河合隼雄のレビュー一覧
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講演を元にした河合氏のカウンセリング論。
すでに他書で重複する部分も多いが、繰り返し述べられていることの重要性は痛感した。
以下、感銘した内容
・自分で考えて他人の役に立つと思ってすることが、かえって有害であることも多い。勝手に「分かった」と思っても、それは真の理解からほど遠いことが多い。
・弱いものの勘は冴えてくる(クライエントがカウンセラーや医師に対抗できるのは勘しかないから相手を見る眼が肥える)
・中学生、高校生のカウンセリングは顔を見たときに決まる。「このおっさん、ましや」と思ってくれるかどうかです。彼らはそういうことを非常によく知っている。
・カウンセラーが「おま -
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宗教のあたり、とても面白い。河合氏の主張は「常に物事は二律相反する性質を持っている」というもの。宗教に関しても、消長があるのは、とてもよく分かる。その上で、「100人、200人の人のためになるよりも、自分の子どものために尽くす方が人間にとって難しい」という一文は唸ってしまった。
そして、
《カウンセラー》は
・心理学だけ修めていればいいと言うわけではなくて、文学などを通して人間を究める必要がある。
・日本のカウンセラーは母性の上に父性や厳しさを持つ必要がある。
・普通の人が嫁姑、三角関係、不倫などと名前を付けて見るべきところを、そういうところではクライエントを見ない。カウンセリン -
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大抵の日本人は自らを無宗教者としていますが、日本人の日常生活には宗教的行動がたくさん浸透しています。
そのような「宗教」という物の日本人の考え方や宗教の意味、そして人間にとって宗教はなぜ必要なのかなど、4人の著者が幅広く考察して論じています。
私も本書を読むまでは宗教そのものの意味もよく分からず、偏見でしか宗教を見る事ができませんでした。しかし本書によって「宗教」そのものの意味や存在理由を知ることができ、宗教に対する観方がずいぶん変わりました。
国際化していく現代で日本人独特の宗教に対する偏見を見直して、本書によって世界ではあたりまえのように信仰されている宗教について知る事も重要だと思い -
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ネタバレこれは、ある程度、ちょっと深く源氏物語を読んでないと、引用が分からないかも。
源氏物語は視点を変えると別なモノになる。
母系社会(古代)と父系社会(キリスト教・中世近代)。
日本は、その二つが複雑に絡み合ってるらしい。
源氏物語に登場する女性たちは、紫式部の分身(当たり前)。
男(光源氏)に対して、母なのか、妻なのか、娘なのか、娼(愛人?)なのか、としての女性たちの生き方、考え方。
書き進めるうちに、それらを越えた個としての女性像を描こうとしたのではないか。それが、ラストを飾る「浮舟」。彼女が高みで心の平安を得たのに対し、薫も匂宮も世俗の域を出られない。
浮 -
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"老いるとはどういうことか" は入試の小論文で私が出された課題そのものでした。参考になるかもしれないと本を購入したものの、読むことによって影響を受け、自分自身の考えを書くことができなくなるんじゃないかという不安から、結局今まで読むことができませんでした。いざ読んでみると、110のコラムから成るこの本は私に、新しい考えを次々と分け与えてくれました。
この本はハウツー本ではなく、こういう考え方もあるんだよという様々な引用や著者自身の考えが述べられています。見開き1ページで1つのコラムという形式から気軽に読むこともできるし、何より押し付けが全くないため素直に読むことがで