河合隼雄のレビュー一覧

  • 大人の友情

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    ・タイトルがいいな〜と思って購入したけど、心配されそうで、いつもいく喫茶店のカウンターでは表示を隠して読んだ。

    ・大人になってからの友人の作り方、といったノウハウを求めて読むものではない。本全体を読んだ時子どもの頃からアップデートすることなく持ち運んできた硬くなった「友人」「友情」のイメージがぼやけるような、意図的にコリをほぐしてぼやかせられるような本。

    ・友人とは夜中に死体を車のトランクにつんで現れた時黙って話を聞いてくれる人、というのはわかる気もするが、割と映画なんかだとよくみるシーン。

    ・小林秀雄と中原中也、田辺元と野上弥生子のエピソード好き。

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    2022年01月05日
  • 家族関係を考える

    購入済み

    本質は古びない

    コロナ禍で改めて家族関係が問われる現在にこそ必要な内容。

    時代背景の違いによる、小さな「違和感」を感じる記述はあるものの、底に流れる、人類の永遠の課題とも言えるテーマは全く古びておらず驚かされました。

    しかしながら、ブックライブ・アプリ(PC)で同書を読むとき、縦書きの長音符(ー)が、中央ではなく右端に偏って表示されるのは何とかならないものでしょうか。

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    2022年01月03日
  • 子どもの宇宙

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    高校生の時、国語の文章問題になっていた本。
    当時非常に感銘を受けて読んだ記憶が。
    時を経てふと思い出し再び読んでみた。
    子どもの中に広がる宇宙、そこに入るきっかけとは。
    非常に興味深く、改めて考えさせられる本

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    2021年11月16日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

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    2人の対談であるがシェークスピアは、今で言うエンターティメントであったと再認識。エロスあり、暴力あり、喜劇あり。
    単純なプロットゆえに、いくつかの操作で普遍的な物語になったのだろう。

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    2021年09月22日
  • コンプレックス

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    コンプレックスとは、無意識にある感情を伴った心的複合体で、意識・自我に様々な影響を及ぼす。それは個人の経験や外的環境に左右されており、自我と対をなし、抑圧されたり暴走したりする。意識されない領域が存在するということ、一定の統一により安定している自我に対し、影としてあるコンプレックスを意識し統合することで、より高次元の自己実現を促す構造は、人の成長にとって重要。人が成長する過程で親や性別は条件として存在しているし、地母などの元型・普遍的無意識についても、人間という根本的な構造がある限り、普遍的に共通する何かがある、という考察はその通りだと思う。

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    2021年09月21日
  • 「老いる」とはどういうことか

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    付録の多田富雄さんとの対談が示唆に富む内容だった。
    「入舞」という概念。河合さんの「入舞」はフルートを吹いてCDをだすことだったんじゃないかなー?奏者の河合隼雄。
    私も、入舞、他人には無駄と思える終焉の舞を舞いたくなった。

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    2021年08月30日
  • コンプレックス

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    めちゃくちゃ面白い。心理学専攻だったのに河合先生の本は初めて読みました。

    コンプレックスとは無意識下に存在しており何らかのきっかけで自我に影響を与える。もう1人の自分と言っても過言ではない。
    コンプレックスは必ずしも悪ではなく、自我とうまく統合することができたら、今までよりもっと自我は成長する…。

    言葉が難しくなくてわかりやすく、都度患者さんの事例が出てくるので面白くてどんどん読んでしまう。夢の事例がとても面白くて、これから自分も夢を見た時に分析したいなと思った。

    コンプレックスは悪だと思っていて、解消されないものだとも思っていたが、自分で苦しみながらも受け入れることができれば少しずつな

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    2021年07月05日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    心理療法士の河合さんと、村上春樹さん、両氏の結婚に対しての発言も面白い。

    河合さん
    「愛し合っている2人が結婚したら幸せになれるなんて言う馬鹿な話はない。そんなことを思って結婚するから、鬱になるんですね。何のために結婚して夫婦になるかと言ったら、苦しむために、井戸掘りするためなんだというのが僕の結論なのです。井戸掘りは大変なことです。だから別にしなくてもいいんじゃないかと思ったりするんですよ」

    村上さん
    「結婚とは、むしろお互いの欠落を暴き立てる過程の連続に過ぎなかったのではないかと。結局のところ自分の欠落を埋めることができるのは自分自身でしかないわけです。そしてその欠落を埋めるにはその欠

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    2021年04月14日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    村上春樹によって私が癒されることはないけれど、あいだに河合隼雄を挟むことにより、村上春樹の思考と言葉によって癒されることがあると分かった。メンタルとフィジカルが物語にどう関わってくるのか、意外と小説について語られている部分もあったのでよかった。

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    2021年03月21日
  • 大人の友情

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    大人になると欲しいと思っても、なかなかできないのが友人。
    そしてある時に何よりも代えがたく感じるのが温かな友情。

    そんな大人になってからの友情というものに焦点を当てた本書。
    学術的内容というより河合先生自身の体験から述べられたエッセイのような内容。

    目次は
    ・友達が欲しい
    ・友情を支えるもの
    ・男女間に友情は成立するか
    ・友人の出世を喜べるか
    ・友人の死
    ・「つきあい」は難しい
    ・碁がたき・ポンユー
    ・裏切り
    ・友情と同性愛
    ・茶呑み友達
    ・友情と贈り物
    ・境界を超える友情

    いいなと思った考え

    ・目的や理想を同じくする絆は仲間や同士であるが、友との絆は「生きていること」とでも言いたくな

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    2021年03月13日
  • 絵本の力

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    おすすめの絵本が紹介されていたり、
    絵本の感じ方など専門家の視点で面白くまとめられている。

    私の好きな河合隼雄さんも登場するので、とても面白かった!!

