河合隼雄のレビュー一覧
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・この宇宙のなかに子どもたちがいる。これは誰でも知っている。しかし、ひとりひとりの子どものなかに宇宙があることを誰もが知っているだろうか。それは、無限の広がりと深さをもって存在している。大人たちは、子どもの姿の小ささに惑わされてついその広大な宇宙の存在を忘れてしまう。大人たちは小さい子どもを早く大きくしようと焦るあまり、子どもたちの中にある広大な宇宙を歪曲してしまったり、回復困難なほどに破壊したりする。このような恐ろしいことは、しばしば大人たちの自称する「教育」や「指導」や「善意」という名のもとになされるので余計にたまらない感じを与える。
私はふと、大人になるということは、子どもたちの持つこの -
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以前「心の処方箋」で河合隼雄さんの本を初めて読んだ。ゆるやかな物腰で、はっとさせられることが時々ある。本書はさらっと書いてあるので、箇条書きしてまとめにくい。
良いと言われることを全く断言することがないこと、要するに人や自分の見方・感じ方に絶対はないし、いいところもあれば悪いところもあるし、絶対的な答えや本にあてはまることもない、ということが本を通して学べました。
子育ての時に読むのも良さそう。
子どものことで悩んだら、本書を読んで、上から目線で子どもを扱おうとしてないかチェックしたい。
文中の「限界を嫌う日本人、心得る西洋人」には妙に納得しました。商品開発、物欲や人生観などの場面でそう思って -
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コンプレックスとどう付き合っていくかを考えるヒントが得られたことと、コンプレックスは必ずしも悪いものではなく、成長のきっかけになるものだということが理解できたのが良かったです。
話題は、そもそもコンプレックスとは何か?から始まり、コンプレックスが人の心(自我)にいかに影響を与えているのか?コンプレックスをいかに乗り越えるか?と徐々に深まっていきますが、専門的な内容も平易な言葉で、具体例を多く挙げ説明されているので、興味深く読み進められました。
本の内容からは離れますが、文章の端々から河合隼雄さんの強い探究心と、自身の能力が有限であることへの自制の念が感じられます。見習いたい姿勢です。 -
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「第一章 日本人の精神病理」が分かりやすく勉強になりました。
第二章以降の「ユングと出会う」、「日本人の深層心理」、「物語は何を語りかけるのか」は、いずれも深層心理を扱ったもので面白いし言っていることはわかるのですが、私にとっては書いてあることをそのまま受け取るしかなくという状況でした。河合隼雄をさらに何冊か読んでいけば「そういうことだったのか」と得心していくような気がしています。
★★★
それで、私にも分かった(ような気がした)第一章にどんなことが書かれているかというと、
母性の原理は「包含する」機能によって示される。そこにはすべてのものを良きにつけ悪しきにつけ包み込んでし -
Posted by ブクログ
まず、『大人の友情』というタイトルがいい。歌や本、映画の題名を考えるタイトラーという職業がある、と聞いたことがあるが、タイトル、つまり、本の名前によって、どれだけの人にその内容が届けられるのか、決まってしまう部分ってあると思う。
さて、内容は、河合節炸裂!
何事も断定的な言い方はせず、課題や疑問にふれつつも、大きな可能性を浮かび上がらせる、「あれ」です。
本当の友情、男女の友情、同性愛と友情、従来の関係を超えた友情、裏切りなど様々な視点を通して、本書全体では、あらゆる人間、いや、あらゆる生命との関係に激しさでなく、深さをもたらす「友情」のあり方を綴られていると思います。
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忘備録。あとで読み直して体系的に考える。
Twitterで一番印象に残ったとこはフランクに書きました。そういえば、何年か前のセンターか入試かで題材になったようですね。
私が私として意識し得ること、私の過去の経験のうちで記憶に残っていること、現在の私の感じている感情、思考していること、それに知覚していること、などのすべてはある程度の統合性を有し、ひとつの人格としてのまとまりをもって存在している。
実際、自分の無意識に動かされて行動し、後になってから後悔しても、自らの破滅を防ぎきれないようなことが起こり得るのである。その無意識の心の動きを把握するものとしてイメージがあると考えられる。