河合隼雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ小説や物語の中に出てくる猫を通して人の「たましい」を考えた本です。
私のように「たましい」に拒否反応あり、ピンと来ない人には是非読んで欲しいです。
”何らかの「だまし」なしにたましいを語るのは不可能である、
あるいは危険である”
だから「だましい」となっているらしいです。
河合隼雄氏は元文化庁長官といえば顔が浮かびますでしょうか?
心理療法家でもあり、優れた”聞き手”で
私にとっては何とも胡散臭い存在でとても好きな存在です。
この本には難しいことは書いてありません。
しかし、「たましい」という、巧く説明の出来ないものをテーマにしているので、
「たましい」が現れやすい猫の物語に焦点をあて、正に”「たましい」を読み解く”という試みです。
本の説明には大の猫好きと書かれていますが、
あとがきではむしろ「猫好き」ではない、とはっきり書いています。
でもそれは”語り手”ではなく、”聞き手”だからでは?とも思います。
少なくとも「人の中の猫に対する在り方」に興味をもっているのは確かです。
そんな人からの、そんなところから生まれた本です。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
悩み、傷つく心を知ると自分も他人も見えてくる!!
人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている「心の専門家」である著者が、「人の心とは何か」に心理療法の現場から答える。
[ 目次 ]
第1章 私が「人の心」に出会ったとき
第2章 日本人の心の問題
第3章 心との対話法
第4章 心がいま直面していること
第5章 心の影と闇、そして新しい発見
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
かつてケルト文化は、ヨーロッパからアジアにいたる広大な領域に広がっていた。しかしキリスト教の拡大に伴いそのほとんどが消え去ってしまった。ただオーストリア、スイス、アイルランドなど一部の地域にはその遺跡などがわずかに残っている。とくにアイルランドはケルト文化が他地域に比べて色濃く残る。ローマ帝国の拡大とともにイングランドまではキリスト教が届いたものの、アイルランドに到達したのは遅れたからだ。
この本は河合隼雄が、そのアイルランドにケルト文化の遺産を探して歩いた旅の報告がベースになっている。なぜ今、日本人にとってケルト文化なのか。それはケルト文化が、私たちの深層に横たわる縄文的心性と深く響き合うものがあるからだ。
私たちは、知らず知らずのうちにキリスト教が生み出した、西洋近代の文化を規範にして思考しているが、他面ではそういう規範や思考法では割り切れない日本的なものを基盤にして思考し、生活を営んでいる。一方、ヨーロッパの人々も、日本人よりははるかに自覚しにくいかもしれないが、その深層にケルト的なものをもっているはずだ。
ケルトでは、渦巻き状の文様がよく用いられるが、これはアナザーワールドへの入り口を意味する。そして渦巻きが、古代において大いなる母の子宮の象徴であったことは、ほぼ世界に共通する事実なのだ。それは、生み出すことと飲み込むことという母性の二面性をも表す。また生まれ死に、さらに生まれ死ぬという輪廻の渦でもある。アイルランドに母性を象徴する渦巻き文様が多く見られることは、ケルト文化が母性原理に裏打ちされていたことと無縁ではない。父性原理の宗教であるキリスト教が拡大する以前のヨーロッパには、母性原理の森の文明が広範囲に息づいていたのだ。
日本の縄文土偶の女神には、渦が描かれていることが多い。土偶そのものの存在が、縄文文化が母性原理に根ざしていたことを示唆する。アイルランドに残る昔話は、西洋の昔話は違うパターンのものが多く、むしろ日本の昔話との共通性が多いのに驚く。浦島太郎に類似するオシンの昔話などがそれだ。日本人は、縄文的な心性を色濃く残したまま、近代国家にいちはやく仲間入りした。それはかなり不思議なことでもあり、また重要な意味をもつかも知れない。ケルト文化と日本の古代文化を比較することは、多くの新しい発見をもたらすだろう。
いま、ヨーロッパの人々が、キリスト教を基盤とした近代文明の行きづまりを感じ、ケルト文化の中に自分たちがそのほとんどを失ってしまった、古い根っこを見出そうとしている。これは河合が言っていることではないが、日本のマンガ・アニメがこれだけ人気になるひとつの背景には、彼らがほとんど忘れかけてしまったキリスト教以前の森の文化を、どこかで思い出させる要素が隠されているからかも知れない。 -
Posted by ブクログ
現場で活躍する心理療法家たちのさまざまな質問に答えるかたちで出来上がった本である。気軽には読めるが、読むほどに人と人のかかわりについて胸にしみるような言葉が多かった。
現場で苦労する心理療法家たちの真剣な質問に、著者も熱心に語り、小冊子ながら奥行きと幅のある、良質な本になっている。著者が、来談者にかかわる姿勢が、じかに感じられる。
深いところにどんと安定して来談者にどこまでも付き添っていく限りない包容性。それでいてちょっとした言葉の端はしに、こちらがハッとするような細やかな指摘があったりして、じつに参考になる。
心理療法について語りながら、人間と人間との関係についてのもっとも深いところに平易な言葉で触れていく、魅力的な本だ。 -
Posted by ブクログ
この頃河合隼雄さんの本をたくさん読んでいます。
どの本を読んでも人と対峙することについての示唆をたくさんもらえてます。
惜しむらくはもっと早くご存命の時に存在に気づいていれば・・と悔やまれます。
この本の中で、棋士の谷川さんとのエピソードが載っているのですが、すごい棋士もカウンセラーも、研究者で勝負師で芸術家だというくだりがとっても印象的でした。
アロマのこと・人の身体のこと・心の事、このお仕事についてから、深く知りたいことがたくさんで研究してきたいことが多く、そしてその内容を実践で生かすには、書いてある事を自分なりに咀嚼して、トリートメントで結果を出せるように勝負に出る。そーしたときにきっと芸術的なトリートメントができるんだろうなぁー。
とどの職業でも極めていけば、ここに収束するような気がします。 -
Posted by ブクログ
猫を取り扱った世界中の物語を題材にした、全12章から成るエッセイ。
『長靴をはいた猫』、『100万回生きた猫』、日本昔話などに登場する猫を通し、人間の心理、心の働きなどについて書いている。
『猫だましい』というタイトルにもあるように、犬など他の動物とは違い、河合氏は第一章で猫は人間のように「独立したたましい」を持っているようだ、としている。
これは、多くの人間がすでに「何となく」感じていることかと思う。
河合氏はこのエッセイ集でその感覚を様々な猫を通し、非常に強い説得力を持って説明してくれる。
猫好きな人にも、そうでない人にもお勧めできる作品。