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    2021年02月10日
  • 中年危機

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     河合隼雄はいつもしっくり来ないけど、何か感じるものはあるんだよな。取り上げられた12作品のうちいくつかを読んでみようと思う。

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    2021年01月22日
  • 働きざかりの心理学

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    若干長い。

    中盤までは中年まで働いて家庭を築いていればかならず経験するような挫折、問題との直面はあって、不幸ではなく誰もが経験するものであること、またそのあたりの事例を上げてそれらの人がどう解決してきたのかが書いてある。まぁまぁ面白い。


    後半急に心理学の教科書的考察が入り、子どものいじめや取り巻く環境を憎々しく思う文がならんだあとの締めが、ギャップもあってかとてもよかった。

    締めのサマリ。
    死ぬ前にちゃんと自分、家族と向き合うこと。
    家庭のこじれは、相互の理解不足が露呈したもの。
    人生の前半は上昇が中心。社会的地位や家庭を築く。後半はいかにして死を迎えるかについて思いを致すことが大事。

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    2021年01月04日
  • コンプレックス

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    その後の心理学の発展のために、またその後の社会のあり方の変容のために、内容が古くなってしまっているところも多いのだが、それでもこの本が今なお臨床心理学の名著として輝きを放つのは、河合先生の臨床心理の専門家としての矜持、クライアントに対する真摯な姿勢と暖かい眼差しが随所にちりばめられているからなのだと思う。励まされる内容がとても多かった。折りに触れて読み返していきたい。

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    2020年11月05日
  • 昔話の深層 ユング心理学とグリム童話

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    グリム童話を主軸に、ユング心理学の視点から昔話を読み解く。日本の昔話や神話とも対比されており、心の過程を考える一助になる。未読の童話が多く、あらすじを追う限り残酷な展開が通過儀礼的に存在しており、グリム童話はPG12指定でもよさそうに思えた。また女性原理と父性原理は、片方に偏重すると生活が円滑に回らないし、世の中に絶対的な成功メソッドはない、ということが、各種童話の説明から痛いほど伝わってくる。

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    2020年09月19日
  • 泣き虫ハァちゃん

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    時代も国も違うけど、リンドグレーンのやかましむらの世界と同じ。幸福感に満たされる。谷川さんの詩もよい。

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    2020年08月22日
  • 子どもの宇宙

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    秘密とアイデンティティ
    秘密の公開により、変える、感情を殺し、人間関係を殺すのを止める
    過去の自分との訣別
    性質や力量の差を超えて、どの子どもも絶対的超越の世界の現れとなる、かけがえのない尊さをもつものとして子どもに接することになる
    他人に対する一種独特の深みをもった愛情をつちかう努力が、人生においてたいそう重要である
    跳躍するもの、粗野なところと、無責任さが、必要

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    2020年08月06日
  • 河合隼雄のカウンセリング入門 実技指導をとおして

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    話の聞き方についてちょっと勉強してみようかと思い購入。
    昭和40年ごろに行われたカウンセリング講座をそのまま文字起こししたようだ。
    言葉遣いや価値観が今と異なっていて、読むのが辛いこともあるが、おおむね頷きながら読める内容だった。

    相手の話をとことんまで聞く。
    相手の気持ちについていく。
    クライアントが思うままに話をすることで気持ちに整理をつけ、解決策を自分で見出す、
    ということがカウンセリングの極意のようだ。
    「どんなに辛くても立ち上がる人の強さを信じているから、これまでカウンセリングを続けられている」というお話には胸を打たれた。

    不登校の学生が学校へ復帰することが長い目で見た時にプラス

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    2020年07月25日
  • 無意識の構造 改版

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    ネタバレ

    日本に箱庭療法を広めたユング派の第一人者、河合隼雄による著書。分析心理学について解説している。
    最初は夢分析などを行う分析心理学に対して胡散臭いと思っていたが、本書を読んで印象が変わった。
    人間本来の性質に出来るだけ近づいていこうという態度が非常に共感が持てるものだった。
    具体例を見てもあまりパッと想像しやすいものではないものもあったため時代を感じたが、それも含めて考える材料として格好の本であった。

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    2020年05月04日
  • 河合隼雄のカウンセリング講座

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    「四天王寺カウンセリング講座」で開催されている講座のうち
    2007年に亡くなられた心理学者の河合隼雄氏が講演されたものを
    「カウンセリング教室」と「カウンセリング講和」の
    2冊に息子の河合俊雄氏がまとめておられます

    「カウンセリング教室」からさらに一歩踏み込んだ内容
    切り口は「女性」「芸術」「中世の物語」「病」

    「カウンセリングと芸術」では弦楽四重奏を例にあげ
    バッハやモーツアルトが表したかったことはひとつではなく 
    さまざまな音が重なり生み出されるものだと
    言いたいことはいっぱいあるのに語られる言葉はひとつ

    だから脈絡のない言葉でも 意味の通じない言葉でも
    たとえ「死にたい」という言葉

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    2020年02月25日