ってわからないんだなと知ったら、わからないと悩んできた自分の心が、少し軽くなった。人と向き合うスタートラインに立てた感じ。
Posted by ブクログ
平成初期に出版されたエッセイ。著者の河合隼雄さんは随分前に、解説の谷川俊太郎さんも昨年鬼籍に入られた。あとがきで河合さんは、「自分は常識について書いてきたのだ。そんな本を作らなければならない世の中なのだ」と発見する。解説の谷川さんは「常識はアップデートするもの」と補足する。ともに知性の素敵な働きを見せていただいた。昨今は自分の考えに凝り固まって、このアップデート感覚を忘れている人、知らない人ばかりだ。新しい事象が出てきても、そのお大事な常識の範囲で解釈してしまうし、解釈しきれなければ、例外だ、と無視をする。そういう社会になってしまった。自分の職場にも自分の正義、合理性にのみこだわって部下を抑圧する上司がいる。ネット上にもたくさんの弁慶たちがいる。知識以前の知性、の復権が必要だ。
Posted by ブクログ
そうだよねと思いながら読み終わり、感想をまとめようとすると、はて困った。
心のもちようについて書かれており、読む前よりも心は穏やかになった気はする。
説法を聞いた後のような気分。
Posted by ブクログ
30年近く前の本なので、今だとどうだろう思うようなページもありましたが、
・耐えるだけが精神力ではない
・やりたいことは、まずやってみる
・物事は努力によって解決しない
・心の新鉱脈を掘り当てよう
あたりは確かにそうだなぁと思いました
やりたいことをやってみると思い立って、小さな本棚をDIYしたところから、今の読書生活が始まり、色々学ぶことで来ている自分がいます。
他にも気になることあればやってみたいと思いました。
Posted by ブクログ
『新潮文庫の100冊』より。
知っておくと心が楽になる人生のTIPS集。
「イライラは、自分の何かー多くの場合、何らかの欠点にかかわることーを見出すのを防ぐために、相手に対する攻撃として出てくることが多いのである」。
本書では、普段自分が振り回されている感情を丁寧に紐解いてくれるため、新たな気づきを得ることができた。
人生なかなか気楽に生きられないものだが、一冊読んでおくと心が軽くなること請け合い。
Posted by ブクログ
現代文の問題文として出てきそうな文章だな、という印象を受けました 笑
「ふたつよいことさてないものよ」と「灯を消す方がよく見えることがある」という章が心に残りました。
Posted by ブクログ
時代背景の違いはあれど、人の悩みの本質は変わらないものだなも思いました。また、それらは普遍的であって、自分だけが特別ではないことを教えられます。1項目4ページで書かれているため、物足りなさは否めませんが、こころを優しく包んでくれる本でした。
Posted by ブクログ
日本の心理学の権威と言っても過言ではないおなじみの人による、専門書ではない心理随筆、と思った。
「あの頃は良かった」という人を真正面から論駁している(しかも書かれた時期からして人生の正午はとっくに過ぎた時期ではなかろうか)ことに、驚きと「こんな人いるんだな」という気にさせられた。
内容は当たり前で読んでる時も当たり前だよなーと思っていた。が、あとがきで作者も常識を述べたとあって、ちゃんと分かってる人で助かった…………となった。