あらすじ
日本臨床心理士会が創立されてから20年、また平成7年から派遣の始まったスクールカウンセラー事業は今年で13年目を迎える。閉鎖的だと言われた学校現場に、はじめて外部から専門家を導入したこの事業は「平成の黒船」とまで言われた。本書は、混迷をきわめる学校現場に派遣され、教師と苦楽を共にしながら活躍する学校臨床心理士に向けて、毎年、全国研修会の場で著者が行った全11回の基調講演のうち8回分を収めた貴重な記録集である。
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Posted by ブクログ
この本は大好きで、何度も何度も読み返しています。
この書棚に未登録だったことに、ちょっと、驚きました。
この本の中で紹介されている、
谷川俊太郎さんの『みみをすます』
がすべてを語っているように感じていて、時間がとれないときは、この詩だけ読み返したりしています。
河合先生の言葉に触れていると、
スクールソーシャルワーカーも同じだな、と思います。
個人から集団、文化をみる、
全体を見る力をもつ、
発想の根本を個人におき、どの個人も大切に考える、
関係性を大切にする、
スクールソーシャルワーカーがアメリカ発であることを考えると、そしてアメリカのスクールソーシャルワーカーは日本のスクールカウンセラーの役割も担っていることを考えると、特に驚くようなことでもないのですが、日本の現状を考えた時、何だか悲しくなりました。
スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの棲み分けは大事かもしれないけれど、それぞれが専門性を示すことも大切だろうけど、根っこの部分には共通するものがあり、明確な線引きを行う必要性はないのではないかと私は考えていて、
要はその場その時その人たちが、子どもの存在を守るためにどう動くことが一番なのかを話し合い、実行することが一番大事なのだろうと、
この本を読みながら、そんなことを考えました。