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3.6自分のなかに、自分の知らない自分がいる。 人々の悩みに寄りそい、個人の物語に耳を澄ました河合心理学がふたたび輝きを増している。河合俊雄氏が、師であり、父であり、同志である河合隼雄の全体像を平易に解説。大好評を博した「NHK100分de名著 河合隼雄スペシャル」の番組テキストに、書き下ろし新章を加えた決定版! 〈内容〉 はじめに 第1講 こころの問題に寄りそう――『ユング心理学入門』 第2講 人間の根源とイメージ――『ユング心理学入門』 第3講 昔話と神話の深層――『昔話と日本人の心』『神話と日本人の心』 第4講 夢が映す生き方――『明恵 夢を生きる』 第5講 「私」とは何か――『ユング心理学と仏教』
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3.8
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
最近、臨床心理界隈で話題を作り続けている東畑氏の本を読んでいく中で、河合隼雄氏を避けて通ることができず、まずは入門書に触れてみた。
河合先生の本は読むだけで癒されるなどとも言われているが、それは彼の真っ直ぐな正しさにあるように感じた。ただ優しかったり、憐れんだりしているのではなく、中道を意識しながら、クライエントと同じ場所にまで行って心理療法を行う。これは全ての人にできることではないかもしれない。
それでも河合氏の遺したもの、ここに出てきた、明恵上人や元暁などの偉人の思想などは今後、心理士としても1人の人間としても大きな糧となるだろう。 -
Posted by ブクログ
最初にあとがきを読むべきだった。 どういう観点から論じたか、これを知って読めば、もっとすんなり入っていけたはず。 論者は診療内科の専門家で、ユング派分析を基盤とする。
1Q84論、ということで読み始めたのだが、ひたすらにプリモダン、近代、ポストモダンについて論じ続ける。村上春樹自身が、作家として大事なことは個人的作話システムなので、とインタビュー語っているそうで、意識的にプリモダンの世界を織り込んでいるらしい。
自分は村上春樹を読み込んでいるわけではないが、小説を読んでいなくても引用や紹介で雰囲気はわかる、というより小説の筋自体はここでは重要ではない。そこに織り込まれる超常現象、イニシエーショ -
Posted by ブクログ
わかりやすい導入で、心理療法のなかで夢をどのように扱うか、また心理療法を進めていくうちに現れる夢をどう考えるかなどについて、日本古来の昔話や神話を交えて解説されている本。
現実にすぐに沿わせることなく、まずは象徴的に捉える、またクライアントととの夢の共有の仕方、無理に夢を解釈しないなど、夢の取り扱いの面白さと難しさが学べた。
他の夢を心理療法的に取り扱った書籍と併せて、そのうち再読したい。
以下備忘録がてら目次をば。
心理療法と夢
現代の夢理論ー夢と象徴性
現代の夢とこころの古層
夢の歴史性
こころの古層とイニシエーション
夢と直接性・共時性
直接性の両面
直接性と他者・現実性
直接性と身 -
Posted by ブクログ
村上文学を「夢テキストとして読み解く」との副題には心理学ド素人の私も大変興味を引かれ、手に取った。例えば、「ねじまき鳥クロニクル」における満州を巡るエピソードの中で、ソ連軍・モンゴル兵による「生きたまま川を剥ぐ」という拷問、および砂漠の井戸に突き落とすという「処刑」のシーンが出てくるが、これは実は文化人類学的に見れば「死と再生の儀式」に相当するとの視点など大変新鮮であった。
また、ユングによれば、結婚とは男の自我と女の無意識、及び女の自我と男の無意識との交差的関係である、らしいのだが、これを「1Q84」における天吾とふかえり、及び青豆と新興宗教「さきがけ」のリーダーとの関係に当てはめるくだり