河合隼雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
個人的には、河合隼雄氏の数ある著作の中でも一番の名著ではないかと思う。これはしっかりと、学術文庫で出すレベルの内容になっている。
人はそれぞれ その人なりの生き方や人生観をもっているが、抑圧されたか、取りあげられなかったか、ともかく、その人によって生きられることなく無意識界に存在していながら、その人によって生きられなかった半面を、その人の「影」と呼んでいる。私たちは、いつかはその自分の「影」の存在を自覚し、向き合わなければ、人として成長できないのだ。
『われわれはこの世に生まれた瞬間から、常に死の可能性をはらんで生きている。「生」は「死」に向かって進行しているのであり、生きることとは、すな -
Posted by ブクログ
魚を、魚の大きな目を怖がっていた少年が、ある日海岸近くに迷い込んできたイワシを見つけ、その美しさに、イワシの存在に好奇心をかき立てられ、海の神秘に魅了される。
そんな少年は、海やその住人たちへの深く果てしない愛を深めていきながら、物理学者になり、フランスのスピーチ大会でイワシについて熱く語り優勝し、この本を出版する権利を得た。
プロローグで語られる、著者である少年のはぐれイワシとの出会いの物語から、もう海に魅了される。
そして時代を超えた海の物語や、果てしない深海からパリの地下水路まで世界をまたにかける海の生き物たちの物語、伝説上の海の物語まで、実に魅力的に語られる。
イルカと触れ合い、コバン -
Posted by ブクログ
本屋でたまたま目についた。常々シェイクスピアをコンプリートしたいと思いつつ、いつも他の本の誘惑に負け、シェイクスピアが後回しになってしまうことを気にしていたからか。
シェイクスピアの戯曲のうちの11作について、翻訳者の松岡和子氏が原書での言い回し等を例に出しながら様々な質問を投げかけ、それに対し河合隼雄氏が登場人物の心情等を心理学的に説明する等々…とてもバラエティにとんだ対談集。
まず、各戯曲がうろ覚えの私は、河合祥一郎氏「あらすじで読むシェイクスピア全作品」で各戯曲の流れや登場人物を再度頭にいれてから、各章に突入。シェイクスピアの裏話ではないが「そういった見方もあるのね‼︎」というような -
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かなり噛み砕いて書いてあり、様々な事例とともに紹介されているため、とても分かりやすい。
コンプレックスとはマイナスの要素だけでない。それを乗り越えた先に人格の発展があると考えれば、かなり救われるものがある。
(人間の心の中は無意識の領域がかなり大きくあると考えられるが、それらをいちいち意識していたら正常な意識、思考など保てないだろう。意識的な自我をメインとして据えながらも、それらを補うものとして無意識領域があり、その中で何らかの感情によって結合されている心的内容の集まりがコンプレックス(複合体)である。)
自我を自分で作り上げること、自分自身を冷静に見つめることが日本人は苦手である。ゆえに -
Posted by ブクログ
スクールカウンセラーが学校に位置付けられ始めた頃の、難しさと期待を上手く言葉にされていた。
ある種、内を守る構造のある学校と、外からやってきて、ある生徒という個人を守るスクールカウンセラーがどのように調和してゆけるか。
今やそうした専門的知がなければ、やっていけないとも言えるし、いやいやまだ学校の形は変わりきれておらず、個人としての子どもと向き合うためには欠かせない機構なのかもしれない。
「私はよく思いますが、二〇分間本当に怒り続けられる人というのはほとんどいません。よほどカンカンに怒っている人でも、『はい』と言ってきちんと聞いていると、『まあいろいろ言いましたが、いや、あなたの気持ちがわ