河合俊雄のレビュー一覧

  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 河合隼雄 こころの深層を探る
    最近、臨床心理界隈で話題を作り続けている東畑氏の本を読んでいく中で、河合隼雄氏を避けて通ることができず、まずは入門書に触れてみた。
    河合先生の本は読むだけで癒されるなどとも言われているが、それは彼の真っ直ぐな正しさにあるように感じた。ただ優しかったり、憐れんだりしているのではなく、中道を意識しながら...続きを読む
  • 村上春樹の「物語」―夢テキストとして読み解く―
    最初にあとがきを読むべきだった。 どういう観点から論じたか、これを知って読めば、もっとすんなり入っていけたはず。 論者は診療内科の専門家で、ユング派分析を基盤とする。
    1Q84論、ということで読み始めたのだが、ひたすらにプリモダン、近代、ポストモダンについて論じ続ける。村上春樹自身が、作家として大事...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 河合隼雄 こころの深層を探る
    放送用のテキストとどう違うかというと「明恵 夢を生きる」という章27ページが増えたことです。
    逆に、この別冊で消えたぺージもあります「ふたつよいことさてないものさ」の1ページです、それに放送用はカラー写真だったのが白黒になりました。
    世俗的な(つまり学問的ではない)感想になりますが、この本の一番の特...続きを読む
  • 夢とこころの古層
    わかりやすい導入で、心理療法のなかで夢をどのように扱うか、また心理療法を進めていくうちに現れる夢をどう考えるかなどについて、日本古来の昔話や神話を交えて解説されている本。
    現実にすぐに沿わせることなく、まずは象徴的に捉える、またクライアントととの夢の共有の仕方、無理に夢を解釈しないなど、夢の取り扱い...続きを読む
  • 村上春樹の「物語」―夢テキストとして読み解く―
    村上文学を「夢テキストとして読み解く」との副題には心理学ド素人の私も大変興味を引かれ、手に取った。例えば、「ねじまき鳥クロニクル」における満州を巡るエピソードの中で、ソ連軍・モンゴル兵による「生きたまま川を剥ぐ」という拷問、および砂漠の井戸に突き落とすという「処刑」のシーンが出てくるが、これは実は文...続きを読む
  • ジオサイコロジー 聖地の層構造とこころの古層
    ジオ、サイコロジー
    心理学と地理学、人が生きてきた道を辿るとそこには宗教観や生きてきた人類学的なことが関わってくる。
    そういったことがよく分かる本でした。
    何かがすぐにこの本から得られるかということではなくて、人とはどういったものなのかな。ということを滲ませながら人は生きているということがわかる本な...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 河合隼雄 こころの深層を探る
    以前から興味があった河合隼雄。いきなり著書を読むのは挫折する可能性があると思い、入門書である本書を手に取った。

    前提知識がないせいか、読み進めるのに少し時間がかかってしまった。一読しただけだと全て理解できたとは言い難い。内容が興味深いのは間違いないのでもう少し理解できるまで読むとします。

    その後...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 河合隼雄 こころの深層を探る
    西洋と東洋で、自我や自己の考え方が違う、のがとても興味深く、確かに日本人としてそうだな、と思い、それはどう醸成されてくるのか、文化、というものの捉え方がおもしろい、と思った。
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 河合隼雄 こころの深層を探る
    河合隼雄先生の息子さんによる、河合隼雄先生の著書5冊をベースにした解説。
    数学の教師だった河合隼雄が心理学の勉強を始め、ユング心理学に出会い、それまで嫌っていた仏教を心理学と結びつけ、ユング心理学を日本に落とし込んだ。

    ユングの解説をする河合隼雄の解説…という内容なのでユングの話をしてるのか河合隼...続きを読む
  • 村上春樹の「物語」―夢テキストとして読み解く―
    ユング心理学の研究者が「1Q84」を読み解く。「1Q84」が春樹の中でも、人物の過去を詳細に書いている、ハッピーエンドに終わる独特の本だということ。スプートニクの恋人、めじまき島クロニコル、ハードボイルド・ワンダーランド、海辺のカフカ、1973年のピンボール、ダンス・ダンス、その他の作品の登場人物に...続きを読む
  • 村上春樹の「物語」―夢テキストとして読み解く―
    プレモダン、近代、ポストモダンという三つに区分し、1Q84にあらわれる人間の意識を描出するという本。

    一見、解説本のようだが、実際に読み始めてみると印象が変わった。
    著者が1Q84のカウンセリングをしている場に、読者が立ちあっているといったらよいだろうか。
    マラソンにおける「並走」という言葉に倣う...続きを読む