【感想・ネタバレ】河合隼雄のスクールカウンセリング講演録のレビュー

あらすじ

日本臨床心理士会が創立されてから20年、また平成7年から派遣の始まったスクールカウンセラー事業は今年で13年目を迎える。閉鎖的だと言われた学校現場に、はじめて外部から専門家を導入したこの事業は「平成の黒船」とまで言われた。本書は、混迷をきわめる学校現場に派遣され、教師と苦楽を共にしながら活躍する学校臨床心理士に向けて、毎年、全国研修会の場で著者が行った全11回の基調講演のうち8回分を収めた貴重な記録集である。

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Posted by ブクログ

スクールカウンセラーが学校に位置付けられ始めた頃の、難しさと期待を上手く言葉にされていた。
ある種、内を守る構造のある学校と、外からやってきて、ある生徒という個人を守るスクールカウンセラーがどのように調和してゆけるか。

今やそうした専門的知がなければ、やっていけないとも言えるし、いやいやまだ学校の形は変わりきれておらず、個人としての子どもと向き合うためには欠かせない機構なのかもしれない。

「私はよく思いますが、二〇分間本当に怒り続けられる人というのはほとんどいません。よほどカンカンに怒っている人でも、『はい』と言ってきちんと聞いていると、『まあいろいろ言いましたが、いや、あなたの気持ちがわからないでもないのですよ』というように必ず変わってきます」

「よく考えてみてください。効率的にやろうと思うと、関係が切れてくることが多いと思いませんか。何でもかんでも『早くしなさい』『ちゃんとやってる?』『どうやったらできる?』といった具合になる。そうすると、先ほどから言っているように、みんなが囲炉裏端に集まってきて、おばあちゃんが甘酒を入れてくれて、おじいちゃんが昔の話をしてくれてというような関係とは、全然違う人間関係ができる」

カウンセラーが、プロとしての仕事が出来ないのなら、辞めた方がいい、と厳しい言葉を残している。
自分の仕事に当てはめたとき、自分は自分を許していないだろうかと思う。
研究者、芸術家、勝負師は、棋士だけでなくカウンセラーも一緒という言葉が印象に残った。

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2021年09月17日

Posted by ブクログ

この本は大好きで、何度も何度も読み返しています。

この書棚に未登録だったことに、ちょっと、驚きました。

この本の中で紹介されている、
谷川俊太郎さんの『みみをすます』
がすべてを語っているように感じていて、時間がとれないときは、この詩だけ読み返したりしています。

河合先生の言葉に触れていると、
スクールソーシャルワーカーも同じだな、と思います。

個人から集団、文化をみる、
全体を見る力をもつ、
発想の根本を個人におき、どの個人も大切に考える、
関係性を大切にする、

スクールソーシャルワーカーがアメリカ発であることを考えると、そしてアメリカのスクールソーシャルワーカーは日本のスクールカウンセラーの役割も担っていることを考えると、特に驚くようなことでもないのですが、日本の現状を考えた時、何だか悲しくなりました。

スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの棲み分けは大事かもしれないけれど、それぞれが専門性を示すことも大切だろうけど、根っこの部分には共通するものがあり、明確な線引きを行う必要性はないのではないかと私は考えていて、

要はその場その時その人たちが、子どもの存在を守るためにどう動くことが一番なのかを話し合い、実行することが一番大事なのだろうと、
この本を読みながら、そんなことを考えました。

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2013年04月09日

Posted by ブクログ

スクールカウンセリングに関することだけでなく、これから日本がどうなっていくか等についてまで書かれた本。
スクールカウンセリングを目指す人だけでなく、すべての人に読んでほしい一冊。

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2011年04月10日

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